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ジョン・マッカーシー (言語学者)

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ジョン・マッカーシーJohn J. McCarthy, 1953年 - )は、アメリカ言語学者であり、マサチューセッツ大学アマースト校言語学部教授(distinguished professor)。音韻論形態論が専門である。ボストン出身で、ボストン方言の研究を行っていることでも有名[1]ハーバード大学学位を取得した後、マサチューセッツ工科大学で博士号を取得(1979年)。博士論文は、セム系言語(アラビア語ヘブライ語)の形態的パターンを自律分節音韻論の観点から分析したもので、後の研究に大きな影響を与える。[2]PhonologyやLinguistic Inquiryなどの学術雑誌の編集者も歴任。

研究

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自律分節音韻論韻律音韻論研究、アラン・プリンスとともに行った韻律形態論(prosodic morphology)の研究が有名。また、最適性理論の発展にも尽力をつくし、この理論の枠組みにおける研究も多数ある。1995年に彼らが提唱した照合理論(correspondence theory)は、事実上のスタンダードとなった。最適性理論では扱いが難しい、透明性(opacity) の研究や計算言語学的な研究、言語の習得可能性に関する研究なども積極的に行っている。2010年代には、最適性理論派生の概念を取り込む理論研究に取り組んでいた(OT-CCやHarmonic Serialismなど)。[3]

教育者として

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教育者として熱心であり、多くの博士を輩出している。[4]また最適性理論の入門書や概論論文も多数執筆している。[5][6]

脚注

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  1. ^ http://people.umass.edu/jjmccart/
  2. ^ McCarthy, John J. (1985) Formal Problems in Semitic Phonology and Morphology, Garland, New York. Pp. 426.
  3. ^ McCarthy, John J. (2007) Hidden Generalizations: Phonological Opacity in Optimality Theory. London: Equinox. Pp. vii+244.
  4. ^ http://people.umass.edu/jjmccart/teaching.html
  5. ^ McCarthy, John J. (2002) A Thematic Guide to Optimality Theory. Cambridge: Cambridge University Press. Pp. xiv+317.
  6. ^ McCarthy, John J. (2008) Doing Optimality Theory. Malden, MA and Oxford: Blackwell. Pp. xii+310.

外部リンク

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