浪山克彦とは? わかりやすく解説

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浪山克彦

浪山克彦の俳句

この暗き星に生まれてしやぼん玉
しほからき日輪とありはせをの忌
せめて尾は渚に下ろせ春の虹
どの唇も歌ふ遺影の卒業子
まぼろしの大鳥となり春の山
アフリカの闇うづくまる雨の檻
マルセーユ石鹸からの蜩か
一木は海神のためもみづれり
下駄履いて行くか彼岸へ秋日和
北上川の蘆の花より童唄
半眼は思惟のみならず万愚節
口結ぶことも詩なり花萱草
夕桜ひとひらごとに死を語る
拾はれぬ木の実月光降るばかり
散りやまぬ岬桜を弔花とも
文芸は群れても一人山桜
日の神を生まんと氷柱太りたる
春を待つ海鵜を乗せて沖つ石
春を生くテヅルモヅルの形をして
枯蘆のなかに立ちたる初詣
樹脂噴いて朝を待ちをり被曝の木
死ぬ時はしろがねの息冬の蝶
波裏の暗くなりけり冬紅葉
真っ先に子の指炎ゆる蛍狩
秋暑し鋼びかりの山の墓
線量計差したる川を鮭上る
羽前深々かくも律儀に蕎麦の花
老人的才能であり冬の蠅
花ざくろ暗きは死者に触れてより
花好きのはぐれ海猫をり溺谷
表札を掛けるとすれば冬桜
越南は知らねど匂ふ稲の花
追憶を瓦礫と言ふな野水仙
野仏の一円玉に大初日
雁を待つわれも宇宙の一微塵
 



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