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ゼノケラトプス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ゼノケラトプス
ゼノケラトプス
Xenoceratops foremostensis
地質時代
白亜紀
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 鳥盤目 Ornithischia
亜目 : 周飾頭亜目
下目 : 角竜下目 Ceratopia
: ケラトプス科 Ceratopidae
亜科 : セントロサウルス亜科 Centrosaurinae
: ゼノケラトプス属 Xenoceratops
学名
Xenoceratops
Ryan, Evans & Shephard2012
  • X. foremostensis

ゼノケラトプスカナダ王国アルバータ州白亜紀後期の地層から発見されたケラトプス類に属する恐竜。原始的なセントロサウルス亜科であり、フォアモスト累層で発見されている唯一の角竜類。名前は「余所者の角竜」という意味である。キセノケラトプスとも呼ばれる。

語源

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ゼノケラトプス Xenoceratops古代ギリシャ語で「外部」(foreign)を意味する xenos と「角のある顔」という意味のceratops(または角竜)の組み合わせで、「余所者の角竜」という意味である。化石が発見されたフォアモスト累層ではケラトプス類が見つかったことがなかったことに由来する。X.フォレモステンシス X.foremostensis種小名フォアモストの地名にちなむ[1]

発見

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1958年、 ワン・ラングストン・ジュニアはアルバータ州のフォアモスト累層から頭骨の断片を発掘した。 [2] この地層では恐竜類の動物相はまったくと言ってよいほど知られていなかった[1]。近くではハドロサウルス類の頭骨と堅頭竜類であるコレピオケファレだけが見つかった[1]

ラングストンは断片をキャビネットに入れてオタワの カナダ自然博物館におさめた。2003年になって、デビッド・エヴァンスとマイケル・ライアン がこの標本に興味をもち、2009年に徹底的な調査が行われた[2]。彼らはそれが新属新種であることを発見し、2012年に記載した。当時、ゼノケラトプスはカナダのケラトプス類の中で最古のものであるとされた。フォアモスト累層で見つかった最初の角竜類でもある[1]

記載

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ゼノケラトプスはカナダ自然博物館収蔵の ホロタイプ CMN 53282 に基づいている。これは頭頂骨であり、正中線フリルの一部も備わっている。頭頂骨に加え、頭骨の別の部分、鱗状骨と鼻骨も見つかっている。これらの骨は少なくとも3個体以上の成体のものであると思われる。ロイヤル・ティレル古生物博物館に収蔵されている別の頭骨の断片もゼノケラトプスに属すると考えられている[1]

ゼノケラトプスはフリルを成す骨の装飾の構造によって他のケラトプス類と区別することができる。フリルの正中線に最も近い一対の骨質のホーンレットは厚い瘤状で、正中線に向かって伸びる。その脇に位置する第二のホーンレットは平たくまっすぐなスパイク状で、横向きかつ後方に伸びる。フリルの最も外側を成す頭頂骨の縁は大きな三角形の瘤になっている。ほとんどの他のセントロサウルス亜科と違い、フリルの正中線上に他の装飾は存在しない。ゼノケラトプスは恐らく他の原始的なセントロサウルス亜科と同様に鼻と両目の上に角を発達させていたとされている。ホロタイプとその他の頭骨要素は顔の角に関する部分を含んでいないが、ロイヤル・ティレルの頭骨には大きな上眼窩角の証拠が残っている。それはアルベルタケラトプスディアブロケラトプスのものと似ている。また、鼻骨の断片は鼻角の長さについて示唆しているが、メデューサケラトプスのそれのように短かったとされている[1]

分類

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以下ライアンらによる系統樹。 (2016):[3]

セントロサウルス亜科

ディアブロケラトプス・エアトニ

ナストケラトプス族

アヴァケラトプス・ランメルシ (ANSP 15800)

MOR 692

CMN 8804

ナストケラトプス・ティトゥシ

Malta new taxon

アルベルタケラトプス・ネスモイ

セントロサウルス類

ルベオサウルス・オヴァトゥス

スティラコサウルス・アルベルテンシス

スピノプス・ステルンベルゴルム

セントロサウルス・アペルトゥス

コロノサウルス・ブリンクマニ

パキリノサウルス類

エイニオサウルス・プロクルヴィコルニス

アケロウサウルス・ホルネリ

パキリノサウルス

パキリノサウルス・カナデンシス

パキリノサウルス・ラクスタイ

パキリノサウルス・ペロトルム

シノケラトプス・ズケンゲンシス

ウェンディケラトプス・ピンホルネンシス

ゼノケラトプス・フォレモステンシス

出典

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  1. ^ a b c d e f Ryan, Michael J.; Evans, David C.; Shepherd, Kieran M. (2012). “A new ceratopsid from the Foremost Formation (middle Campanian) of Alberta”. Canadian Journal of Earth Sciences 49 (11): 1251–1262. doi:10.1139/e2012-056. 
  2. ^ a b Tutton, Michael (November 8, 2012). “Fossilized horn that sat in museum for decades leads to new Alberta dinosaur discovery”. The Canadian Press. オリジナルの2017年9月14日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20121111503300/http://www.vancouversun.com/technology/science/Fossilized+horn+that+museum+decades+leads+dinosaur/7518040/story.html November 9, 2012閲覧。 
  3. ^ Ryan, M.J.; Holmes, R.; Mallon, J.; Loewen, M.; Evans, D.C. (2017). “A basal ceratopsid (Centrosaurinae: Nasutoceratopsini) from the Oldman Formation (Campanian) of Alberta, Canada”. Canadian Journal of Earth Sciences 54. doi:10.1139/cjes-2016-0110. http://www.nrcresearchpress.com/doi/pdf/10.1139/cjes-2016-0110.