バスケットボール殿堂
バスケットボール殿堂(バスケットボールでんどう)は、バスケットボール競技における偉大な指導者、レフェリー、選手、特別功労者の栄誉を称え、その歴史を永く記憶にとどめるための施設である。正式名称は近代バスケットボールを形作ったジェームス・ネイスミスの名前を冠して「ネイスミス・メモリアル・バスケットボール殿堂」 (The Naismith Memorial Basketball Hall of Fame) と呼ばれ、マサチューセッツ州スプリングフィールドにある。また、カナダのオンタリオ州アルモンテにある「ネイスミス博物館と殿堂」 (The Naismith Museum & Basketball Hall of Fame) とは別のものである。
歴史
[編集]1959年にアメリカ合衆国マサチューセッツ州スプリングフィールドのスプリングフィールド・カレッジに基金が設立され、1968年2月17日に一般公開されることとなった。
1985年には新しいホールがコネティカット川の東岸のスプリングフィールド中心部の近くに設立された。
2002年9月28日には約7,400平方メートルの広大な3番目のホールが建築された。バスケットボールに似せたオレンジ色の球面体を頂いた高い尖塔と、建物前面にある銀色のバスケットボールを象った巨大な半球体が特徴的な建物である。
バスケットボール殿堂
[編集]バスケットボール殿堂表彰者の一覧
[編集]プレーヤー部門
[編集]- ジョージ・マイカン(1959年)
- エド・マコーレー(1960年)
- アンディ・フィリップ(1961年)
- ボブ・デイヴィス(1970年)
- ボブ・クージー(1971年)
- ボブ・ペティット(1971年)
- ドルフ・シェイズ(1972年)
- ビル・ラッセル(1975年)
- ビル・シャーマン(1976年)
- トム・ゴーラ(1976年)
- エルジン・ベイラー(1977年)
- ジョー・ファルクス(1978年)
- ジム・ポラード(1978年)
- ポール・アリジン(1978年)
- クリフ・ヘイガン(1978年)
- ウィルト・チェンバレン(1979年)
- オスカー・ロバートソン(1980年)
- ジェリー・ウェスト(1980年)
- ジェリー・ルーカス(1980年)
- ウィリス・リード(1982年)
- フランク・ラムジー(1982年)
- スレーター・マーティン(1982年)
- ハル・グリア(1982年)
- ジャック・トゥィマン(1983年)
- デイブ・ディバッシャー(1983年)
- ビル・ブラッドリー(1983年)
- サム・ジョーンズ(1984年)
- ジョン・ハブリチェック(1984年)
- ネイト・サーモンド(1985年)
- アル・セルヴィ(1985年)
- ビリー・カニンガム(1986年)
- トム・ヘインソーン(1986年)
- リック・バリー(1987年)
- ウォルト・フレイジャー(1987年)
- ピート・マラビッチ(1987年)
- ボビー・ヴァンツァー(1987年)
- ボブ・ホーブレッグス(1987年)
- クライド・ラブレット(1988年)
- ウェス・アンセルド(1988年)
- レニー・ウィルケンズ(1989年)
- K・C・ジョーンズ(1989年)
- ニール・ジョンストン(1990年)
- デイブ・ビン(1990年)
- エルヴィン・ヘイズ(1990年)
- アール・モンロー(1990年)
- ハリー・ギャラティン(1991年)
- ネイト・アーチボルド(1991年)
- デイブ・コーウェンス(1991年)
- コニー・ホーキンズ(1992年)
- ボブ・レイニア(1992年)
- ウォルト・ベラミー(1993年)
- ジュリアス・アービング(1993年)
- カルヴィン・マーフィー(1993年)
- ダン・イッセル(1993年)
- ビル・ウォルトン(1993年)
- ディック・マグワイア(1993年)
- バディ・ジャネット(1994年)
- ヴァーン・ミッケルセン(1995年)
- カリーム・アブドゥル=ジャバー(1995年)
- ジョージ・ガービン(1996年)
- デイヴィッド・トンプソン(1996年)
- ゲイル・グッドリッチ(1996年)
- ジョージ・ヤードリー(1996年)
- ベイリー・ハウエル(1997年)
- アレックス・イングリッシュ(1997年)
- アーニー・ライゼン(1998年)
- ラリー・バード(1998年)
- ケビン・マクヘイル(1999年)
- ボブ・マカドゥー(2000年)
- アイザイア・トーマス(2000年)
- モーゼス・マローン(2001年)
- マジック・ジョンソン(2002年)
- ドラジェン・ペトロヴィッチ(2002年)
- ジェームズ・ウォージー(2003年)
- ロバート・パリッシュ(2003年)
- モーリス・ストークス(2004年)
- クライド・ドレクスラー(2004年)
- ドミニク・ウィルキンス(2006年)
- ジョー・デュマース(2006年)
- チャールズ・バークレー(2006年)
- パトリック・ユーイング(2008年)
- アキーム・オラジュワン(2008年)
- エイドリアン・ダントリー(2008年)
- ジョン・ストックトン(2009年)
- マイケル・ジョーダン(2009年)
- デビッド・ロビンソン(2009年)
- カール・マローン(2010年)
- スコッティ・ピッペン(2010年)
- デニス・ジョンソン(2010年)
- ガス・ジョンソン(2010年)
- アーティス・ギルモア(2011年)
- デニス・ロッドマン (2011年)
- クリス・マリン(2011年)
- アルヴィーダス・サボニス(2011年)
- ジャマール・ウィルクス(2012年)
- チェット・ウォーカー(2012年)
- ラルフ・サンプソン(2012年)
- レジー・ミラー(2012年)
- メル・ダニエルズ(2012年)
- バーナード・キング(2013年)
- ゲイリー・ペイトン(2013年)
- リッチー・ゲーリン(2013年)
- ロジャー・ブラウン(2013年)
- アロンゾ・モーニング(2014年)
- ミッチ・リッチモンド(2014年)
- ガイ・ロジャース(2014年)
- シャルーナス・マルチュリョニス(2014年)
- ルイー・ダンピアー(2015年)
- ジョ・ジョ・ホワイト(2015年)
- スペンサー・ヘイウッド(2015年)
- ディケンベ・ムトンボ(2015年)
- アレン・アイバーソン(2016年)
- シャキール・オニール(2016年)
- 姚明(2016年)
- ゼルモ・ビーティ(2016年)
- トレイシー・マグレディ(2017年)
- ジョージ・マクギニス(2017年)
- ジェイソン・キッド(2018年)
- スティーブ・ナッシュ(2018年)
- チャーリー・スコット(2018年)
- ディノ・ラジャ(2018年)
- グラント・ヒル(2018年)
- モーリス・チークス(2018年)
- レイ・アレン(2018年)
- シドニー・モンクリーフ(2019年)
- ジャック・シクマ(2019年)
- ポール・ウェストファル(2019年)
- ボビー・ジョーンズ(2019年)
- ブラデ・ディバッツ(2019年)
- チャック・クーパー(2019年)
- カール・ブラウン(2019年)
- コービー・ブライアント(2020年)
- ティム・ダンカン(2020年)
- ケビン・ガーネット(2020年)
- ポール・ピアース(2021年)
- クリス・ウェバー(2021年)
- クリス・ボッシュ(2021年)
- トニー・クーコッチ(2021年)
- ボブ・ダンドリッジ(2021年)
- ベン・ウォレス(2021年)
- マヌ・ジノビリ(2022年)
- ティム・ハーダウェイ(2022年)
- ルー・ハドソン(2022年)
- ダーク・ノヴィツキー(2023年)
- トニー・パーカー(2023年)
- ドウェイン・ウェイド(2023年)
- パウ・ガソル(2023年)
- チャウンシー・ビラップス(2024年)
- ヴィンス・カーター(2024年)
- マイケル・クーパー(2024年)
- ウォルター・デイビス(2024年)
- ディック・バーネット(2024年)
コーチ部門
[編集]- レッド・アワーバック(1969年)
- アドルフ・ラップ(1969年)
- ジョン・ウッデン(1973年)
- ディーン・スミス(1983年)
- レッド・ホルツマン(1986年)
- ボブ・ナイト(1991年)
- ジャック・ラムジー(1992年)
- チャック・デイリー(1994年)
- ジョン・クンドラ(1995年)
- アレックス・ハナム(1998年)
- レニー・ウィルケンズ(1998年)
- ジョン・トンプソン(1999年)
- マイク・シャシェフスキー(2001年)
- ラリー・ブラウン(2002年)
- ビル・シャーマン(2004年)
- フィル・ジャクソン(2007年)
- パット・ライリー(2008年)
- ジェリー・スローン(2009年)
- ドン・ネルソン(2012年)
- リック・ピティーノ(2013年)
- スリック・レナード(2014年)
- トム・ヘインソーン(2015年)
- ジョン・カリパリ(2015年)
- ビル・フィッチ(2019年)
- ルディ・トムジャノビッチ(2020年)
- リック・アデルマン(2021年)
- ビル・ラッセル(2021年)
- ジョージ・カール(2022年)
- グレッグ・ポポヴィッチ(2023年)
- ダグ・コリンズ(2024年)
貢献者部門
[編集]- エイモス・アロンゾ・スタッグ(1959年)
- ジェームス・ネイスミス(1959年)
- ウェイン・エンブリー(1999年)
- アール・ロイド(2003年)
- ヒュービー・ブラウン(2005年)
- サッチ・サンダース(2011年)
- ドン・バークスデール(2012年)
- ナサニエル・クリフトン(2014年)
- デビッド・スターン(2014年)
- ロッド・ソーン(2018年)
- アル・アットルス(2019年)
- パトリック・バウマン(2020年)
- コットン・フィッツシモンズ(2021年)
- ラリー・コステロ(2022年)
- デル・ハリス(2022年)
- ジェリー・ウェスト(2024年)
レフェリー部門
[編集]- ディック・バヴェッタ(2015年)
チーム部門
[編集]- オリジナル・セルティックス (1959年)
- ハーレム・グローブトロッターズ(2002年)
- ドリームチーム(2010年)
- ローマ五輪アメリカ代表(2010年)
殿堂入り選手の選定
[編集]バスケットボール殿堂では、他のアメリカのプロスポーツの殿堂とは違い、NBAのアメリカ人選手だけでなく、国籍の区別なく、またプロに限らずアマチュアの選手を含めて選定対象としている。そして、アメリカの候補、女性選手の候補、国際的な候補、過去の名選手候補の各対象のために1つずつ、計4つの選定審査委員会が設置されている。
特定の年に、各委員会の7人のメンバーから5人以上の票を集めた選手は次の段階のオナー委員会へと進出する。このオナー委員会はその候補の選出をした委員会から選ばれた12人の専門家と他の委員会から選ばれた12人、計24人の専門家から成る。最終的にオナー委員会から18票(全体の75%以上の賛成)を集めれば殿堂入りが確定する。しかし、殿堂の役員陣から「バスケットボールの健全性を傷つけた」と判断されると殿堂入り権利は剥奪される。[1] 候補に選ばれるためには引退後5年以上、学生バスケットの場合は引退後25年以上たった選手のみである。
殿堂入り選手の状況
[編集]2022年度の選出が終了した段階で殿堂には、444の個人と13のチームが登録され称えられている。個人の内訳は、225名のプレーヤー、120名のコーチ、82名の特別功労者、17名のレフェリーである。 プレーヤーとコーチの両方で殿堂入りを果たしたのはジョン・ウッデン、レニー・ウィルケンズ、ビル・シャーマン、トム・ヘインソーン、ビル・ラッセルの5名である。