花咲駅
花咲駅(はなさきえき)は、かつて北海道(根室振興局)根室市花咲港[1]に所在した北海道旅客鉄道(JR北海道)根室本線(花咲線)の駅(廃駅)。事務管理コードは▲110453[2]。
花咲駅 | |
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駅舎(2010年8月) | |
はなさき Hanasaki | |
◄西和田 (4.6 km) (4.1 km) 東根室► | |
所在地 | 北海道(根室振興局)根室市花咲港255番地[1] |
所属事業者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
所属路線 | 根室本線(花咲線) |
キロ程 | 438.2 km(滝川起点) |
電報略号 | ハサ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面1線 |
乗車人員 -統計年度- |
0人/日(降車客含まず) -2012年- |
開業年月日 | 1921年(大正10年)8月5日[1] |
廃止年月日 | 2016年(平成28年)3月26日[JR北 1] |
備考 | 無人駅 |
歴史
編集- 1921年(大正10年)8月5日:国有鉄道根室本線(同日、釧路本線を改称)の西和田駅 - 根室駅間延伸に伴い開業(一般駅)[3]。
- 1936年(昭和11年)9月25日:駅舎改築[4]。
- 1949年(昭和24年)6月1日:日本国有鉄道法施行に伴い、公共企業体日本国有鉄道(国鉄)に移管。
- 1960年(昭和35年)1月1日:貨物の取扱いが終了し[5]、旅客駅となる。
- 1961年(昭和36年)4月1日:業務委託駅となる[4]。
- 1984年(昭和59年)12月1日:荷物の取扱いが終了[5]。同時に無人駅となる[4]。
- 1986年(昭和61年)
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、北海道旅客鉄道(JR北海道)の駅となる。
- 1991年(平成3年)7月1日:根室本線の釧路駅 - 根室駅間に「花咲線」の愛称が設定される。当駅の所在する地域名である「花咲」がその由来となる。
- 2016年(平成28年)
駅名の由来
編集当駅の所在する地名より。地名は、アイヌ語の「ポロノッ[注釈 2]」(大・岬[注釈 3])を「岬」、つまり「鼻崎」と意訳し、「花咲」の字をあてたものである[1][7]。
開設時、鉄道省内には土地を寄付した松浦牧場から「松浦駅」とする案もあったが、当時の牧場主が辞退したとされる[新聞 1]。
駅構造
編集根室駅管理の無人駅だった。単式ホーム1面1線を持つ棒線駅であった。ホームの長さは約50メートルで、砂利を敷き詰めていた[新聞 3]。1955年(昭和30年)頃はそれよりも長く伸びており、長い編成の貨物列車が停車していた。駅の裏手には貨物を取り扱う会社の営業所があった[新聞 3]。
駅舎は国鉄貨物列車の車掌車を再利用していた。かつては名産のハナサキガニのイラストが描かれていたが、末期は西和田駅と色違いのシンプルな塗装に塗りかえられていた。
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塗り直し前の駅舎(駅前通り側)
(2005年6月) -
塗り直し前の駅舎(ホーム側)(2007年2月)
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ホーム(2010年8月)
利用状況
編集廃止直前の数年間は、利用がほぼ皆無であったが[新聞 3]、かつてはサケ・マスの水揚げ時期である6、7月になると、1日100個近い荷物を発送するなどにぎわいを見せた[新聞 3]。
乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。
年度 | 乗車人員(人) | 出典 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
年間 | 1日平均 | |||
1954年(昭和29年) | 274.2 | [新聞 4] | ||
1978年(昭和53年) | 21 | [8] | ||
1979年(昭和54年) | 7,315 | (20.0) | [9] | |
1980年(昭和55年) | 4,621 | (12.7) | ||
1981年(昭和56年) | 3,604 | (9.9) | ||
1982年(昭和57年) | 3,171 | (8.7) | ||
1983年(昭和58年) | 3,806 | (10.4) | ||
1984年(昭和59年) | 2,474 | (6.8) | [10] | |
1992年(平成 | 4年)(1.0) | [11] | 1日平均乗降客数2人 |
駅周辺
編集駅南方には、ハナサキガニの水揚げで知られる根室港(花咲港区、通称・花咲港)がある。
- 北海道道142号根室浜中釧路線
- 北海道道310号花咲港線
- 花咲郵便局
- 花咲港湾合同庁舎
- 根室交通「老人ホーム入口」停留所
- 花咲灯台 - 当駅よりおよそ2.5km離れており、徒歩で30分以上かかっていた。
- 松浦牧場
- ラジオNIKKEI根室送信所
廃止後の状況
編集廃止後、2016年(平成28年)6月7日から9日にかけて重機でホームが解体された[新聞 3]。以降、解体整備完了後引き続き旧駅前整備が始まり、8月24日には駅舎が松浦牧場に譲渡された[新聞 1]。
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駅舎跡(2018年9月)
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ホーム跡(2018年9月)
隣の駅
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d 『JR花咲駅のご紹介』 JR北海道釧路支社
- ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、234頁。doi:10.11501/1873236 。2022年12月10日閲覧。
- ^ 内閣印刷局, ed (1921-07-28). “鉄道省告示 第95号”. 官報 (国立国会図書館デジタルコレクション) (2698) .
- ^ a b c 『鉄道百年の歩み:JR釧路支社』
- ^ a b 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』
- ^ 宮脇俊三、原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、122頁。ISBN 4-09-395401-1。
- ^ “アイヌ語地名リスト ノブト~ヒラキ P101-110”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2014年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月20日閲覧。
- ^ 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、874頁。doi:10.11501/12065814 。
- ^ 根室市 (1985-03-20). “第8編 運輸・通信” (pdf). 昭和59年度根室市統計書: 52. オリジナルの2022-09-11時点におけるアーカイブ。 .
- ^ 根室市 (1990-03-01). “第8編 運輸・通信・港湾” (pdf). 平成元年度根室市統計書: 45. オリジナルの2022-09-11時点におけるアーカイブ。 .
- ^ 宮脇俊三、原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、122頁。ISBN 4-09-395401-1。
JR北海道
編集- ^ a b 『平成28年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2015年12月18日。オリジナルの2015年12月18日時点におけるアーカイブ 。2015年12月18日閲覧。
新聞記事
編集- ^ a b c d 犬飼裕一 (2016年8月24日). “旧花咲駅舎、松浦牧場に譲渡 牧場主の祖父が用地寄付し駅開業”. 北海道新聞. どうしんウェブ/電子版(道東) (北海道新聞社). オリジナルの2016年8月24日時点におけるアーカイブ。 2016年8月24日閲覧。
- ^ “古いといえど駅舎1万円ちょい 釧網本線美留和駅と南弟子屈駅 落札した坪井さん「復元し保存を」”. 北海道新聞. (1986年10月14日)
- ^ a b c d e “「青春のシンボル」消えてしまった…*廃止の花咲駅、ホーム撤去 北海道・根室”. 北海道新聞. Yahoo!ニュース(北海道・東北) (Yahoo! JAPAN). (2016年6月10日). オリジナルの2016年6月11日時点におけるアーカイブ。 2016年6月11日閲覧。
- ^ 水野薫 (2016年10月19日). “花咲駅の歩み ひと目で 資料館の福田主査 「駅史」を作製”. 北海道新聞. どうしんウェブ/電子版(道東) (北海道新聞社). オリジナルの2016年10月19日時点におけるアーカイブ。 2016年10月19日閲覧。
参考文献
編集書籍
編集- 宮脇俊三 編『北海道630駅』1号、原田勝正(編)、小学館〈JR・私鉄全線各駅停車〉、1993年6月。ISBN 978-4-09-395401-3。ISBN 4-09-395401-1。
- 石野哲(編集長) 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』 II、JTBパブリッシング、1998年9月19日。ISBN 978-4-533-02980-6。ISBN 4-533-02980-9。
- 田中和夫(監修)『写真で見る北海道の鉄道』 上巻 国鉄・JR線、北海道新聞社(編集)、2002年7月15日、76-77,314頁。ISBN 978-4-89453-220-5。ISBN 4-89453-220-4。
雑誌
編集- 北海道旅客鉄道釧路支社(編)『鉄道百年の歩み:JR釧路支社』、北海道旅客鉄道釧路支社、2001年12月、NCID BA55848378。
関連項目
編集外部リンク
編集- “JR花咲駅のご紹介”. 北海道旅客鉄道釧路支社. 2016年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月5日閲覧。