フェナコドゥス学名Phenacodus)は、後期暁新世から始新世中期の約5,780万年前から5,200万年前に生息した哺乳類の絶滅した顆節目フェナコドゥス科(メニスコテリウム科とも)。最初期の有蹄哺乳類のうちのひとつ。奇蹄類の祖先、あるいは祖先に近縁の生物であるといわれる。

フェナコドゥス
フェナコドゥスの想像図
地質時代
暁新世後期 - 始新世中期
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
下綱 : 真獣下綱 Eutheria
上目 : ローラシア獣上目 Laurasiatheria
: 顆節目 Condylarth
: フェナコドゥス科 Phenacodontidae
: フェナコドゥス Phenacodus
学名
Phenacodus Cope, 1873
  • P. bisonensis
  • P. condali
  • P. grangeri
  • P. intermedius
  • P. lemoinei
  • P. magnus
  • P. matthewi
  • P. primaevus模式種
  • P. teilhardi
  • P. trilobatus
  • P. vortmani

特徴

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フェナコドゥス化石

体長約1.2 - 1.7メートル程とヒツジ程の大きさ。軽快な身体の作りであり、比較的小さな頭部と弓なりになった脊柱、やや短い頑丈な四肢と長い尾を持っていた。

四肢は尺骨橈骨脛骨腓骨が各々独立しており、前後とも肢端を回すことができた。森林や湿地帯の柔らかい地面の上を歩くのに適した形態であったと思われる。四肢の先には哺乳類の基本形である五本の指があり、その先には小さな(あるいは先のとがっていない鉤爪)が付いていた。このうち中指が特に大きくなっており、これとその両脇の指の3本で体重のほとんどを支えていた。これは、奇蹄類などに似た特徴である。

 
組み立てられたフェナコドゥス骨格。

頭部は後の有蹄動物に比べると小さく、脳函部も大きくなかった。また、歯は44本と真獣類の基本形態を留めたままであった。各々の歯はそれほど特殊化しておらず、臼歯の歯冠も短かった。食性は主に草食であったにせよ、時としては肉食や昆虫食などをしていた可能性がある。

分布

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北アメリカ及び南アメリカ、ヨーロッパから化石が出土。森林などで暮らしたといわれる。

参考文献

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  • 今泉忠明『絶滅巨大獣の百科』データハウス〈動物百科〉、1995年。ISBN 4-88718-315-1 
  • 冨田幸光『絶滅哺乳類図鑑』伊藤丙雄、岡本泰子、丸善、2002年。ISBN 4-621-04943-7 
  • ヘーゼル・リチャードソン、デイビッド・ノーマン(監修)『恐竜博物図鑑』出田興生(訳)、新樹社〈ネイチャー・ハンドブック〉、2005年。ISBN 4-7875-8534-7