すえる【据える】
- (他動詞) 場所を設けて、その場所から動かないように物を置く。また、建造物などを作り設ける。すえつける。
- (他動詞) ある場所を決めて人を座らせる。また、ある地位や任務を就かせる。
- 客を上座に据える。
- そして、事務局の理事に有能の士ベルナール・クラップ氏(現副館長)を据えて、全体を精密機械の如く組織化したのである。(中井正一 『組織としての図書館へ ――マックリーシュの業績――』)
- (他動詞) しっかりと落ち着かせる。
- (他動詞) 印鑑を押す。捺印する。
- (他動詞) 灸を置く。
- 灸を据える。
- 鶴さんはもと料理人で東京の一流料理店で相当庖丁の冴えを見せていたのだが、高級料理店の閉鎖以来、細君のオトラ婆さんの故郷のこの町へ来て、細君は灸を据えるのを商売にしているが、鶴さんには夫婦喧嘩以外にすることはない。(織田作之助 『電報』)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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否定 |
すえない |
未然形 + ない
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意志・勧誘 |
すえよう |
未然形 + よう
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丁寧 |
すえます |
連用形 + ます
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過去・完了・状態 |
すえた |
連用形 + た
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言い切り |
すえる |
終止形のみ
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名詞化 |
すえること |
連体形 + こと
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仮定条件 |
すえれば |
仮定形 + ば
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命令 |
すえろ すえよ |
命令形のみ
|
古典日本語「すう」(据う)
すえる 【饐える】
- (自動詞) 飲食物が腐って、すっぱくなる。
- 両側は、アパアトメントをずっと下等にした、いわゆる貸間長屋(デネメントハウス)というやつで、一様に同じ作りの、汚点(しみ)だらけの古い煉瓦建てが、四六時中細民街に特有な、あの、物の饐えたような、甘酸っぱい湿った臭いを発散させて暗く押し黙って並んでいる。(牧逸馬『女肉を料理する男』)
活用と結合例
各活用形の基礎的な結合例
意味 |
語形 |
結合
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否定 |
すえない |
未然形 + ない
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意志・勧誘 |
すえよう |
未然形 + よう
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丁寧 |
すえます |
連用形 + ます
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過去・完了・状態 |
すえた |
連用形 + た
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言い切り |
すえる |
終止形のみ
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名詞化 |
すえること |
連体形 + こと
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仮定条件 |
すえれば |
仮定形 + ば
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命令 |
すえろ すえよ |
命令形のみ
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- (東京式) すえる [sùéꜜrù] (中高型 – [2])
- IPA(?): [sɨᵝe̞ɾɯ̟ᵝ]