このページ (学習方法/中学校歴史) では、学習方法/中学校歴史について説明します。なお、独自研究や中立性を欠いた文章を含んでいる場合があります。独自研究の中には多くの場で共有されている意見もあれば、少数の意見もありますのでご注意ください。


予習で困る、肖像画の無い受験参考書の対策

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予習の教材には、肖像画などの絵が必要です。しかし多くの参考書で、肖像画などが不足気味です。

結論から言うと、予習の目的では、買うべきは

学研ニュ-コース + 受験研究社

です。

なぜなら他社の本だと、肖像画などの画像が不足しており、先に学校で授業を習ったあとでないと、使用が困難です。

よって、学研と受験研究社の上記の組み合わせしか無いのです。


脱ゆとり教育などの理由で、中学参考書で紹介する歴史上の人物がとても増えたので、他社の本には、あまり参考書に肖像画などの画像が掲載されていません。


たとえば、あるハイレベルな高校受験参考書には、フビライ=ハン の肖像画が無かった。いくら高校入試に肖像画が出づらいとはいえ、さすがにこれは、どうなのか。

ほか、宗教革命のルターも肖像画が無い。まあ、カルバンは元から中学教科書に無かったが、ついにルターも同じ扱いになった。

こういう感じなので、定期テスト対策の参考書から読みましょう。

具体的に書籍名を言うと、買うべきは、学研の「ニューコース」シリーズの「歴史」です。これしかありません。

他社の本や、学研の他のシリーズだと、肖像画などが不足しています。

学研は他にも文章ばかりの「やさしい」シリーズや、高校受験用の「パーフェクト」シリーズも出してますが、どちらも肖像画が他社本と同様に不足ぎみですので、ニューコースを買いましょう。ニューコースしかないのです。

文英堂や数研の学年別の本も確認しましたが、ダメでした。本当に学研ニューコースしか、予習用に肖像画の充実した本が無いのです。


なお、実際にニューコースを読むと、本文は、箇条書きっぽくて、やや復習用です。

つまり、ニューコースだけでは予習が出来ません。

なので、受験研究社の『歴史』を買い足して、そちらを(受験研究社を)中心に読みながら、肖像画などを学研ニューコースで補いましょう。

「受験研究社」と「学研」の教材という、まるで昭和の小中学生のころの定番コースです。これしか無い。


もし、その定期テスト対策のための参考書(学研ニューコース)にも肖像画が無ければ、あきらめましょう。あきらめて、学校の授業を待ちましょう。

どんなに中学受験などをしていて学力が高くても、中学生になってからの予習の段階では、初歩的な定期テスト対策の参考書が良いでしょう。


ほか、受験研究社の用語集&資料集には、肖像画がありません。ほとんど用語集です。受験研究社のは「資料集」と言っても、けっして学校配布の資料集のような画像中心の教材ではなく、統計などの「資料」という意味です。

検定教科書の姑息な用語減らし

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歴史には多くの用語があります。検定教科書だと、用語を減らそうとして、姑息なことをしています。

たとえば、「鎌倉幕府」、「鎌倉」(地名)、「鎌倉時代」、とほぼ同じ用語は、ひとつに「鎌倉時代」にまとめるて、3つの用語を1つに減らすわけです。

結局、あとで参考書を読んで、用語を覚えたす羽目になるので、最初から参考書を読みましょう。

検定教科書だと太字になってなくても参考書では太字になっている用語、というのもあります(高校では太字になる)。最初から参考書を読みましょう。

歴史の学習

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暗記科目だけど理解もせよ

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太字で書かれている語句が、重要な、大事な部分、言葉です。

勉強法の書籍にも書かれていますが、中学レベルにおいては、社会と理科は、やや暗記科目の傾向です[1]

高校入試の話題は、公立高校の場合、基本的には教科書および一般的な資料集から出ます。学生は自分の学校で配られなかった教科書や資料集を見る機会は無いですが、しかし一般的な参考書や過去問集を確認すれば、そこに書いてあるような出題内容は、基本的には教科書および資料集の範囲です。


また、昔から言われている教師の決まり文句として、「ここ試験に出るぞ~。」なんてのがありますが、果たしてこんなセリフを実際の教師が言ったのかどうかはともかく(マンガの中だけのセリフかも)、仮に教師がそう言ったとしたら、やはりその語句や項目はよく覚えて、学習しておくのがよいでしょう。

ただ、中学歴史科が暗記科目でも、単答する語句だけを覚えるのではなく、その語句がどういう意味、内容を示しているか、それもよく知って理解しておくほうが覚えやすいです。心理学でここら辺の話を「意味記憶」と言います。

用語

とはいえ、用語だけは暗記的に覚えるしかありません。用語は書き取り練習などで漢字ごと覚えてください。高校入試の社会科では、用語の漢字が間違っていると不正解または減点です[2]

出来事

中学校で学習する歴史のなかの出来事は、一部の単元を除き、ほぼ1つのストーリー(物語)を形成しています[3][4]。なので、比較的に意味を理解しやすい構成になっているはずなので、出来うる範囲で頭も使って考えたほうが理解しやすくなります。


年号の丸暗記をするのは、最終手段に限定すべきでしょう[5]

なぜなら定期テストや入試などでも、できごとの順番を問う出題もよくあるので、ストーリーを覚えるほうが効率的だからです[6]。あくまで高校受験までの話ですが。

年号を覚えなくても順番をストーリーで覚えられれば高校受験レベルの順序問題は解けるので[7]、年号の勉強は後回しにすべきでしょう。


ただし、高校入試では年号・順序を暗記しないと解けないような問題もあるのが現状で、ストーリーを理解するだけでは限界があります。(大学入試も同様です。)しかし、まずは歴史のストーリーを理解する勉強を先に行いましょう。

ストーリーを理解することで暗記はなくなりませんが、しかし暗記の必要な量は減らせます。


たとえば

「中大兄皇子らが蘇我氏を滅ぼした」という出来事、その後の国政改革である「大化の改新」という出来事、そして「中大兄皇子(天智天皇)」という人物名、できごとと出来事、そして人物、これらを関連付けて覚える。

wikiコミュニティはこれを体系的暗記と呼び、テスト対策に有効だと考えています。

そしてこの歴史を体系的に理解して覚えるということ、そのためには、学校で提供される教材以外にも、市販の各種参考書類、教材類も、新たな詳しい説明がなされていて、有用になります。


なお、教育心理学の用語で、「有意味学習」と言う言葉があり、その名の通り、意味の通った知識体系として理解することで記憶する学習法、というような意味です[8]。機械的な丸暗記では、すぐに忘れてしまいますので[9]、なるべく有意味学習をしましょう。

年号

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例えばテストで「平城京に都が移されたのは何年か」という割と単純な問題は、中学校や高校で出題されることはあまりないようです。

「長岡京、平安京、平城京を、都が移された順に並べ替えよ」という順序問題は出るかもしれない。長岡京の遷都(せんと)は784年、平安京遷都は794年、平城京遷都は710年なので、この問題は「平城京→長岡京→平安京」の順で正解なのだが、これはまず第一に、この年号を記憶していれば、この質問に答えられます。しかし、平城京から平安京の流れ、そして長岡京遷都の事情と詳細を知っていれば、年号を覚えていなくても答えられるかもしれない。


年号暗記には、語呂合わせというのがあります。ここで参考までに日本史の流れを知るのに都合のいい語呂を古い順に並べておきます。ほとんど有名どころですが。


蘇我入鹿を蒸し殺(645)す 「大化の改新」 (※ 虫殺す、無視殺す、みたいにアレンジする場合も)
なんと(710)素敵な 平城京 「平城京遷都」
鳴くよ(794)うぐいす 平安京 「平安京遷都」

いい国(1192)作ろう鎌倉幕府 「源頼朝が征夷大将軍になり鎌倉幕府成立」[10]

瞳さわ(1338)やか 室町幕府 「足利尊氏が征夷大将軍になり室町幕府成立」


このあとは、関ヶ原の戦い1600年は誰もが覚えやすい数字です。


年号暗記では、江戸末期~明治初期や第一次世界大戦~第二次世界大戦のあたりの記憶が出来事の密度が高く難関です。


あいにく高校入試では、最終的には年号を覚えなくては解けないような問題が出ることもあります。ですが、いきなり年号を覚えようとしても記憶に定着しませんし、語句穴埋めの文章問題や総合問題などが出題されたら年号暗記だけでは通用しなくなってしまいます。

なので、まずは時代の近い複数の出来事の関連するストーリー(いわゆる「歴史の流れ」)を把握するのが優先事項です。年号の暗記に取り掛かるのは、そのあとです。

地名と地図上の場所

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江戸時代末期、日米和親条約によって開かれた港は下田と箱館(函館)です。歴史学習そのものとしても、試験対策としても、この地名だけを知っているのではなく、これらの港の地図上の位置も問われたりします。

なので、これらの地名がどこの都道府県にあった程度の大まかな位置は、地図で確認して覚えておきましょう。下田は静岡ですが、単語で「静岡」と覚えるだけでなく、地図でどこら辺だかを出題されます(入試などで、静岡県の位置を知らない生徒を落とすため)。

歴史と公民の教科書は、割と記述が詳細

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歴史と公民の教科書は、地理の教科書よりも、詳細な記述をしています。

ですから中学生はついつい、歴史や公民の学習量を多くしがちで、その代償として地理の学習量が少なくなり、学習量が偏重したりすることもありがちです。

しかし、高校入試の出題傾向はそうではなく、基本的には地理・歴史・公民の3分野すべてが高校入試の社会科ではバランス良く出題されます。

学習漫画

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学習漫画というのがあり、歴史をマンガ形式で解説した本も書店に並んでいます。

学習法を解説する書籍でも、推奨する立場の人のほうが多いように見られます[11]

ただ、多くの実際の学習漫画で扱っている内容は、学校教育の内容に準拠したものではなく、直接的に学校の学習の記憶や理解を深めたい、成績を上げたい、という目的にはあまりかなっていない、という指摘もあります[12]

ですから最初の堅い話に戻ってしまうのですが、あくまでも学習漫画は、勉強の補助、わき役であり、ある意味気晴らしに、遊び心で読むものであって、本格的な勉強は、やはり正攻法、もう少し手堅く行っていくもののようです。


学習マンガの場合、ストーリーを子供にも分かりやすくするために、監修者・マンガ作画担当らの想像が入っている場合があります。このことは学習マンガの本体にも、注意書きなどとして、前書きまたは後書きなどに書かれている場合があります。

歴史的には複数の学説がある部分を、マンガではストーリ上の都合でどれか1つの学説だけにしていたりとか、しています。

なので、詳細な勉強をするには、学習漫画だけでは不十分です。(ただし、高校入試などでそこまでの詳細な知識を問われるかは不明ですが)

学習マンガは、細かな知識を覚えるのではなく、イメージや全体像を把握するのに使いましょう。(もっとも、細かな豆知識とかも学習マンガに書いてあるかもしれませんが、臨機応変に活用してください。)


一方、検定教科書は、これは確実に歴史的な事実である出来事だと、文科省が認定していることだけが書かれています(そうでないと検定に落ちる)。参考書も、基本的には出版社が事実だと考えている歴史が書かれています。

道徳教科や平和教育などにある伝記は参考しない

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道徳の教科書や副読本・副教材(視聴覚ビデオなど)に、あたかも伝記風で、まるで歴史的な出来事かのようなお話が書かれてる場合もあります。

しかし、道徳の教科書・教材などにある伝記風の読み物には、実際の歴史とは違う部分も含まれており、制作者らの想像が部分的に各所に混じっています。物語として子供にも分かりやすくするために、実際には無かった出来事を教材中で、過去の伝記風の作品には追加していたりもします。

なので、あまり歴史としては、道徳教科書を信用しないでください。

たとえば道徳教材などで紹介されることもある「江戸しぐさ」というマナー集は、実際の江戸時代には存在しなかったマナーです。

上記「江戸しぐさ」は極端な例ですが、そのほかの事例として、実在する人物の伝記に、実在しない出来事が混ざっている(物語化するために教材制作者らの想像を追加している)、・・・なんて可能性も、道徳教材では考えられます。

もし、道徳教材にあるような伝記風のお話が、本当にあった出来事ばかりで教育的なら、そもそも資料集や参考書などでも紹介されるはずですし、ならば検定教科書にもコラムなどで取り扱われるはずです。

しかし現実はそうではなく道徳教材でしか紹介されないお話だという事は、なんらかの不都合があって資料集や参考書では紹介できない、という大人の裏事情・背景事情があるのです。察してください。


また、上記のような不都合が道徳教材にはあるので、高校入試でも道徳教材中の伝記っぽい知識は出題されないのが基本です。


ほか、教科書・参考書に無い、ジェンダー教育とか平和教育とかの「体験談」とかも、似たようなものです。

もし、高校の資料集や、中高の参考書にも書いてなければ、そしてネットにも無ければ、それは作り話か、第三者集団が未検証の可能性があります。

「講釈師 見て来たような 嘘を言う」という川柳があります。コトバンク

とはいえ、講演をしている本人にそういう批判をすると怒るので、適当にその場では話を合わせましょう。営業スマイルです。向こうだって営業でやってるんです。

参考文献・脚注

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書籍

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  • 國立拓治 著『くにたて式 中学勉強法』、大和出版、2023年4月28日 11刷発行、
  • みおりん 著『やる気も成績もぐんぐんアップ! 中学生のおうち勉強法入門』、2022年2月15日 初版 第1刷 発行、
  • ラオ 著『中学生のためのすごい勉強法』、2023年3月25日 初版 第1刷発行、
  • 中澤潤 編著『よくわかる教育心理学 第2版』、ミネルヴァ書房、2022年3月31日 第2版 第1刷 発行
  • 『やる気を出したい人 成績を上げたい人のための 中学の勉強のトリセツ』、GAKKEN、2020年2月10日 第8版発行
  • 『行きたい高校に行くための勉強法がわかる 中学一冊目の参考書』、2020年3月21日 初版発行、KADOKAWA、(たぶん)32ページ(ページ数が書いてないページなので)、

脚註

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  1. ^ 國立拓治 著『くにたて式 中学勉強法』、大和出版、2023年4月28日 11刷発行、P103、
  2. ^ みおりん 著『やる気も成績もぐんぐんアップ! 中学生のおうち勉強法入門』、2022年2月15日 初版 第1刷 発行、P166
  3. ^ みおりん 著『やる気も成績もぐんぐんアップ! 中学生のおうち勉強法入門』、2022年2月15日 初版 第1刷 発行、P166
  4. ^ ラオ 著『中学生のためのすごい勉強法』、2023年3月25日 初版 第1刷発行、P150
  5. ^ ラオ 著『中学生のためのすごい勉強法』、2023年3月25日 初版 第1刷発行、P150
  6. ^ ラオ 著『中学生のためのすごい勉強法』、2023年3月25日 初版 第1刷発行、P150
  7. ^ ラオ 著『中学生のためのすごい勉強法』、2023年3月25日 初版 第1刷発行、P150
  8. ^ 中澤潤 編著『よくわかる教育心理学 第2版』、ミネルヴァ書房、2022年3月31日 第2版 第1刷 発行、P70
  9. ^ 中澤潤 編著『よくわかる教育心理学 第2版』、ミネルヴァ書房、2022年3月31日 第2版 第1刷 発行、P70
  10. ^ 教科書によっては、鎌倉幕府成立を「源頼朝が守護や地頭を任命する権利を得て幕府の制度を整えた」1185年としている場合があります(東京書籍など)。ほかにも仏教伝来など、史学の研究の過程で年号が見直されることがありますので、授業で使われている教科書で確認をするようにして下さい。-- 『中学校の歴史 1192は違うの?鎌倉幕府成立』2008年02月28日 朝日新聞
  11. ^ 『やる気を出したい人 成績を上げたい人のための 中学の勉強のトリセツ』、GAKKEN、2020年2月10日 第8版発行、44ページ、
  12. ^ 『行きたい高校に行くための勉強法がわかる 中学一冊目の参考書』、2020年3月21日 初版発行、KADOKAWA、(たぶん)32ページ(ページ数が書いてないページなので)、