ジャシンダ・アーダーン
ジャシンダ・アーダーン Jacinda Ardern | |
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生年月日 | 1980年7月26日(44歳) |
出生地 | ニュージーランド ハミルトン |
出身校 | ワイカト大学 |
所属政党 | ニュージーランド労働党 |
称号 | ニュージーランド・メリット勲章[1] |
配偶者 | クラーク・ゲイフォード(同棲) |
子女 | 1人 |
内閣 | アーダーン内閣 |
選挙区 | ニュージーランド |
当選回数 | 2回 |
在任期間 | 2017年10月26日 - 2023年1月25日 |
ニュージーランド国王 |
エリザベス2世 チャールズ3世 |
総督 |
パツィー・レディ シンディ・キロ |
在任期間 | 2017年8月1日 - 2023年1月22日 |
副党首 | ケルビン・デイビス |
ジャシンダ・ケイト・ローレル・アーダーンGNZM(英: Jacinda Kate Laurell Ardern [dʒəˈsɪndə ɑːrˈdɜːrn][2]、1980年7月26日 - )は、ニュージーランドの政治家。ニュージーランド首相(第40代)、ニュージーランド労働党の第17代党首を務めた[3]。
来歴
[編集]1980年7月26日にニュージーランド北島のハミルトンに誕生する。父の勤務地モリンズビル、ベイ・オブ・プレンティ地方のムラパラに育つ。叔母の勧めで10代でニュージーランド労働党へ入党する。
モリンズビル・カレッジ卒業後、ワイカト大学へ進学しコミュニケーション学、政治学、パブリック・リレーションズを学ぶ。学位は、学士(コミュニケーション学)。
2001年にワイカト大学を卒業し、インターン生としてヘレン・クラーク(第37代ニュージーランド首相)、フィル・ゴフ(第13代ニュージーランド労働党党首、第2代オークランド市長)の事務所へ勤務する。アメリカ合衆国ニューヨークでボランティア活動に従事した後、英国ロンドンへ渡り、インターン生としてトニー・ブレア(元英国首相)の事務所に勤務する。
2008年に国際社会主義青年同盟(IUSY)委員長に就任。
2008年の総選挙に立候補し、ワイカト選挙区で敗北するも比例復活で初当選。2011年、2014年の総選挙でも比例名簿入りして3期連続当選を果たす。2017年2月、デビッド・シアラーの政界引退に伴い行われたマウント・アルバート選挙区の補欠選挙に立候補して当選を果たす(4期目)。同年3月、労働党副党首を務めるアネット・キングが次期総選挙へ立候補せず政界引退を表明。これに伴い、アーダーンは労働党副党首に就任。同年8月、支持率低迷を理由にアンドリュー・リトル労働党党首が辞任し、第16代労働党党首に就任した[4]。
アーダーン党首就任以降、労働党の支持率は急回復し、同年9月23日の総選挙で労働党は14議席を増やし46議席を獲得。しかし政権与党の国民党(56議席)には及ばず第2党に留まった。連立政権樹立へ向けた話し合いが行われ、同年10月19日、ニュージーランド・ファースト党のウインストン・ピータースは労働党との連立政権樹立に合意したことを発表。閣僚経験がなく、(イギリス領ニュージーランド時代を含めて)同国政治史150年の中で最年少の37歳3か月で首相に就任した[5]。また、ジェニー・シップリー、ヘレン・クラークに続いて3人目の女性首相となった。
2019年9月19日、ラグビーワールドカップ2019開催時期に合わせて訪日。安倍晋三首相らと会談を行った[6]。
アーダーンは、クライストチャーチモスク銃乱射事件後の2019年に北京を訪問した際に、中国の習近平総書記(国家主席)と新疆ウイグル自治区におけるウイグル人抑圧について「私的」に話し合ったが、『ニューヨーク・タイムズ』は、ニュージーランドがミルク、肉、ワインなど多くの製品を中国に輸出していることから、アーダーンが経済的理由で新疆ウイグル自治区におけるウイグル人抑圧をたらい回しにしていると非難している[7]。
2020年3月、2019新型コロナウイルスの感染拡大局面において、外国人の入国禁止のほか国民の行動を制限する厳しい措置を採ったが、国民からの反発は限定的なものであり、同年10月17日に行われた総選挙では、労働党を率いて過半数の議席を獲得して勝利を収め、首相続投を確実なものとした[8][9]。
2022年4月20日、シンガポールを経て日本を訪問。4月21日には岸田文雄首相とウクライナ情勢や環太平洋連携協定(TPP)などについて会談を行った[10]。
2023年1月19日、首相を2月7日までに退任し、4月まで議員を続けた上で10月14日に解散総選挙を実施すると発表。再選については、目指すエネルギーは残っていないとして否定した[11]。1月22日に後任の労働党首に選出されたクリス・ヒプキンスが25日に首相に就任し、アーダーン政権は5年間の歴史に幕を下ろした[12]。4月5日には議会で議員として最後の演説を行ない、「繊細で心配性」である自分が議員や首相を務めたことで「これまでと違うあり方を示せたと思う」と振り返り、「私みたいに」「母親でも、泣き虫でも」国を率いることができると語った[13]。
2023年秋よりハーバード大学ケネディ・スクールの特別研究員を務める予定[14]。終了後にはニュージーランドへ帰国する意向を示している[15]。
人物
[編集]末日聖徒イエス・キリスト教会の家庭で生まれ育ったが、同性愛者などLGBT当事者の友人らを支持する立場から、同性結婚の合法化に反対するといった結婚に対する保守的な立場を受け入れられず、20代前半に末日聖徒イエス・キリスト教会の信仰から離脱[16]。
家族
[編集]父のロス・アーダーンは元警察官で、2005年にニウエ警察長官に就任。2014年から在ニウエ・ニュージーランド高等弁務官(大使級)に就任。母はローレル・アーダーン。
ディスクジョッキー(DJ)兼テレビ司会者のクラーク・ゲイフォードと事実婚関係にあり、2019年4月に婚約[17]。2021年5月5日に夏を目処に正式に結婚することを自身が出演したラジオ番組で明かしている[18]。2022年に結婚式を予定していたが、首相だったアーダーンが発動した新型コロナウイルス対策に従い、式をキャンセルした。2024年1月13日に挙式した[19]。
2018年1月に妊娠を発表。同年6月21日に第一子(女児[20] )を出産。産後6週間は産休を取得し、その間は副首相のウインストン・ピータースが首相代行を務めた。同年8月2日に公務に復職し、世界で初めて首相在任中に産休を取得した政治家となった[21]。
パドルズという名の猫を飼っていたが、2017年11月7日に死去した。
ギャラリー
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左からアーダーン、グラント・ロバートソン、パツィー・レディ(2020年11月6日)
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ヘレン・ヴィンケルマン最高裁長官とシンディ・キロ総督と(2022年1月22日)
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岸田文雄首相と(2022年4月21日、日本の首相官邸)
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カマラ・ハリスと(2022年5月31日)
脚注
[編集]- ^ Perry, Nick (2023年6月4日). “Jacinda Ardern given a top New Zealand honor for her service during shooting, pandemic”. AP. オリジナルの2023年6月5日時点におけるアーカイブ。 2023年6月5日閲覧。
- ^ New Zealand PM Jacinda Ardern announces surprising resignation TODAY(NBCUniversal)
- ^ 「NZ新首相、外資規制視野にTPP修正求める意向 移民削減へ」ロイター(2017年10月26日)2023年4月30日閲覧
- ^ “37歳、一躍時の人に=NZ首相見通しのアーダーン氏”. 時事通信. (2017年10月19日) 2017年10月20日閲覧。
- ^ “Jacinda Ardern to be New Zealand's next PM after Labour coalition deal”. The Guardian (ガーディアン). (2017年10月19日) 2017年10月20日閲覧。
- ^ “なぜ?安倍首相、ラグビージャージの背番号9に苦笑”. 毎日新聞 (2019年9月19日). 2019年9月19日閲覧。
- ^ Jane Perlez (2019年9月25日). “China Wants the World to Stay Silent on Muslim Camps. It's Succeeding.”. ニューヨーク・タイムズ. オリジナルの2019年9月25日時点におけるアーカイブ。
- ^ “NZ総選挙、与党・労働党が単独過半数 首相続投確実に”. 日本経済新聞 (2020年10月17日). 2020年10月17日閲覧。
- ^ “NZ総選挙、アーダーン首相の労働党圧勝 野党党首が敗北宣言”. AFP通信. 2020年10月17日閲覧。
- ^ “日NZ、対ロシアで緊密連携 両国首相が官邸で会談”. 東京新聞 (2022年4月21日). 2022年4月21日閲覧。
- ^ “NZのアーダン首相、2月7日までに退任と表明”. bloomberg.co.jp. ブルームバーグ. (2023年1月19日) 2023年1月19日閲覧。
- ^ “ニュージーランドのヒプキンス新首相が就任、アーダーン氏後任”. ロイター. (2023年1月25日) 2023年1月25日閲覧。
- ^ 「繊細でも母親でも首相になれる NZ・アーダン前首相が演説」『毎日新聞』朝刊2023年4月7日6面(2023年4月30日閲覧)
- ^ “NZ前首相、米ハーバード大の特別研究員に”. CNN. (2023年4月26日) 2023年4月27日閲覧。
- ^ “アーダーンNZ前首相、渡米へ ハーバード大で研究活動”. 日本経済新聞. (2023年4月27日) 2023年5月1日閲覧。
- ^ “ニュージーランド、議会の祈りからイエスの名と女王への言及を削除” (2017年11月15日). 2017年12月2日閲覧。
- ^ “NZのアーダーン首相、パートナーのゲイフォードさんとついに婚約 結婚へ”. AFPBB News. フランス通信社. (2019年5月3日) 2021年5月14日閲覧。
- ^ “アーダーン首相がパートナーのゲイフォード氏と結婚へ。「花婿介添人は?」と聞かれ...”. AFPBB News. ハフポスト日本語版. (2021年5月5日) 2021年5月14日閲覧。
- ^ “アーダーン元首相が結婚式 自身発動のコロナ対策で延期―NZ”. 時事通信. (2024年1月13日) 2024年1月14日閲覧。
- ^ “「ベッドに戻りなさい」、首相のライブ演説中に可愛い乱入者 NZ”. CNN (2021年11月11日). 2022年4月30日閲覧。
- ^ “国としての成熟の表れ? ニュージーランドのアーダーン首相が出産、現役首脳として初の産休へ” (2018年6月22日). 2018年7月29日閲覧。
外部リンク
[編集]- Jacinda Ardern (@jacindaardern) - X(旧Twitter)
- Jacinda Ardern (jacindaardern) - Facebook
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