カレン族

ミャンマーとタイに居住する少数民族

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カレン族: Karen: 克倫族、ビルマ語ではカイン)は、タイ北部・西部から、ミャンマー東部・南部にかけて居住する民族である。広義にはカレンニー(赤カレン)などのカレン系諸族すべてを含み、狭義にはスゴー・カレンとポー・カレンを中心とする白カレン・グループが主なカレン族と見なされる。伝統的には半農半狩猟である。

カレン族(カイン族)
カレン族の女性
総人口
4,000,000
居住地域
ミャンマーの旗 ミャンマー3,500,000
タイ王国の旗 タイ400,000
言語
カレン諸語
宗教
上座仏教キリスト教精霊信仰
関連する民族
カレンニー族パーオー族

ミャンマーに暮らすカレン民族同盟(カレン州)のカレン民族解放軍及びカレンニー民族進歩党(カヤー州)のカレンニー軍が、軍事政権国家平和発展評議会及び民主カレン仏教徒軍に対して国境地域にあるコートレイ(en)解放区(コートレイ共和国, 1949年6月14日 - 1950年3月)の独立闘争を行っている。Wikipedia英語版の情報では、1960年代に日本のODAによってバルーチャウン第一水力発電所及びバルーチャウン第二水力発電所が作られたが、2000年代になって国軍がその周辺を拠点として常駐し、カレン族への極めて激しい民族浄化(殺人、強制労働、食糧・物資の略奪や強姦など)活動を行っており、衛星写真からも河川に近い小さな農村の消滅が確認されている。戦乱を避けてタイへ脱出したミャンマー難民のうちカレン族は10万人規模[1]である。現在、バルーチャウン川下流のサルウィン川にも大型水力ダムハッジーダム(Hat Gyi Dam, Dams in Burma)建設計画が出ており、さらに大規模な民族浄化に繋がる懸念が出ている。

特徴

  • 民族信仰の精霊信仰(アニミズム・先祖)に加え、キリスト教(30%程度)や仏教も信仰する。
  • 未婚の女性は白いワンピースの民族衣装を着る。
  • カレン系諸族は、カヤン族(パダウン族)のように過度な装飾をするグループがいる。
  • 葺屋根高床式住居に住む。

カレン系諸部族

白カレン、赤カレン、黒カレンといった用語は、特定種族を指す呼称ではない点留意されたい。

白カレン

  • スゴー族(Sgaw)
  • ポー族(Pwo)
  • モブワ族(Mobwa)
  • パク・モネブワ系(Paku、Monebwa)

赤カレン

  • カレンニー族(Karenni、カヤー:Kayah)
  • ブエ・カヨー系(Bwe、Kayaw)
  • ゲコ・ゲバ系(Gekho、Geba)
  • 首長族(カヤン:Kayan、パダウン:Padaung)

黒カレン

他のカレン系

  • インタレー族(Yintale)
  • インバオ族(Yinbaw)
  • ラタ族(Latha)

参考文献

  • 飯島茂(1971)『カレン族の社会・文化変容』創文社
  • 新谷(2002)『シャン文化圏におけるカレン諸語調査とその画期的成果』通信106号
  • 速水洋子(2009)『差異とつながりの民族誌 北タイ山地カレン社会の民族とジェンダー』世界思想社

出典

  1. ^ [1]UNHCR(2010)

関連項目