フジの朝の顔を担う3人は、トークも息ぴったり。伊藤アナ(左)がガッツポーズに「肩が…」と苦悶すると笑いが起こった=東京・台場
ギャラリーページで見るフジテレビの伊藤利尋(52)、生田竜聖(36)、井上清華(29)各アナウンサーが情報番組「めざましテレビ」(月~金曜前5・25)のメインキャスターとして奮闘している。12年半務めた三宅正治アナ(61)が卒業し、かつて同アナと入れ替わりで卒業した伊藤アナが復帰。新体制スタートから3週間がたった。3人でのインタビューは初。30周年を迎えた看板番組への思いを語り合った。(ペン・渡邉尚伸、カメラ・中井誠)
「めざましテレビ」の生放送を終え、リラックスした様子の3人。伊藤アナの元気な一言から取材が始まった。
伊藤「ざっくばらんにいきましょう!」
――新体制スタートから3週間がたった
伊藤「番組の作り、テンポ、メンバーにアジャスト中です」
井上「みんなの仲の良さ、温かい感じはそのままに、かなりにぎやかになりました」
生田「新しい刺激が加わったよね」
伊藤「2人はともかく、若い衆は段取りと違うと面食らうよね」
生田「三宅さんは秒単位で進行していた。伊藤さんは変化を楽しむ。それぞれ学びがあります」
伊藤「入社したばかりのADだった子がチーフディレクターになって、時の流れを感じたよ」
――伊藤アナは9月の改編説明会で「ポイントは井上アナと仲良くやること」と言っていた
伊藤「井上が僕に気を使ってくれている」
井上「何を言っても(腕を指し)トーク力で受け止めてくれます」
生田「自由にできているよね」
伊藤「短い時間にふさわしい言葉で、かつ楽しむ、悲しむことを表現するのは必要な力だよ」
――互いに印象が変わったところは
生田「伊藤さんの前では面白いことを言わなきゃいけないとビクビクしていたけど、怖い人じゃなかった」
井上「伊藤さんって、すごいアナウンサーで…」
伊藤「安っぽいコメントだなぁ」
井上「もっと厳しい人かと思っていたけど、おしゃべりで陽気なおじさん。楽しみながらスタッフと一緒に番組を作る姿が、勉強になります」
伊藤「生田には(メインキャスターを務める)『めざましどようび』でも『もっと積極的にいけ』と言っています。井上さんは、若いのに番組を背負っている意識があるから偉いなと…」
井上「あーっ、軽い! 『すごいアナウンサー』の仕返しですね」
――伊藤アナは新コーナー「カイトウ」でニュースを掘り下げている
伊藤「(約2分間で)短いけど…。スタッフからテーマが前夜にメールで来て『渋いネタだね』と返すと、『あわわ』ってなるんです」
生田「でも、みんな楽しそうですよ」
――生活リズムはなじんできたか
伊藤「午前2時22分に起きますが、ぜんぜん定着していないです」
井上「体もアジャストするために、老眼鏡を変えてもらいました」
伊藤「100円で買った老眼鏡をかけていたら、生田が…」
生田「『目に合っていないものは良くないです』と言って」
伊藤「面白いフレームにしたらと話が盛り上がって、いざ買ったら『普通ですね』と」
(3人で爆笑)
――三宅アナから託された思い、言葉は
伊藤「『好きにやりなさい』と。僕は三宅さんがスポーツ実況のエースだったときに一緒だった。その後も、僕の仕事ぶりを見てくれていたみたい」
生田「めちゃくちゃ褒めていましたよ。『伊藤はアナウンサーとして3本の指に入る』って」
井上「何回も聞きましたよね」
伊藤「三宅さんが番組卒業のとき、『安堵しました』とコメントしていた。番組を継続させる責任があるので、その感覚はすごく分かるなと」
井上「今も早起きで『めざましテレビ』を見てくれています」
生田「『めざましどようび』も。連絡が来ると励みになります」
――エンタメ担当の軽部真一アナ(62)は三宅アナの同期
伊藤「僕が入社した1995年から一緒に『めざまし』を担当していた関係です」
井上「生き字引みたいな安心感があります」
生田「三宅さんとは同期で仲良し。伊藤さんとは昔から一緒に仕事をしているから『幼馴なじみが来た』みたいな感じ」
伊藤「僕の方が10歳も若いから。念のため」
――自身にとって「めざましテレビ」の存在は
伊藤「VTRのリポート、中継リポート、ニュース、メインキャスターと全部やらせてもらった番組。鍛えられ、育ててもらったので、若い人もそう思ってくれたら」
生田「アナウンサー人生の軸ですね」
井上「『めざましテレビ』でアナウンサー人生を始められて、いろいろ学べたのは幸せです」
――これから番組をどうしていきたいか
伊藤「僕らベテランの出演者、スタッフが次の世代の人とイノベーションを生んでいけるか」
井上「毎朝が楽しいのは先輩たち、スタッフさんのおかげ。そういう空気を続けていければ」
生田「三宅さんのときと変わらず、視聴者の方に寄り添える優しい番組にしていきたいです」
★21日、石川県能登半島で伊藤アナ現場から中継
伊藤アナはニュースの現場に足を運んでいく。21日は地震と記録的豪雨に見舞われた石川県能登半島から中継する予定だ。「困っている人を取材したい」といい、理由は「ミスリードになるというか、復興・復旧は〝まだら模様〟だから取り残されている人が必ずいる。ポジティブな人たちも取材するけど、困っている人の声を届ける方がメディアとして意味がある」と明かした。
■伊藤利尋(いとう・としひろ) 1972(昭和47)年7月22日生まれ、52歳。兵庫県出身。慶大法学部卒業後、95年にフジ入社。「みんなのニュース」「とくダネ!」「バイキングMORE」などで活躍。2024年9月から「めざましテレビ」メインキャスター。「なりゆき街道旅」「相葉◎×部」のナレーション、「ネプリーグ」の天の声を務めている。
■生田竜聖(いくた・りゅうせい) 1988(昭和63)年6月13日生まれ、36歳。神奈川県出身。中大法学部卒業後、2011年にフジ入社。同10月から「めざましテレビ」のレギュラーになり、21年3月にメインキャスター就任。22年4月から「めざましどようび」のメインキャスターも務め、史上初の兼任となった。兄は俳優、生田斗真(40)。
■井上清華(いのうえ・せいか) 1995(平成7)年4月23日生まれ、29歳。福岡県出身。青学大時代はミス青山ファイナリストに選出。同大文学部卒業後、18年4月にフジ入社。同10月から「めざましテレビ」のレギュラーになり、21年3月からメインキャスター。「ホンマでっか!?TV」「ミュージックジェネレーション」の進行なども担当している。