球束
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 14:43 UTC 版)
「直線束 (射影幾何学)」および「円束 (射影幾何学)」も参照 相異なる二つの球面の方程式 f(x, y, z) = 0 および g(x, y, z) = 0 に対して s f ( x , y , z ) + t g ( x , y , z ) = 0 {\displaystyle sf(x,y,z)+tg(x,y,z)=0} は、助変数 s, t の任意の値に対して、やはり球面の方程式を与える。適当な t, s に対してこの方程式を満足する球面すべてからなる族を、もとのふたつの球面(生成球面)から定まる球束または球面束 (pencil of spheres) と呼ぶ。ただし、この定義において「球面」には平面(無限遠点中心、半径無限大)の場合も許すものとする。生成球面が両方とも平面である場合には、球面束を成すすべての球面が平面となるか、さもなくば球面束はただ一つの平面(生成球面の根面)のみからなる。 球面束がすべて平面からなるのでないならば、それを以下の三種に分類することができる: 生成球面の交円が実円 C ならば、球面束は C を含む球面(根面も含めて)全体の成す族になる。球面束に属する通常の球面(平面でないという意味)の中心の軌跡(中心直線)は C の中心を通り根面に直交する直線上にある。 生成球面の交円が虚円ならば、球面束に属する球面はこの虚円を通るが、通所の球面としてはそれらは交わらない(共通実点はない)。属する球面の中心直線は根面(これは虚円を含む平面で球面束に属す)に直交する。 生成球面の交円が点円 A ならば、束に属する球面は全て点 A において接し、根面は束に属するすべての球面の共通接平面である。中心直線は A において根面と直交する。 根面上の固定された点から束に属する任意の球面に引いた接線の長さは、球面に依らず同じになる。 根面は、束に属する球面すべてに直交する任意の球面の中心が描く軌跡に等しい。もっと言えば、球面束に属する球面の任意のふたつに直交する球面は、束に属するすべての球面と直交し、かつ中心が束の根面上にある。
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