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おうし座ベータ流星群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
おうし座β昼間流星群
Daytime beta Taurids (BTA)
発見 1947年[1]
母天体 エンケ彗星
2014 TG10[2]
放射点
星座 おうし座
(おうし座ゼータ星付近)
特徴
期間 6月5日7月18日[1]
極大 6月28日 - 6月29日[3][1]
天頂出現数 25 (レーダー)[1]
特筆すべき特徴 昼間流星群
流星群の一覧も参照

おうし座ベータ流星群(おうしざベータりゅうせいぐん)は、毎年出現する流星群で、日の出後に極大となる昼間流星群である。レーダーや電波反響の技術を用いて、最もよく観測することができる。

おうし座ベータ流星群は通常6月5日から7月18日にかけて活動する[1]。平均の放射点赤経5h18m、赤緯+21.2°にあり、6月28日から6月29日(太陽経度98.3°)にかけて極大となる[注釈 1]天頂出現数はレーダーを用いれば約25に達する[1]。電波観測装置を使わない観測者は、6月28日のおうし座ベータ流星群の放射点が太陽から西に10°から15°しか離れていないために、観測は困難である[4][注釈 2]

おうし座ベータ流星群は10月下旬のおうし座流星群と同一の流星物質流によるものである。地球はこの流星物質流の中を年に2回、6月下旬と10月下旬に通るため、年に2回の異なる流星群が現れる。しかし、10月のおうし座流星群は夜間に見られるため、昼間に極大を迎えるおうし座ベータ流星群よりはるかに見やすく、よく知られている。

おうし座ベータ流星群の母天体として挙げられているのは、オルヤトヘラクレス英語版ジェーソン英語版1994 AH2英語版1991 BAである[5]

流星物質流

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2019年は、1975年以来で最も近い地球への接近があると推測されていた。流星物質流は地球に0.06 AU (9,000,000 km; 5,600,000 mi)まで近づき、6月23日から7月17日まで黄道の南を通過すると予測されていた[6]

2019年に、天文学者は直径100 m未満の小惑星を、7月5日から7月11日までの間と、7月21日から8月10日までの間の流星物質流から発見しようとした[7]。しかし、2019年12月現在、そのような小惑星が発見されたとの報告は一切ない。ただし、6月30日ツングースカ大爆発をもたらした隕石が、おうし座ベータ流星群と同じ方向からやってきたということで、状況証拠はある[7]。次回の流星物質流との接近は2036年に起こると予測されている[8]

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  1. ^ 太陽経度夏至である6月21日ごろに90°となり、1年は365日あるので、おうし座ベータ流星群の放射点である赤経79.4°の地点は、1hが15°であるので、5h 18mに換算される。
  2. ^ The 国際流星機構によれば、放射点は86° +19°で、6月28日には太陽から10°離れている。ゲイリー・W・クロンク英語版によれば、放射点は79.4° +21.2°で、放6月28日には太陽から15°離れている。

脚注

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  1. ^ a b c d e f Gary W. Kronk. “Observing the Beta Taurids”. Meteor Showers Online. 2007年10月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年11月26日閲覧。
  2. ^ Peter Jenniskens; Petrus Matheus Marie Jenniskens (2006). Meteor Showers and Their Parent Comets. Cambridge University Press. p. 470. ISBN 978-0-521-85349-1. https://books.google.com/books?id=QpajMuyXG8AC&pg=PA470 
  3. ^ IMO Meteor Shower Calendar 2015 (Working list of daytime radio meteor showers)”. 国際流星機構. 2019年6月16日閲覧。
  4. ^ IMO-NEWS: 1999 Beta Taurids Alert - Possible Swarm Appearance”. Meteor Observing Mailing List (meteorobs) (1999年6月18日). 2008年6月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年11月26日閲覧。
  5. ^ Babadzhanov, P. B. (2001). “Search for meteor showers associated with Near-Earth Asteroids”. アストロノミー・アンド・アストロフィジックス 373 (1): 329–335. Bibcode2001A&A...373..329B. doi:10.1051/0004-6361:20010583. 
  6. ^ Clark, David L.; Weigert, Paul; Brown, Peter G. (2019). “The 2019 Taurid resonant swarm: prospects for ground detection of small NEOs”. 王立天文学会月報 487 (1): L35–L39. arXiv:1905.01260. doi:10.1093/mnrasl/slz076. 
  7. ^ a b Phil Plait. “Could larger space rocks be hiding in the Beta Taurid Meteor stream? We may find out this summer”. Bad Astronomy. 2019年5月14日閲覧。
  8. ^ デイヴィッド・アッシャー. “Taurid swarm years”. オックスフォード大学. 2019年6月16日閲覧。