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ウォルフ1069b

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウォルフ1069b
Wolf 1069 b
星座 はくちょう座
分類 太陽系外惑星
発見
発見日 2023年1月6日[1]
発見者 Kossakowskiら[1]
発見場所 CARMENES[1]
発見方法 ドップラー分光法[2][3]
位置
元期:J2000.0[4]
赤経 (RA, α)  20h 26m 05.3021309544s[4]
赤緯 (Dec, δ) +58° 34′ 22.680416973″[4]
固有運動 (μ) 赤経: 261.038 ミリ秒/[4]
赤緯: 542.906 ミリ秒/年[4]
年周視差 (π) 104.4415 ± 0.0261ミリ秒[4]
(誤差0%)
距離 31.229 ± 0.008 光年[注 1]
(9.575 ± 0.002 パーセク[注 1]
軌道要素と性質
軌道長半径 (a) 0.0672±0.0014 au[1]
公転周期 (P) 15.564±0.015 [1]
ウォルフ1069の惑星
物理的性質
半径 1.08 R[1]
質量 1.26±0.21 M[1]
平衡温度 (Teq) 250.1+6.6
−6.5
 K

−23+6.6
−6.5
 °C
[1]
他のカタログでの名称
LHS 3549 b, NLTT 49289 b, GJ 1253 b[5]
Template (ノート 解説) ■Project

ウォルフ1069bとは、赤色矮星であるウォルフ1069の周囲を公転している地球サイズの惑星である。ウォルフ1069のハビタブルゾーン内に位置するウォルフ1069bは、潜在的に居住可能な惑星であると考えられており、またハビタブルゾーン内を公転している地球質量の惑星の中で太陽系から6番目に近いと考えられている[6]ドップラー分光法で測定したウォルフ1069bの最小質量は1.26 M🜨で、その半径は1.08 R🜨と推定されている[1]。平衡温度は-23℃である[2][3]

物理的性質

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大きさの比較
地球 ウォルフ1069b
地球 Exoplanet

ウォルフ1069bは地球から約9.6パーセク (31 ly) 離れた場所に位置しており、既知の太陽系外惑星の中で最も近いものの1つである[1]。測定されたウォルフ1069bの最小質量は1.26 ± 0.21 M🜨であり、地球の質量と非常に似ている[1]。質量と半径の関係から、その半径は1.08 R🜨と推定される。

平均距離0.0672天文単位 (10,050,000 km) で主星の周囲のハビタブルゾーン内を公転しており、公転周期は約16日である[1]

ウォルフ1069bは、スペインカラル・アルト天文台に設置されているCARMENESのドップラー分光法を用いた観測によって得られたデータを使用して発見された[6][7]。この発見は、2023年1月に学術誌のアストロノミー・アンド・アストロフィジックスで発表された[6][8]

居住可能性

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ウォルフ1069bは、地球と同様の質量を持っていることに加えて、主星の保守的なハビタブルゾーン(0.056~0.111天文単位の間に位置)内を公転しているため、潜在的に居住可能な惑星と考えられている[1]。ウォルフ1069bはおそらくその表面に液体が存在することに加えて[6]、地球と同様の組成(32.5%、ケイ酸塩67.5%)を持っている可能性が非常に高い[1]。地球から31光年離れたところに位置し、ハビタブルゾーン内を公転する地球質量の惑星の中で6番目に近い。ウォルフ1069bより地球に近いのはGJ 1002 bとcGJ 1061 bティーガーデン星bプロキシマ・ケンタウリbのみである[6]。平衡温度は250 K (−23 °C) と計算され、地球が太陽から受け取る入射放射束の65%程度を主星から受けている[1][3]

潜在的に居住可能であると考えられているものの、ウォルフ1069bは恒星からの距離が短いため自転と公転の同期が発生しており、惑星の片側は常に昼側で、もう片側は常に夜側となっている[6][7]。そのため、地球のように昼と夜が交互に来ることはなく、惑星の片側は永遠に昼で、もう片側は永遠に夜である[6][7]

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o Kossakowski, D.; Kürster, M.; Trifonov, T.; Henning, Th; Kemmer, J.; Caballero, J. A.; Burn, R.; Sabotta, S. et al. (2023-02-01). “The CARMENES search for exoplanets around M dwarfs - Wolf 1069 b: Earth-mass planet in the habitable zone of a nearby, very low-mass star” (英語). Astronomy & Astrophysics 670: A84. arXiv:2301.02477. doi:10.1051/0004-6361/202245322. ISSN 0004-6361. https://www.aanda.org/articles/aa/abs/2023/02/aa45322-22/aa45322-22.html. 
  2. ^ a b Martin, Pierre-Yves (2023年). “Planet Wolf 1069 b” (英語). exoplanet.eu. 2024年1月19日閲覧。
  3. ^ a b c Wolf 1069 | NASA Exoplanet Archive”. exoplanetarchive.ipac.caltech.edu. 2024年1月19日閲覧。
  4. ^ a b c d e f Results for Wolf 1069”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2024年2月28日閲覧。
  5. ^ ⬤ Exoplanet Gliese 1253 b” (英語). Stellar Catalog. 2024年1月19日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g Anderson, Natali (2023年2月8日). “Astronomers Discover Earth-Mass Exoplanet in Habitable Zone of Wolf 1069” (英語). Sci.News: Breaking Science News. 2024年1月19日閲覧。
  7. ^ a b c Tognetti, Laurence (February 3, 2023). “Astronomers discover potential habitable exoplanet only 31 light-years from Earth” (英語). Space.com. 2024年1月19日閲覧。
  8. ^ Carter, Jamie. “Found: An Earth-Mass Planet That's Potentially Habitable And Just 31 Light-Years Away” (英語). Forbes. 2024年1月19日閲覧。

関連項目

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