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この事件について、2015年10月28日、在日クルド人団体の日本クルド文化協会は、騒動について謝罪し、トルコ人たちと対立する意思はない事を表明した。なお、この事件の原因は、クルド人とトルコ人双方が政党や武装組織の旗を掲げたことが原因とされるが、日本クルド文化協会は旗について否定した<ref>{{Cite web|和書|url=http://mainichi.jp/articles/20151029/ddm/041/040/126000c |title=クルド人団体が釈明 |date=2015-10-29|work=[[毎日新聞]]|accessdate=2016-1-16}}</ref>。 |
この事件について、2015年10月28日、在日クルド人団体の日本クルド文化協会は、騒動について謝罪し、トルコ人たちと対立する意思はない事を表明した。なお、この事件の原因は、クルド人とトルコ人双方が政党や武装組織の旗を掲げたことが原因とされるが、日本クルド文化協会は旗について否定した<ref>{{Cite web|和書|url=http://mainichi.jp/articles/20151029/ddm/041/040/126000c |title=クルド人団体が釈明 |date=2015-10-29|work=[[毎日新聞]]|accessdate=2016-1-16}}</ref>。 |
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2023年のトルコでの総選挙にて、在日トルコ国籍者からの在外投票で最も支持された政党は人民 |
2023年のトルコでの総選挙にて、在日トルコ国籍者からの在外投票で最も支持された政党は民主人民党(Demokratik Halklar Partisi;選挙後の2023年9月に緑の左翼党から改称)であり、総数の30.99%を占める。在外投票において緑の左翼党(当時)が第一位となったのは唯一日本のみであり、得票率が20%を超えた国も英国、フィンランド、スウェーデン、スイスのみである<ref>{{Cite web |title=Milletvekili Yurt dışı Genel Seçim Sonuçları - 14 Mayıs 2023 |url=https://secim2023.hurriyet.com.tr/14-mayis-2023-secimleri/milletvekili-yurtdisi-genel-secim-sonuclari/ |website=secim2023.hurriyet.com.tr |access-date=2023-08-27}}</ref>。 |
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民主人民党は、2023年8月時点でトルコ・日本両政府よらテロ組織と見なされるPKKと実質的に一体化しているとしてトルコ最高裁検察より解散を要求されているHDPの分派(事実上の後継組織<ref>{{Cite web |url=https://haber.sol.org.tr/haber/hdp-olaganustu-kongreye-gidiyor-ysp-isim-degisikligi-yapacak-381608 |title=HDP olağanüstü kongreye gidiyor, YSP isim değişikliği yapacak |access-date=2023-08-27}}</ref>)である。 |
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PKKの賛美を行ったことなどから収監中であるHDPの元党首、{{仮リンク|セラハッティン・デミルタシュ|tr|Selahattin Demirtaş}}は、HDPの議会候補者が2023年の総選挙で当時の緑の左翼党のリストに加わることを表明した。2023年時点で600席中61席と、トルコ議会では第5党にあたる。 |
PKKの賛美を行ったことなどから収監中であるHDPの元党首、{{仮リンク|セラハッティン・デミルタシュ|tr|Selahattin Demirtaş}}は、HDPの議会候補者が2023年の総選挙で当時の緑の左翼党のリストに加わることを表明した。2023年時点で600席中61席と、トルコ議会では第5党にあたる。 |
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2024年1月、クルドの新年の祭り「ネウロズ」<ref name="saitama20240124" />を前年同様にさいたま市内の公園で開催しようと考えていた主催者側が、公園を管理する県公園緑地協会に対して打診をしたところ、公園側は「貸し出しを懸念する電話やメールが来ている。利用者や事務所員の安全を担保できない」と、使用を認めない旨を通知した。しかし公園側は根拠となる規定などを示さなかった。同公園では、その前年も含め過去に3回、「ネウロズ」が行われてきた<ref name="saitama20160321" />が、これまで苦情などは何も出てこなかった。しかし前記の前年7月に起こった医療センター周辺での騒動が報じられた後から「懸念する電話やメール」が寄せられるようになったという<ref name="saitama202401242">{{Cite web |url=https://www.saitama-np.co.jp/articles/64137/postDetail |title=クルド人の祭り利用、一時認めず |access-date=2024-02-28 |publisher=埼玉新聞 |date=2024-01-24}}</ref>。その後、主催側の文書での抗議、面談で両者が協議を行うなかで公園側の説明や対応は二転三転し<ref>{{Cite web |url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/304719 |title=クルド人のお祭りに「公園使用ダメ」→撤回、でも「演奏ダメ」 埼玉県公園緑地協会の「差別的取り扱い」 |access-date=2024-02-28 |publisher=東京新聞 |date=2024-01-24}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/306009 |title=「演奏は全面禁止」の根拠はあいまいだった…クルド人の春の祭り制限問題で埼玉県公園緑地協会 許可を検討 |access-date=2024-02-28 |publisher=東京新聞 |date=2024-01-29}}</ref>、公園側が開催を認める旨を表明し、「当初の対応はよく調べずに行った」と釈明・謝罪する事態となった<ref>{{Cite web |url=https://www.saitama-np.co.jp/articles/65083/postDetail |title=紛糾…公園でクルド人イベント開催、「公園を貸すな」と電話相次ぐ 主催者の支援団体、次回開催の相談をするも…県が公園使用を認めず「安全を担保できない」 抗議すると条件付きで認める「正式な申請前の打診で門前払い」 |access-date=2024-02-28 |publisher=埼玉新聞 |date=2024-01-30}}</ref>。この問題に関しては、ネウロズで使用される楽曲の歌詞が、[[テロ行為]]を賛美しているものであると言う指摘、また、テロ組織と報じられているPKK([[クルディスタン労働者党]])の旗が掲げられていた指摘があったと報じられた<ref>{{Cite web |url=https://www.sankei.com/article/20240123-6PGZKAKA7BO4RJYDSQ6MOKBY2M/ |title=クルドの祭りに「県の公園貸すな」 音楽が「テロ賛美」指摘も、トルコがPKK支援団体指定 |access-date=2024/03/04 |publisher=産経新聞 |archive-url=https://archive.is/HSeMC |archive-date=2024年1月25日}}</ref>。 |
2024年1月、クルドの新年の祭り「ネウロズ」<ref name="saitama20240124" />を前年同様にさいたま市内の公園で開催しようと考えていた主催者側が、公園を管理する県公園緑地協会に対して打診をしたところ、公園側は「貸し出しを懸念する電話やメールが来ている。利用者や事務所員の安全を担保できない」と、使用を認めない旨を通知した。しかし公園側は根拠となる規定などを示さなかった。同公園では、その前年も含め過去に3回、「ネウロズ」が行われてきた<ref name="saitama20160321" />が、これまで苦情などは何も出てこなかった。しかし前記の前年7月に起こった医療センター周辺での騒動が報じられた後から「懸念する電話やメール」が寄せられるようになったという<ref name="saitama202401242">{{Cite web |url=https://www.saitama-np.co.jp/articles/64137/postDetail |title=クルド人の祭り利用、一時認めず |access-date=2024-02-28 |publisher=埼玉新聞 |date=2024-01-24}}</ref>。その後、主催側の文書での抗議、面談で両者が協議を行うなかで公園側の説明や対応は二転三転し<ref>{{Cite web |url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/304719 |title=クルド人のお祭りに「公園使用ダメ」→撤回、でも「演奏ダメ」 埼玉県公園緑地協会の「差別的取り扱い」 |access-date=2024-02-28 |publisher=東京新聞 |date=2024-01-24}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/306009 |title=「演奏は全面禁止」の根拠はあいまいだった…クルド人の春の祭り制限問題で埼玉県公園緑地協会 許可を検討 |access-date=2024-02-28 |publisher=東京新聞 |date=2024-01-29}}</ref>、公園側が開催を認める旨を表明し、「当初の対応はよく調べずに行った」と釈明・謝罪する事態となった<ref>{{Cite web |url=https://www.saitama-np.co.jp/articles/65083/postDetail |title=紛糾…公園でクルド人イベント開催、「公園を貸すな」と電話相次ぐ 主催者の支援団体、次回開催の相談をするも…県が公園使用を認めず「安全を担保できない」 抗議すると条件付きで認める「正式な申請前の打診で門前払い」 |access-date=2024-02-28 |publisher=埼玉新聞 |date=2024-01-30}}</ref>。この問題に関しては、ネウロズで使用される楽曲の歌詞が、[[テロ行為]]を賛美しているものであると言う指摘、また、テロ組織と報じられているPKK([[クルディスタン労働者党]])の旗が掲げられていた指摘があったと報じられた<ref>{{Cite web |url=https://www.sankei.com/article/20240123-6PGZKAKA7BO4RJYDSQ6MOKBY2M/ |title=クルドの祭りに「県の公園貸すな」 音楽が「テロ賛美」指摘も、トルコがPKK支援団体指定 |access-date=2024/03/04 |publisher=産経新聞 |archive-url=https://archive.is/HSeMC |archive-date=2024年1月25日}}</ref>。 |
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2024年2月18日、「[[日本第一党]]」元幹部が主宰する団体により、在日クルド人による違法行為、迷惑行為に対する反対デモがJR蕨駅周辺で行われた。主催団体はそれまでにも東京、神奈川の街頭でデモ等を行っており<ref>{{Cite web |url=https://www.kanaloco.jp/news/social/entry-394969.html |title=元日本第一党幹部 7月ヘイト街宣計画 川崎市条例敵対視(時代の正体シリーズ) |access-date=2024-02-28 |publisher=神奈川新聞 |date=2020/6/30 |website=カナコロ}}</ref>、蕨でのデモのなかでも「クルド人は日本から出ていけ」などの発言が行われた<ref> {{Cite web |url= https://kurd-tomoni.com/stop-hate-speech_20240218/|title=ヘイトスピーチを許さない(声明文)|access-date=2024-02-29 |publisher=支援団体「在日クルド人と共に」|date=2024-02-20}}</ref>。一方で、 |
2024年2月18日、「[[日本第一党]]」元幹部が主宰する団体により、在日クルド人による違法行為、迷惑行為に対する反対デモがJR蕨駅周辺で行われた。主催団体はそれまでにも東京、神奈川の街頭でデモ等を行っており<ref>{{Cite web |url=https://www.kanaloco.jp/news/social/entry-394969.html |title=元日本第一党幹部 7月ヘイト街宣計画 川崎市条例敵対視(時代の正体シリーズ) |access-date=2024-02-28 |publisher=神奈川新聞 |date=2020/6/30 |website=カナコロ}}</ref>、蕨でのデモのなかでも「クルド人は日本から出ていけ」などの発言が行われた<ref> {{Cite web |url= https://kurd-tomoni.com/stop-hate-speech_20240218/|title=ヘイトスピーチを許さない(声明文)|access-date=2024-02-29 |publisher=支援団体「在日クルド人と共に」|date=2024-02-20}}</ref>。 一方SNS上では、抗議側の一人が「日本人死ね」と言っているように聞こえるとの指摘とともに動画が拡散された<ref name="abema20240225">{{Cite web |url=https://times.abema.tv/articles/-/10115531?page=1 |title=デモ隊に“日本人死ね”と発言? 川口在住20年のクルド人「僕たちは国を持たず、日本に住ませてもらってる。その言葉は口にしたくもない」 人口・働き手が減る日本は外国人と共生できる? |access-date=2024/03/04 |publisher=ABEMA TIMES}}</ref>{{Refnest|デモ当日の2月18日、デモの動画を引用して「(クルド人が)『日本人死ね』と言ってないないか。そんなことをいうなら帰れ」などと書いた投稿が[[X(旧Twitter)|Twitter]]上でなされ、この投稿は1万回以上もリポスト(再投稿)された。また翌19日には[[若林洋平]]参議院議員がこの投稿を引用する形で「日本人死ねなどというならどうぞお帰りく下さい」などと投稿した<ref>埼玉新聞2024年2月26日(紙面)</ref>。|group=注釈}}。この問題について日本クルド文化協会は、この発言者は「日本人死ね」とは言っておらず、「 病院へ行け、病院へ行け、レイシストは精神科へ行け」との発言だと説明した<ref>{{Cite web |url=https://twitter.com/nihonkurdish/status/1759494750640681402 |title=Xユーザーの一般社団法人日本クルド文化協会 Japan Kurdish Cultural Associationさん: 「日本の皆様へ。…」 |access-date=2024-03-04 |publisher=X |author=一般社団法人日本クルド人協会 |date=2024-02-19}}</ref>{{Refnest|この発言について川口市在住のトルコ系クルド人であるユージェル・マヒルジャンは「庇いたくはない」と前置きしたうえで、「 1人のクルド人が“国に帰れ。変な外人”と言われた時に、“病院に行きなさい、精神科に行きなさい”と参加者に言い返した」と当時の現場の様子を説明している<ref name="abema20240225"/>。|group=注釈}}。日本クルド文化協会の事務局長のワッカス・チョーラクは25日に会見を行い、 自身が該当動画の発言者であり、『病院に行け』と発言したものであるとして(「日本人死ね」との発言 「一切していない。(発信者の)空耳だ」と否定<ref>{{Cite web |title=「精神病院に行け」発言認め謝罪…日本クルド文化協会、デモでのヘイト発言を指摘 「死ね」は空耳と否定|埼玉新聞|埼玉の最新ニュース・スポーツ・地域の話題 |url=https://www.saitama-np.co.jp/articles/68728/postDetail |website=「精神病院に行け」発言認め謝罪…日本クルド文化協会、デモでのヘイト発言を指摘 「死ね」は空耳と否定 |access-date=2024-03-04 |language=ja |publisher=埼玉新聞 |date=2024-02-16}}</ref>)その発言について謝罪した。また協会は会見翌日に会見報告ととして「いかなる理由があるとも『病院に行け』との発言も事務局長の立場にあり、かつまた、大学で教鞭をとるものの発言としては不適切であり、日本の皆様に不快な思いをさせたことに対し深くお詫び申し上げます」と謝罪した。また、川口市立医療センターでの事件についても「SNS拡散の大きな引き金になりました病院前での騒動は、日本在住のクルド人の加害者側、被害者側が大勢集まり警察が出動する騒ぎとなり、病院の皆様、近隣の皆様、警察の皆様にご迷惑をおかけし、大変不愉快な思いをさせてしまいました」と改めて謝罪し、「誠に申し訳なく、言い訳のしようはございません。クルド民族の問題ではなく、全て埼玉在住のクルド人の不徳の致すところであり、日本の皆様、特に地域の皆様に、大変御迷惑をおかけしましたこと、協会メンバー、役員一同、深くお詫び申し上げます」と発信した<ref>{{Cite web |url=https://news.yahoo.co.jp/articles/03535b31439d1385c1cb2527465bca24977004fb |title=日本クルド文化協会「日本人死ね」発言は「病院に行け」だと改めて釈明と謝罪 発言者は事務局長 |access-date=2024/03/04 |publisher=日刊スポーツ |archive-url=https://archive.is/cuWPV |archive-date=2024年3月2日}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://twitter.com/nihonkurdish/status/1762105047717142649 |title=一般社団法人日本クルド文化協会 Japan Kurdish Cultural Association @nihonkurdish 2月18日のヘイトスピーチデモにおける失言のお詫びと釈明について |access-date=2024/03/04 |publisher=twitter |archive-url=https://archive.is/ZdzUG |archive-date=2024年2月27日}}</ref>。 |
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== 著名な在日クルド人 == |
== 著名な在日クルド人 == |
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:ワッカスの兄。入管施設長期収容者。ドキュメンタリー映画『東京クルド』に出演。 |
:ワッカスの兄。入管施設長期収容者。ドキュメンタリー映画『東京クルド』に出演。 |
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*ラマザン・ドゥルスン |
*ラマザン・ドゥルスン |
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:元仮放免者。2023年現在、弟とともに在留特別許可を得ている。ドキュメンタリー映画『東京クルド』に、叔父メメットとともに出演した。他に日本生まれの妹と母親が日本にいる。2023年、入管法改正を巡り、参議院法務委員会に参考人として出席した。 |
:元仮放免者。2023年現在、弟とともに在留特別許可を得ている。ドキュメンタリー映画『東京クルド』に、叔父メメットとともに出演した。他に日本生まれの妹と母親が日本にいる。2023年、入管法改正を巡り、参議院法務委員会に参考人として出席した。 |
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*オザン |
*オザン |
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:『東京クルド』出演者。クルド人武装勢力の支援者である父ユスフに従い、6歳のときに来日。以降不法滞在者として生活した<ref>{{Cite web|和書|title=「捕まってでも苦境伝える」 国なき民、在日クルドが映画に―難民認定なし、移動や就労制限|url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2022122900089&g=int |website=[[時事通信|時事ドットコム]] |access-date=2023-06-25 |language=ja |last=https://www.facebook.com/wwwjijicom}}</ref>。 |
:『東京クルド』出演者。クルド人武装勢力の支援者である父ユスフに従い、6歳のときに来日。以降不法滞在者として生活した<ref>{{Cite web|和書|title=「捕まってでも苦境伝える」 国なき民、在日クルドが映画に―難民認定なし、移動や就労制限|url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2022122900089&g=int |website=[[時事通信|時事ドットコム]] |access-date=2023-06-25 |language=ja |last=https://www.facebook.com/wwwjijicom}}</ref>。 |
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* 木下顕伸 |
* 木下顕伸 |
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: 日本クルド友好協会代表理事。 |
: 日本クルド友好協会代表理事。 |
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*[[木村三浩]] |
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: 日本クルド交流連絡会・顧問。民族派団体「[[一水会 (思想団体)|一水会]]」代表。 |
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* [[中谷元]] |
* [[中谷元]] |
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: [[日本クルド友好議員連盟]]会長。自民党所属衆議院議員。元自衛官。内閣総理大臣補佐官(国際人権問題担当)。[[日本・イスラエル友好議員連盟]]の会長も務める。 |
: [[日本クルド友好議員連盟]]会長。自民党所属衆議院議員。元自衛官。内閣総理大臣補佐官(国際人権問題担当)。[[日本・イスラエル友好議員連盟]]の会長も務める。 |
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: 日本クルド友好議員連盟・副会長の一人。埼玉2区(川口)選出の自民党衆議院議員。総務大臣などを歴任した。 |
: 日本クルド友好議員連盟・副会長の一人。埼玉2区(川口)選出の自民党衆議院議員。総務大臣などを歴任した。 |
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* 福島尚文 |
* 福島尚文 |
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: 「クルド難民デニスさんとあゆむ会」共同代表 |
: 「クルド難民デニスさんとあゆむ会」共同代表。元「[[共同通信社|共同通信]]」記者。<!--特筆すべき経歴ではないためコメントアウト(2024-03-04):国内外の支局での勤務を経て、2009~2015年に国際局で日本がニュースのハングル翻訳・発信に携わった-->。[[革命的共産主義者同盟全国委員会]](中核派)系列団体の集会「改憲・戦争阻止!大行進」の呼びかけ人もつとめた<ref>{{Cite web|和書|title=全力で中国侵略戦争阻む 大行進 翼賛国会開会に戦闘宣言 |url=http://www.zenshin.org/zh/f-kiji/2022/01/f32280102.html |website=週刊『前進』 |date=2022-01-24 |access-date=2023-11-06 |language=ja}}</ref>。 |
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* 周香織 |
* 周香織 |
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: クルド難民Mさんを支援する会・事務局。 |
: クルド難民Mさんを支援する会・事務局。 |
2024年3月4日 (月) 14:16時点における版
Kurdên Japonyayê | |
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総人口 | |
約2,000人[1] (推定) | |
居住地域 | |
埼玉県蕨市・川口市など | |
言語 | |
クルド語、トルコ語、日本語 他 | |
宗教 | |
イスラム教 |
在日クルド人(ざいにちクルドじん、クルド語: Kurdên Japonyayê)は、日本に滞在するクルド人である。クルド人は多数派を占める民族国家を持たず、トルコ、シリア、イラン、イラクなど中東や南コーカサスの各国にまたがる地域に住んでいる。そのため在日クルド人を国籍から識別することはできない。
トルコ共和国では差別や迫害の対象となり(トルコ・クルド紛争)[2][注釈 1]、1990年代後半から、トルコと日本の短期滞在の査証(ビザ)免除を利用して来日し、日本国政府に難民認定を申請している者も多い[4]。侵攻してきたトルコによる迫害(トルコ軍によるシリア侵攻 (2019年) )[2]を逃れて、シリアから日本に移住し、難民申請をしているものもいる[5]。
概要
日本クルド文化協会によると、難民などで構成される在日クルド人の数はおよそ2000人[6]。1990年代にはトルコ政府からの迫害を恐れて来日し、知人などを頼って埼玉県の蕨市や川口市で居住をはじめたトルコ系クルド人は多い。現在この地域には、トルコ国籍のクルド人の難民約1300人が集住している[7]。そのためこの地域をクルド人の居住地域クルディスタンにちなんでワラビスタン[4][8][9]と呼ぶものもいる。
埼玉県南部にクルド人が移り住んできた背景として、川口市が鋳物産業が盛えた工業の街であったことが挙げられる。川口市は中堅・中小企業が集積しているため、外国人労働者に寛容だったようである。在日クルド人の中には、日本政府に対して難民認定を申請している者も多いが、後述の理由もあり実際にこれらの申請が認められるのは極めて稀である[注釈 2]。川口市周辺では在留資格を取得させるブローカーが活動しており、強引な手法で日本人女性との婚姻を画策する状況も見られる[要出典]。日本国籍者との婚姻やクルド人経営の法人等を通じて滞在許可を得るケースもあるが、難民申請者や在留特別許可による滞在が大多数を占めている。
なかでも、在留資格をもたず、入国者収容所から仮放免の状態にある者は、就労が禁止され、国民健康保険にも入れず、移動も制限されるなど、困難な生活を強いられている[11]。また、収容所内での暴力・侮辱事件などにみられるように、彼らがおかれる劣悪な状況も問題になっている[12]。
現況
在日クルド人はトルコ国籍が大半を占めるが、イラン国籍のクルド人も少なくない。さらにISILの支配によるイラクやシリア情勢の緊迫化などに関連して、イラクまたはシリアの国籍を持つクルド人もみられるようになった。そのような背景から、近年、来日するクルド人は増加し、一説には在日クルド人の総数は埼玉県内だけでも1,300人以上と推定されているが、正確な統計は無い。
日本とトルコの間には相互ビザ免除制度が適用されているために、観光ビザで入国しビザの期限が過ぎても滞在し難民申請を行うケースが多い。2015年(平成27年)のトルコ国籍者の難民申請者数は926人と、全体では3番目に多くなっている[13]。川口市だけでもトルコ国籍者は平成28年には800人を超えており[14]、その大半がクルド人であると推定される[誰?]。諸外国の中でもとりわけトルコ政府との良好な関係を持つ日本政府は、トルコ国籍保持者をトルコ人[注釈 3]と認定しているため、欧米諸国などが行っている、クルド人としての民族認定は行っていない。したがって、日本にクルド民族がどの程度いるのかを把握することは難しい。
また、1990年代に来日した世代の2世も誕生しており、蕨市周辺には日本で生まれ育ったクルド移民2世の若者の姿をよく見られるようになった[要出典]。
生活・文化
この節の加筆が望まれています。 |
多くの在日クルド人はクルド語とトルコ語を混用して使用し、クルド人男性の大多数は日本語を習得している[要出典]。日本で生まれ育ったクルド人の子などは3言語を話す。在日クルド人はトルコ国内では制限されているクルド人の文化を自由に表現し、トルコでは政治的な側面から禁止されている"Runi"や"Rohat"という名前を子供に付ける人も多い。また、ネブロスと呼ばれるクルドの新年を祝う祭りなどを県内の公園で盛大に祝う[15]など、彼らはクルド文化を紹介するイベントを開催し、周辺住民と積極的に交流している。また、クルド人はもともと宗教的な民族ではなく世俗主義的であるため、イスラム主義とは距離を置いている人が多く、祈りをしない人も珍しくない。
山岳地帯に散在するクルド人は、元来地縁的性格の強い部族(アシーラ)をつくる。一族の長アーガーは、儀式・裁判の執行、成員からの罰金、アハティーという税金の徴収、外来者の接待を行い、その地位を長子が相続するが、在日クルド人においてアーガーは不在である[16]。
在日クルド人の出身地は主にトルコ南東部、特にガジアンテップやカフラマンマラシュ、アデゥヤマン、シャンルウルファなどの都市やその近郊の村である[17]。
クルド系トルコ人ジャーナリストのイルファン・アクタンによると、2022年時点で80%がマフキャーン族(Mahkânlı, Atma族の支族)と呼ばれる部族で構成されるという[18]。
就労
クルド人は建設業や飲食業で働く人が少なくない。不法就労するものも少なくないが、日本人との婚姻等で永住権を取得するなどして合法的な就労ビザを取得した人の中には起業する人もおり、日本国内にはクルド人が設立した会社がおよそ20社ほどあるとされる。
クルド人が日本で定住を始めてから長い年月が経ち、生まれも育ちも日本というクルド人も生まれている。しかし、就労許可が無いために大学を卒業しても就労できない者が出るという問題も起きている[19]。
社会統合の取り組み
在日クルド人が多く居住する埼玉県川口市では、市による日本社会への統合・同化の取り組みとして、児童生徒への日本語指導教員による指導プログラムの導入やスポーツ少年団への加入推進、成人に対してはロータリークラブなどの奉仕団体や商工会議所などの経済団体への加入の検討が進められている[20]。
また、日本クルド文化協会と埼玉県警による犯罪抑止のための合同パトロールなどの取り組みも実施されている[21]。
女性器切除の風習
クルド人のイラン研究者メヘルダード・イザーディーによれば、クルド人における女性器切除の習慣は非常に古く、イスラーム化以前から神への捧げ物として行われていたとされる[22]。
4-7歳など幼少の時期に年長の女性によって行われることが多い。文化的伝統と宗教上の理由に基づいているため、自らも切除を受けた女性が特にこの風習を支持していることが知られている[23]。
2011年に世界保健機関が行った調査では、イラク北部のクルド人女性の40%以上が女性器切除を受けていた[24]。日本在住のクルド人の多数を占めるトルコ出身のクルド人においては、女性器切除の習慣については比較的まれとも言われるが、体系的な調査は知られていない[25][26][出典無効]。
クルド人が最も多くを占める移民集団となっているノルウェーでは、1995年に女性器切除を禁止する法律が定められた[27]。
トルコ政府との対立
2015年6月のトルコ総選挙でクルド人政党の国民民主主義党(HDP)が躍進して以降、トルコ政府がクルディスタン労働者党(PKK)を武装集団叛徒としてクルド人地域への空爆を行って多数の死者が出るなどトルコ政府とクルド人との対立は激化した。そのような中、2015年10月25日には11月1日に再び行われる総選挙の海外在外事前投票を行っていた在日トルコ大使館前でトルコ政府を支持する在日トルコ人とそれに反対する在日クルド人が乱闘となるなど、日本社会においても対立が表面化した[28]。
この事件について、2015年10月28日、在日クルド人団体の日本クルド文化協会は、騒動について謝罪し、トルコ人たちと対立する意思はない事を表明した。なお、この事件の原因は、クルド人とトルコ人双方が政党や武装組織の旗を掲げたことが原因とされるが、日本クルド文化協会は旗について否定した[29]。
2023年のトルコでの総選挙にて、在日トルコ国籍者からの在外投票で最も支持された政党は民主人民党(Demokratik Halklar Partisi;選挙後の2023年9月に緑の左翼党から改称)であり、総数の30.99%を占める。在外投票において緑の左翼党(当時)が第一位となったのは唯一日本のみであり、得票率が20%を超えた国も英国、フィンランド、スウェーデン、スイスのみである[30]。
民主人民党は、2023年8月時点でトルコ・日本両政府よらテロ組織と見なされるPKKと実質的に一体化しているとしてトルコ最高裁検察より解散を要求されているHDPの分派(事実上の後継組織[31])である。
PKKの賛美を行ったことなどから収監中であるHDPの元党首、セラハッティン・デミルタシュは、HDPの議会候補者が2023年の総選挙で当時の緑の左翼党のリストに加わることを表明した。2023年時点で600席中61席と、トルコ議会では第5党にあたる。
日本政府の対応
トルコのクルド人に対しては、日本政府は一貫して“親日”のトルコ政府側に立つ。そのため、トルコのクルド人による難民認定の申請に対して、日本政府はほぼ難民と認めていない[注釈 4][要出典]。ただし、日本とトルコには、最大90日間の査証免除協定があるため、難民認定を目的とした渡日が心配されている。これに関して、警視庁公安部は、2006年11月から2007年4月にかけて、埼玉県に居住していたトルコ国籍クルド人8人を入管難民法違反容疑で逮捕した。2007年6月27日、公安部の調べでは、8人のうち数人はテロ組織に指定されているクルディスタン労働者党の支援者であると認めており、彼らがテロ活動の支援をしていた可能性があると見ているが、十分な証拠が見つからなかったため、全員の身柄を入管に引き渡した。彼らのうち数人は既に強制退去となっている。
2004年、クルド人の難民申請者の親子アフメット・カザンキランとラマザン・カザンキランが入国したが、不法入国としてトルコに強制送還された。彼らは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が難民認定した難民であるが、日本側は日本の東京高等裁判所が「迫害はなかった」とする判決を出したことと、イギリスが2人の難民申請を却下したことを根拠として、難民として認定しなかった。2006年1月、彼らの家族はニュージーランドに難民申請を行って認められ同国に移住したが、息子のラマザンは兵役のためトルコに残った。2007年3月13日、出国可能となったラマザンはニュージーランドに出国し、家族と再会することができた。これは、『バックドロップ・クルディスタン』というドキュメンタリー映画となっている。
2005年1月、同じく国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)から難民と認められたトルコ国籍のクルド人、カプラン(仮名)とその長男が、入管に収容され、翌日にトルコに強制送還された。弁護団や難民支援協会(JAR)の訴え、そして6万人の署名も聞き届けられなかった。カプラン一家は2004年7月、UNHCRによるより積極的な働きを求め、UNHCRの事務所がある東京・青山の国連大学前で座り込みを始め、それは72日間も続いたが、国の難民認定は降りなかった[32]。
2005年2月7日、東京入国管理局はトルコ国籍のクルド人を収容した。彼も国連難民高等弁務官事務所から難民と認定されていたが、東京入国管理局では難民と認定せず強制退去の処分を下した。これに対し、処分の取り消しを求める訴訟を起こし、上告中であったが、仮放免中には月に1回の出頭が義務づけられているため、東京入管に出頭し、そのまま収容された。
また、エルダル・ドーガン一家は1999年に来日し難民認定を求めたが、難民と認定されず強制退去の処分を下された。これに対し、処分の取り消しを求める訴訟を起こしたが、2006年に敗訴した。2007年5月、カナダ政府により難民申請が受け入れられ、2007年7月10日、エルダル・ドーガン一家はカナダに出国した。
2019年1月、東日本入国管理センター(牛久入管)収容中に職員から暴行を受け、精神疾患を発症したなどとして、デニズが国を提訴。デニズはクルド民族で、2007年に来日。日本人女性と結婚していたが、2016年に入管に収容させられた[12]。この時の暴行の様子を撮影した動画はネットに公開され、密室だった入管の劣悪な状況が知られるきっかけとなった[33]。この件は2021年のドキュメンタリー映画『牛久』でも取り上げられている[34]。
2019年3月、入管に長期収容されていた在日クルド人のメメットが極度の体調不良を訴え、家族は救急車を呼ぶことを求めたが、入管は2度に渡り拒否。メメットが病院に搬送されたのは30時間後のことだった[35]。この件は2021年のドキュメンタリー映画『東京クルド』にて扱われている。
2022年8月、トルコ国籍を持つクルド人男性が日本で初めて難民認定された。男性は帰国すれば迫害される恐れがあるとして日本にとどまり、入管当局に二回難民申請をするも却下された。その後、男性が裁判を起こしたところ、札幌高等裁判所は「難民に該当する」として、国の処分を取り消す判断を示した。これを受けて、札幌出入国在留管理局は男性を難民として認定した[36]。
事件、トラブル、在日クルド人に対する攻撃など
2015年月10月25日、東京都渋谷区のトルコ大使館周辺で在外投票のために訪れたトルコ人とトルコ国籍クルド人の間で断続的な乱闘騒ぎが発生し、警察官2人を含む12人が負傷した[37]。
2023年ごろより、埼玉県川口市付近で、廃材などを規定よりはるかに高く積み上げて走行する産廃業者のトラックが問題となっており、運転手や運営会社がクルド人業者であることから、地元住民からは「クルドカー」と呼ばれており、実際に危険運転や落下物などの被害が発生していると報じられた[38]。
2023年6月に川口市議会は、市内でクルド人の一部と地域住民との間に軋轢が生じているとして[注釈 5]、国や県などに「一部外国人による犯罪の取り締まり強化」を求める意見書を可決した[40]。
2023年7月4日、川口市内の路上でクルド人グループから追いかけ回されたクルド人男性が刃物で襲われ、頭部・顔部・首などに全治不詳の重傷を負う事件が発生した[43]。被害者は川口市立医療センターに救急搬送された[注釈 6]。犯人グループは現場から逃走したが、そのうち1名が救急搬送で、軽傷の1名が自力で同病院に収容された[44]。そして事件を聞きつけた双方の親族・知人らが病院へ駆けつけ、最終的にその数は約100人が押し寄せる騒ぎとなった[注釈 7]。病院からの通報により警察も出動し、2人が公務執行妨害により現行犯逮捕される事態となった[46]。騒ぎは4時間ほどで治まった。また病院側は騒動との関連を認めてはいないが、病院では約5時間半にわたり救急の受け入れが停止していた[46][注釈 8]。その後、犯人グループから7人が殺人未遂や凶器準備集合の容疑で逮捕されたが、9月25日までに全員が不起訴となった[47]。そしてこの病院周辺での騒動が報じられたことが、その後の保守系メディアによるキャンペーン、SNSなどでのヘイトスピーチや中傷、排外主義団体によるデモなど、在日クルド人を標的とした攻撃のきっかけになったと評されている[注釈 9]。
2023年9月、川口市は「不法行為を行う外国人への厳格な対処」、「仮放免者が最低限の生活維持ができるように、就労可能とする制度の構築」、「生活維持が困難な仮放免者に対する健康保険その他の行政サービスについて、国からの援助措置を含め、国の責任による適否の判断」を国に求める要望書を提出した[51]。
2023年9月26日、川口市内に住む30代のクルド人の解体工の男性が川口署に入り、ジャーナリストの石井孝明の名前を挙げて「石井孝明がクルド人の悪口を言っている」「警察は発言をやめさせろ。さもなければ石井を殺す。2週間後に死体を持って来る」と叫ぶ脅迫行為を行った。このクルド人男性はその場で脅迫容疑で逮捕され、殺害予告を受けた被害者である石井孝明も警察に被害届を出したが、被疑者は2日後に釈放された。この人物は仮放免の期間中だった。石井は、この件で警察官から引っ越しをすることも検討して欲しいと言われたとして「警察が日本国民である私の安全を守らず、外国人犯罪者を野放しにし、私に責任を押し付けるのはおかしい」と不満を述べていた[52][53]。
2023年10月8日、政治団体「日本第一党」によってJR川口駅周辺での「反移民デモ」[注釈 10]が企画された。日本第一党は同年8月のチラシにおいても「(川口市への)クルド人流入」問題視していた[55]。しかし当日、デモ参加者の40人を大きく上回ってデモ開催に抗議する市民が集まったこともあり、デモは中止となった[56]。このデモは日本第一党は同月22日、改めてJR川口駅周辺及びJR蕨駅周辺で「反移民デモ」や街宣活動を行なった[57]。
2024年1月、クルドの新年の祭り「ネウロズ」[58]を前年同様にさいたま市内の公園で開催しようと考えていた主催者側が、公園を管理する県公園緑地協会に対して打診をしたところ、公園側は「貸し出しを懸念する電話やメールが来ている。利用者や事務所員の安全を担保できない」と、使用を認めない旨を通知した。しかし公園側は根拠となる規定などを示さなかった。同公園では、その前年も含め過去に3回、「ネウロズ」が行われてきた[7]が、これまで苦情などは何も出てこなかった。しかし前記の前年7月に起こった医療センター周辺での騒動が報じられた後から「懸念する電話やメール」が寄せられるようになったという[59]。その後、主催側の文書での抗議、面談で両者が協議を行うなかで公園側の説明や対応は二転三転し[60][61]、公園側が開催を認める旨を表明し、「当初の対応はよく調べずに行った」と釈明・謝罪する事態となった[62]。この問題に関しては、ネウロズで使用される楽曲の歌詞が、テロ行為を賛美しているものであると言う指摘、また、テロ組織と報じられているPKK(クルディスタン労働者党)の旗が掲げられていた指摘があったと報じられた[63]。
2024年2月18日、「日本第一党」元幹部が主宰する団体により、在日クルド人による違法行為、迷惑行為に対する反対デモがJR蕨駅周辺で行われた。主催団体はそれまでにも東京、神奈川の街頭でデモ等を行っており[64]、蕨でのデモのなかでも「クルド人は日本から出ていけ」などの発言が行われた[65]。 一方SNS上では、抗議側の一人が「日本人死ね」と言っているように聞こえるとの指摘とともに動画が拡散された[66][注釈 11]。この問題について日本クルド文化協会は、この発言者は「日本人死ね」とは言っておらず、「 病院へ行け、病院へ行け、レイシストは精神科へ行け」との発言だと説明した[68][注釈 12]。日本クルド文化協会の事務局長のワッカス・チョーラクは25日に会見を行い、 自身が該当動画の発言者であり、『病院に行け』と発言したものであるとして(「日本人死ね」との発言 「一切していない。(発信者の)空耳だ」と否定[69])その発言について謝罪した。また協会は会見翌日に会見報告ととして「いかなる理由があるとも『病院に行け』との発言も事務局長の立場にあり、かつまた、大学で教鞭をとるものの発言としては不適切であり、日本の皆様に不快な思いをさせたことに対し深くお詫び申し上げます」と謝罪した。また、川口市立医療センターでの事件についても「SNS拡散の大きな引き金になりました病院前での騒動は、日本在住のクルド人の加害者側、被害者側が大勢集まり警察が出動する騒ぎとなり、病院の皆様、近隣の皆様、警察の皆様にご迷惑をおかけし、大変不愉快な思いをさせてしまいました」と改めて謝罪し、「誠に申し訳なく、言い訳のしようはございません。クルド民族の問題ではなく、全て埼玉在住のクルド人の不徳の致すところであり、日本の皆様、特に地域の皆様に、大変御迷惑をおかけしましたこと、協会メンバー、役員一同、深くお詫び申し上げます」と発信した[70][71]。
著名な在日クルド人
- ワッカス・チョーラク(Vakkas Çolak)
- クルド料理店「メソポタミア」のオーナー。日本クルド友好協会・理事長兼秘書。日本クルド文化協会事務局長。東京外国語大学クルド語講師。永住権を持つ外国人女性と結婚しており在留資格を持つ[72]。
- 2023年11月29日付のトルコ政府官報にて、法人である日本クルド文化協会とともに「テロ組織PKK/KCK関係者」としてトルコ国内の資産凍結を受けた[73]。
- メメット・チョーラク(Mehmet Çolak)
- ワッカスの兄。入管施設長期収容者。ドキュメンタリー映画『東京クルド』に出演。
- ラマザン・ドゥルスン
- 元仮放免者。2023年現在、弟とともに在留特別許可を得ている。ドキュメンタリー映画『東京クルド』に、叔父メメットとともに出演した。他に日本生まれの妹と母親が日本にいる。2023年、入管法改正を巡り、参議院法務委員会に参考人として出席した。
- オザン
- 『東京クルド』出演者。クルド人武装勢力の支援者である父ユスフに従い、6歳のときに来日。以降不法滞在者として生活した[74]。
- メメット・ユージェル(Mehmet Yücel)
- 埼玉県川口市の解体業者、株式会社Rojava代表取締役。日本クルド文化協会代表。2023年11月29日付でテロ組織関係者としてトルコ政府よりトルコ国内の資産凍結を受けた。
- デニズ・イェンギン(Deniz Yengin)
- 元長期収容者。
主な日本人支援者
- 松澤秀延
- 「クルドを知る会」(2003年〜日本において、クルドの文化や歴史を知り、伝えるために結成)元事務局長。元自衛官、造園業者。
- 温井立央
- 任意団体「在日クルド人と共に(HEVAL)」 (2022年〜クルドを知る会より、地域活動団体として独立)代表理事。
- 木下顕伸
- 日本クルド友好協会代表理事。
- 日本クルド友好議員連盟会長。自民党所属衆議院議員。元自衛官。内閣総理大臣補佐官(国際人権問題担当)。日本・イスラエル友好議員連盟の会長も務める。
- 日本クルド友好議員連盟・幹事長。自民党参議院議員。
- 日本クルド友好議員連盟・副会長の一人。埼玉2区(川口)選出の自民党衆議院議員。総務大臣などを歴任した。
- 福島尚文
- 「クルド難民デニスさんとあゆむ会」共同代表。元「共同通信」記者。。革命的共産主義者同盟全国委員会(中核派)系列団体の集会「改憲・戦争阻止!大行進」の呼びかけ人もつとめた[75]。
- 周香織
- クルド難民Mさんを支援する会・事務局。
- 中村一成(イルソン)
- 元「毎日新聞」記者、フリージャーナリスト。
- 大橋毅
- クルド難民弁護団・事務局長。弁護士。
- 立憲民主党所属の参議院議員。
- 社民党党首。
関連する書籍
- 『新月の夜が明けるとき ー 北クルディスタンの人びと』(中島由佳利 著、2003年、新泉社)
- 『難民を追いつめる国―クルド難民座り込みが訴えたもの』(クルド人難民二家族を支援する会、2005年、緑風出版)
- 日本で生きるクルド人 (鴇沢哲雄 著、2019年、ぶなのもり)
- ルポ 入管 ――絶望の外国人収容施設 (平野雄吾 著、2020年、筑摩書房)
- 『クルドの夢 ペルーの家 ー 日本に暮らす難民・移民と入管制度』(乾英理子 著、2021年、論創社・論創ノンフィクション 011)
- 『やさしい猫』(中島京子 著、2021年、中央公論新社):入管行政で迫害される外国人の問題を描いた小説。主人公が恋する少年は、両親が難民申請中のクルド人である。
- 『マイスモールランド 』(川和田恵真 著、2022年、講談社):在日クルド人問題を描いた同名映画の小説版。
- 『ぼくたちクルド人 日本で生まれても、住み続けられないのはなぜ?』(中村昌二 著、2022年、合同出版)
関連する映画
- 『バックドロップ・クルディスタン』(2007年):在日クルド人家族を扱ったドキュメンタリー映画。
- 『牛久』(2021年):東日本入国管理センター(牛久)の劣悪な実態を追ったドキュメンタリー映画。
- 『東京クルド』(2021年):難民申請を求める2人の在日クルド人を追ったドキュメンタリー映画。
- 『地図になき、故郷からの声 Voices from the homeland』(2021年):クルドの語り部Dengbêjのドキュメンタリー映画。トルコ南東部のクルド人居住地域と日本の埼玉県川口市ほかで撮影された。2021東京ドキュメンタリー映画祭短編部門グランプリ&大阪観客賞受賞作品。
- 『マイスモールランド』(2022年):川口市を舞台に、クルドと日本のアイデンティティーをもつ女子高生を主人公とした劇映画。
脚注
注釈
- ^ 2021年の調査機関コンダリサーチコンサルティング(株)の世論調査において、「トルコで最も権利を侵害されている人 / 集団は誰か」との問いに対する上位3位の回答は女性(45%)、貧困層(30%)、クルド人(20%)となっている[3]。
- ^ トルコ国籍クルド人に対する日本での難民認定2022年8月まで行われなかった。またこの1件も、国は難民認定を認めなかったが、裁判によって「不認定の取り消し」を勝ち取ったものだった[10]
- ^ トルコ系クルド人を含む在日トルコ人の人数は、入管庁によれば、2015年末時点で4157人(短期滞在および「非正規滞在者」は含まない:入管庁『在留外国人統計』)。
- ^ 難民認定は国内に政治的迫害が存在することを認める事であり、現在の良好な関係を損ねる原因になるため。
- ^ この意見書は冒頭で 「現在、川口市には40,000人を超える外国籍の住民がおり、加えて、住民票をもたない外 国人の中には仮放免中の方も相当数いるものと推定されている。多くの外国人は善良に暮らしている」と前置きしたうえで、「一部の外国人は生活圏内である資材置き場周辺や住宅密集地域などで暴走行為、あおり運転を繰り返し、人身、物損事故を多く発生させ」ていると述べられており、「クルド人」というような特定の国籍・民族名は明記されてはいない[39][40][41]。 しかし産経新聞の取材に対し、市議からは「彼ら(在日クルド人)を念頭に置いた議論だった」と説明がされている[40]。 意見書を取りまとめた若谷正巳市議(自民党市議団幹事長)は埼玉新聞の取材に「意見書は外国人排除を目的としたものではない」としている。 意見書が採択された僅か2ヶ月前の4月の市議選のなかで、有権者から市議候補者への相談として「川口の治安が良くない」などの声が各市議候補に寄せられたことも意見書採択の背景にあった[39]。ただし川口市の2024年の認知犯罪件数は3815件(うち1205件は自転車盗)であり、ピークだった2008年の1万6,314件と比べて4分の1にまで減少している[42]。
- ^ 事件の原因は女性をめぐるトラブルとされる。
- ^ トラブルの中心人物の知人で、川口市に住む第一世代の在日クルド人男性の証言によれば、喧嘩が行き過ぎないよう集まった人々が多かったという [45]。
- ^ この救急受け入れ停止により命に関わるようなも問題は起きなかった[46]。
- ^ 共同通信は、この事件・騒動が2023年夏からSNS上あふれた在日クルド人へのヘイトスピーチや中傷のきっかけだと報じた[48]。英誌「エコノミスト」は、この騒動をきっかけにして「保守系メディア」による在日クルド人を標的としてキャンペーンが行われ、排外主義団体のデモなど(後述)につながったとした[49]。藤崎剛人はニューズウィーク日本版への寄稿のなかで、「ある右派ジャーナリスト」らが「 この事件を誇張して広め、「クルド人は怖い」というイメージを形成した」と分析している[50]
- ^ 日本第一党自体がこのデモを「移民反対デモ」、「反移民デモ」と呼んでいた[54]。
- ^ デモ当日の2月18日、デモの動画を引用して「(クルド人が)『日本人死ね』と言ってないないか。そんなことをいうなら帰れ」などと書いた投稿がTwitter上でなされ、この投稿は1万回以上もリポスト(再投稿)された。また翌19日には若林洋平参議院議員がこの投稿を引用する形で「日本人死ねなどというならどうぞお帰りく下さい」などと投稿した[67]。
- ^ この発言について川口市在住のトルコ系クルド人であるユージェル・マヒルジャンは「庇いたくはない」と前置きしたうえで、「 1人のクルド人が“国に帰れ。変な外人”と言われた時に、“病院に行きなさい、精神科に行きなさい”と参加者に言い返した」と当時の現場の様子を説明している[66]。
出典
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- 1面:埼玉・川口/クルド人 殺到おびえる市民/病院に100人 救急5時間半ストップ
- 3面:クルド人念頭 差別や対立の意図ないが…市議会 苦渋の意見書 「賛成」れいわからも
- 3面:ワラビスタン 蕨駅周辺にコミュニティー
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参考文献
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関連項目
外部リンク
- 一般社団法人日本クルド友好協会
- 一般社団法人日本クルド文化協会
- クルド問題サイト(暫定) - ウェイバックマシン(2004年9月7日アーカイブ分)
- 任意団体 在日クルド人と共に
- ドキュメンタリー映画『東京クルド』公式サイト