見物人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 22:21 UTC 版)
このカモを見ようとする見物人は2月2日頃から増加し始め、その数は200人から300人に昇っていた。2月7日から8日にかけてカモが不忍池にいた際は、7日は日曜日とあって特に見物人が殺到し、家族連れなど常時200人前後が取り巻いた。さらにカップルなども加わり、最終的な見物人の数は千人以上に達した。翌8日は池に隣接する上野動物園が休園のため、園のフェンス越しに人々が盛んに撮影を行なっていた。ここまでカモが話題を集める理由は、カルガモ同様に見た目がかわいらしい上に、自然の少なくなった都会にやって来る野鳥、という要素も加わって感情論をかき立てやすいのであり、たとえばこれが矢の刺さったカラスならここまで話題にはならなかったろう、との意見もある。 こうして連日押し寄せる見物人は、報道陣と共に次第に問題視された。カモは多くの人間たちを警戒するあまり、動物園職員による餌付けにも従わなくなった。岸辺にも近づかないようになり、群れから少し離れた場所でエサなどをついばんでいた。子供たちがカモに餌を投げ、それにつられてカモが近づくと、人々がカメラを構えて殺到、と悪循環が繰り返された。中にはカモを近くで撮影しようと、報道規制のロープを超えて水辺に近づく者もいた。「話題のカモを見ることができた」と喜んだり、不忍池で記念写真を撮影したりと、本件の意味を取り違えている見物人も見られた。2月4日には、カモが石神井川での救出作戦から逃れて不忍池で羽を休めているところへ、30歳代の中国人男性が捕まえようとして川に入ったため、驚いて逃げ出すという一幕もあった。 前述の小宮輝之は「カモは昼間休んで夜に動き回る夜行性の鳥。やじ馬やマスコミが追い回すと、かえって消耗して長く生きられないので、静かに見守ってほしい」、同じく上野動物園飼育課の衛生第一係長である川鍋富義も「映像がすごくかわいそうな姿だから、皆飛び付いてきたけれど、やじ馬や報道陣が押しかけたことで、ほかのカモも神経質になったり行動リズムが狂っている。(略)こういった騒ぎも野生の動物にいい影響は与えないですよ」、青森地域社会研究所参与である福士隆三は「動物愛護の気持ちがあるのなら、なぜそっとしておいてやらなかったのか」と指摘していた。 都市鳥研究会の顧問である唐沢孝一は、こうした見物人や報道の過熱ぶりを以下の通り、否定的に語っている。 あれだけ周りで騒がれたら、落ち着かないのは当然。まったく、カモのためになっていません。それに、内容も「かわいそう」というだけではねぇ。そもそも野生動物なのに、ペットに近い見方をしているでしょう。人間と野鳥の共存はもっと客観的に考えるべきで、溺愛型ではだめなんですよ。 — 唐沢孝一、「“愛鳥精神”もいきすぎると……」、前田 1993, p. 161より引用 野鳥に詳しい神奈川県立博物館の学芸員(当時)の中村一恵は、1970年代以降に野鳥が都市部に進出してきたことが、人間と野鳥の距離を狭め、今回の事件に繋がったと指摘している。 背景の一つには、人間と野鳥の距離が近くなってきたことにあります。愛鳥精神から餌付けする人が増えた結果ですが、結局容易に矢が届く距離まで接近してしまっていたわけです。過剰な餌付けで野生動物の生活が変わってしまう場合もありますから、野鳥と人間は、一定の距離を保った上で共存していくべきではないでしょうか。 — 中村一恵、「“愛鳥精神”もいきすぎると……」、前田 1993, p. 161より引用 また、作家の佐藤優によれば、当時の中華料理店で女性客たちがこのカモを「かわいそう」と話していたが、彼女らの食べていた料理がアヒルの料理だったことから、矢ガモと食材の鳥を別物とみなす姿勢に疑問視したといい、この意見には同じく作家である坂東眞砂子も賛同している。京都大学名誉教授の森毅、作家のポール・ボネ、東京都内のカモ料理店「笹周」の店主である笹川周衛らも同様に、普段からカモが食材となっているにもかかわらず、今回ここまでの騒動になったことを疑問視している。「不忍池のカモは、戦後には貴重なタンパク源だった」との指摘もある。
※この「見物人」の解説は、「矢ガモ」の解説の一部です。
「見物人」を含む「矢ガモ」の記事については、「矢ガモ」の概要を参照ください。
見物人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 00:54 UTC 版)
第2作に登場。大型スクリーンを観ながらゼアスを応援していた夫婦らしき男女。勇気と共にゼアスに声援を送った。
※この「見物人」の解説は、「ウルトラマンゼアス」の解説の一部です。
「見物人」を含む「ウルトラマンゼアス」の記事については、「ウルトラマンゼアス」の概要を参照ください。
見物人
「見物人」の例文・使い方・用例・文例
- 見物人が道に群がった
- 通路までもが見物人でぎっしりだった。
- 数千人の見物人がパレードのルートに並んだ。
- 彼が飛行機に乗り込むと、見物人が集まってきた。
- 見物人は次第に去って[帰って]いった.
- その光景は見物人をぞくぞくさせた.
- 伝統を誇るその祭の日には, 大勢の見物人の前で古式による行列の王朝絵巻が繰り広げられる.
- その家の前に見物人の山ができた.
- その行列には大勢の見物人が集まった.
- 火事と聞いて見物人が皆出口の方へどっと行った
- 女優の容貌といい芸といいたちまち見物人の魂を奪った
- 見物人があると競技者の励みなる
- 見物人が無いと競技者は張合いが抜ける
- 見物人があると競技者は張合がある
- 競技者は見物人があるとはずみがつく
- 見物人があると競技者がはずむ
- 見物人
- 世界見物人
- 縄張りをして見物人を入れない
- 見物人が無いと競技者は張合が抜ける
- 見物人のページへのリンク