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ジョゼフ・コットン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジョゼフ・コットン
Joseph Cotten
ジョゼフ・コットン Joseph Cotten
1942年
本名 Joseph Cheshire Cotten
生年月日 (1905-05-15) 1905年5月15日
没年月日 (1994-02-06) 1994年2月6日(88歳没)
出生地 ヴァージニア州ピーターズバーグ
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
配偶者 Lenore Kipp (1931-1960)
Patricia Medina (1960-1994)
主な作品
受賞
ヴェネツィア国際映画祭
男優賞
1948年『ジェニイの肖像
その他の賞
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ジョゼフ・チェシャー・コットン(Joseph Cheshire Cotten, 1905年5月15日[1] - 1994年2月6日)はアメリカ合衆国俳優である。ジョセフ・コットンとも表記[1][2]。ヨーロッパ映画ではスペル違いのジョゼフ・コットン(Joseph Cotton)やマカロニ・ウエスタン『黄金の棺』(1967年/未/テレビ放映)のスペイン版ではジョゼプ・コットン(Josep Cotten)とクレジットされることもあった。

オーソン・ウェルズ作品の常連として有名である。ヴァージニア州出身[1]。元妻は、女優のパトリシア・メディナ[2]

経歴

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俳優としての特徴

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ヴァージニアの学校で演劇を学んだ後、演劇関係のジャーナリストとして働いていたが、俳優になるためニューヨークに移り1930年にブロードウェイにデビューした。そこでオーソン・ウェルズと出会い、1937年から彼の劇団に参加するようになり、ウェルズの監督作品『市民ケーン』(1941年)で映画デビュー[1]。『市民ケーン』やキャロル・リード監督の『第三の男』(1949年)で強い印象を残した[2]。1948年の『ジェニイの肖像』でヴェネツィア国際映画祭 男優賞を受賞し、1950年代までは主演スターとして後世に名作と評価される作品に数多く出演した。

1960年頃からは次第に脇役へ転じ、テレビ映画やテレビ・シリーズのゲスト、イタリア映画への出演が増えて行ったが、米国映画界では渋い助演者として貴重な存在だった。

1981年、脳卒中が原因で発声に問題が生じ、俳優生活から引退。1994年2月6日、肺炎のためロサンゼルスの自宅で死去。88歳。当時のテレビ朝日の『ニュースステーション』では久米宏が『第三の男』での名演を懐かしんでいた[出典無効]

マカロニ・ウエスタンとイタリア映画

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1940年代から1950年代にトップ・スターだったコットンも時代の流には逆らえなかった。かつての西部劇スターであるガイ・マディスン等がイタリア映画界に出稼ぎする中、彼もそれに続いた。尚、コットンの盟友であるオーソン・ウェルズも当時は欧州各地を転々としており、メキシコ革命を題材にしたマカロニ・ウエスタン『復讐無頼/狼たちの荒野(復讐の三匹)』(1968年/未/テレビ放映)に出演している。

1965年にはマカロニ・ウエスタン『荒野の渡り者』(未/テレビ放映)に主演した。ターザン俳優のゴードン・スコットロバート・ミッチャムの長男であるジェームズ・ミッチャムが共演で、まだ無名だったフランコ・ネロが脇役出演していた。1967年には南北戦争を背景にした『黄金の棺』(未/テレビ放映)にも主演した。彼は両作品共に誇り高い南部人を演じていた。

当時はマカロニ・ウエスタンのロケ地であるスペイン製作の作品にもついでに出演する者も少なくなく、コットンもウィリアム・シャトナーが二役を演じて主演した西部劇『ホワイト・コマンチ』(1968年/未/テレビ放映)に保安官役で出演している。

その後はギャング物『顔役』(1969年)やマリオ・バーヴァ監督の『処刑男爵』(1972年/未/ビデオ)、ヴァン・ジョンスンも出演していたルッジェロ・デオダート監督の『コンコルド(マッハからの脱出/コンコルド)』(1979年)、セルジオ・マルティーノ監督の『ドクター・モリスの島/フィッシュマン』(1979年)、メキシコ映画『ガイアナ人民寺院の悲劇』(1979年/未/ビデオ)等に出演し、米国映画にも並行して脇役ながらも出演を続けた。また、『緯度0大作戦』(1969年)、『トラ・トラ・トラ!』(1970年)、『ソイレント・グリーン』(1973年)、『天国の門』(1980年)といった大作にも起用された。

エピソード

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  • 緯度0大作戦』に出演した際に、日本人スタッフと交わろうとしなかったために、周りから「この人嫌い!」と反発を受けたという[3]。しかし同映画で共演した宝田明は「物静かなジェントルマンだった」と語っており、「米国と日本の撮影システムの違いを十分認識していた大人」だと評価している[4]

主な出演作品

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作品名 役名 備考
1941 市民ケーン
Citizen Kane
ジェデダイア・リーランド
リディアと四人の恋人
Lydia
マイケル・フィッツパトリック
1942 偉大なるアンバーソン家の人々
The Magnificent Ambersons
ユージン
1943 恐怖への旅
Journey Into Fear
ハワード・グラハム
疑惑の影
Shadow of a Doubt
チャーリーおじさん
1944 ガス燈
Gaslight
ブライアン・キャメロン
君去りし後
Since You Went Away
トニー
戀の十日間
I'll Be Seeing You
ザカリー
1945 ラヴレター
Love Letters
アレン
1946 白昼の決闘
Duel in the Sun
ジェシー
1947 ミネソタの娘
The Farmer's Daughter
グレン
1948 ジェニイの肖像
Portrait of Jennie
イーベン・アダムス ヴェネツィア国際映画祭 男優賞受賞
1949 第三の男
The Third Man
ホリー・マーティンス
山羊座のもとに
Under Capricorn
サム
森の彼方に
Beyond the Forest
ルイス
1950 旅愁
September Affair
デヴィッド・ローレンス
西部の二国旗
Two Flags West
クレイ・タッカー
追いつめられた男
Walk Softly, Stranger
クリス
1951 北京超特急
Peking Express
マイケル
1952 11年目の疑惑
The Steel Trap
ジム・オズボーン
1953 ナイアガラ
Niagara
ジョージ
1956 瓶の底(脱獄囚)
The Bottom of the Bottle
パット
殺し屋は放たれた
The Killer Is Loose
サム・ワグナー
1958 黒い罠
Touch of Evil
アンクレジット
宇宙冒険旅行
From the Earth to the Moon
ヴィクター
1960 夜と昼の間
The Angel Wore Red
ホーソーン
1961 ガン・ファイター
The Last Sunset
ジョン
1964 ふるえて眠れ
Hush... Hush, Sweet Charlotte
ドリュー
1965 スー族の叛乱
The Great Sioux Massacre
銭の罠
The Money Trap
オラース・ヴァン・ティルドン
荒野の渡り者
Gli uomini dal passo pesante
テンプル
1966 オスカー
The Oscar
ケネス
1967 サイゴンに生き残る者
Some May Live
ウッドワード
黄金の棺
The Hellbenders
ブライティ/グランドキャニオンの冒険
Brighty of the Grand Canyon
ジム・オーウェン
ダイヤモンド・ジャック
Jack of Diamonds
アス
1968 華麗なる情事
Petulia
ドクター・ダナー
1969 緯度0大作戦
LATITUDE ZERO
クレイグ・マッケンジー[1][2] 日米合作作品
顔役
Gangster '70
クリスチーヌの性愛記
The Grasshopper
リチャード・モーガン
1970 トラ・トラ・トラ!
Tora! Tora! Tora!
スチムソン陸軍長官 日米合作作品
1973 ソイレント・グリーン
Soylent Green
ウィリアム・R・サイモンソン
1975 オーソン・ウェルズのフェイク
F for Fake
ドキュメンタリー
1977 合衆国最後の日
Twilight's Last Gleaming
アーサー・レンフルー
エアポート'77/バミューダからの脱出
Airport '77
ニコラス・セント・ダウンズ3世
1979 ドクター・モリスの島/フィッシュマン
L'isola degli uomini pesce
アーネスト・マーヴィン
コンコルド
Concorde Affaire '79
ミランド
ガイアナ人民寺院の悲劇
Guyana: Crime of the Century
リチャード
1980 ザ・ハース/生贄の町
The Hearse
ウォルター・プリチャード
1981 天国の門
Heaven's Gate
ドクター
墜落大空港
The Survivor
牧師

脚注

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  1. ^ a b c d e 東宝特撮映画全史 1983, p. 531, 「怪獣・SF映画俳優名鑑」
  2. ^ a b c d ゴジラ大百科 1993, p. 122, 構成・文 岩田雅幸「決定保存版 怪獣映画の名優名鑑」
  3. ^ 怪獣大戦争』のDVDコメンタリーでの土屋嘉男の弁より。
  4. ^ 『映画秘宝ゴジラとともに東宝特撮VIPインタビュー集』、別冊映画秘宝編集部編、洋泉社、2016年、P11より

参考文献

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  • 『東宝特撮映画全史』監修 田中友幸東宝出版事業室、1983年12月10日。ISBN 4-924609-00-5 
  • 『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラ大百科 [メカゴジラ編]』監修 田中友幸、責任編集 川北紘一Gakken〈Gakken MOOK〉、1993年12月10日。 

外部リンク

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