コンテンツにスキップ

フレンキー・デ・ヨング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フレンキー・デ・ヨング
FCバルセロナでのデ・ヨング(2021年)
名前
ラテン文字 Frenkie de Jong
基本情報
国籍 オランダの旗 オランダ
生年月日 (1997-05-12) 1997年5月12日(27歳)
出身地 アルケル[1]
身長 181cm[2]
体重 74kg[2]
選手情報
在籍チーム スペインの旗 FCバルセロナ
ポジション MF[1]
背番号 21
利き足 右足
ユース
2004-2015 オランダの旗 ヴィレムII
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2015 オランダの旗 ヴィレムII 2 (0)
2015-2017 オランダの旗 ヨング・アヤックス 46 (8)
2016-2019 オランダの旗 アヤックス 57 (4)
2019- スペインの旗 バルセロナ 151 (12)
代表歴2
2012  オランダ U-15 1 (0)
2014-2015  オランダ U-18 5 (1)
2015-2016  オランダ U-19 8 (0)
2016  オランダ U-20 2 (0)
2017  オランダ U-21 6 (1)
2018- オランダの旗 オランダ 54 (2)
1. 国内リーグ戦に限る。2023年6月7日現在。
2. 2023年9月20日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

フレンキー・デ・ヨング(Frenkie de Jong, 1997年5月12日 - )は、オランダ南ホラント州アルケル出身のサッカー選手ラ・リーガFCバルセロナ所属。オランダ代表。ポジションはMF。弟にユーリ・デ・ヨングがいる。

クラブ経歴

[編集]

幼少期

[編集]

1997年5月12日、オランダ南ホラント州の町アルケル英語版で、サッカー選手の母親と地元のアマチュアクラブのASVアルケルでプレーした父親、さらに祖父もかつてアマチュアサッカー選手というスポーツ一家の中で生まれた[3]。 ASVアルケルでサッカーを始めたデ・ヨングは、すでに6歳で才能の片鱗を発揮し、RKCヴァールヴァイクが獲得オファーを出すも両親が時期尚早と判断しこれを断った[4]

ヴィレムII

[編集]

順調に成長し、2005年にフェイエノールトヴィレムIIかの選択を迫られ[5]、「デ・ヨング自身が快適に過ごせるクラブ」としてヴィレムIIへの加入を選んだ[4]。早くからヴィレムII史上最高のタレントと見なされ、2013年8月1日(16歳の頃)に3年間のプロ契約を結んだ[4]。リザーブチームでプレーしていた2014-15シーズンにはウィンターブレイク中のトップチームのトレーニングキャンプにも参加した。2015年5月10日、エールディヴィジADOデン・ハーグ戦でトップチームデビューを果たした[6]

アヤックス

[編集]
アヤックスでプレーするデ・ヨング(2019年)

即座に価値を示したデ・ヨングにはアヤックスPSVが関心を示し、デ・ヨングはヴィレムIIとの残り1年となった契約の延長を拒否した。アヤックスがヴィレムIIに多くの選手をレンタルしていたことも影響し、ヴィレムIIはユースで10年間かけて育てたトップタレントに移籍金としてわずか1ユーロ(その内40セントはRKCに)、1年間はそのままヴィレムIIにレンタルで残し、さらにアヤックスからルーカス・アンデルセンもレンタルさせることでアヤックス・アムステルダムと移籍合意し、2015年夏の移籍市場の間に4年契約を結んだ[7]。それに対して交渉過程で自分たちの取り分を求めていた、ヴィレムIIと共同地域ユースを持つRKCが9万ユーロの移籍金を要求して裁判に訴えようとしたが[8]、最終的に2016年9月28日にRKCが条件を受け入れてヴィレムIIと合意に至った[9]

2016-17シーズン

[編集]

アヤックス移籍合意後のヴィレムIIでは、監督のユルヘン・ストレペル英語版が自分たちの選手を優先し、デ・ヨングにほとんどトップチームでの出場時間を与えなかったことで冬にアムステルダムに戻り、ヨング・アヤックスに加わった。2016-17シーズンもヨング・アヤックスでプレーし、エールステ・ディヴィジのシーズン最優秀若手選手に選ばれている[10]

2017-18シーズン

[編集]

トップチームに昇格した2017-18シーズン途中には本来の中盤のポジションであるMFからDMFにコンバートされ、チームの守備に安定感をもたらした[11]。トップチーム1年目にしてスタメンの座を勝ち取り、エールディヴィジ22試合に出場すると[4]、リーグトップとなるパス成功率(91.5%)とドリブル成功率(93.5%)を記録した[12]

2018-19シーズン

[編集]

2018-19シーズン、デ・ヨングはドニー・ファン・デ・ベークマタイス・デ・リフトらとともにアヤックスの若手主体のチームで司令塔として活躍。国内リーグ戦とカップ戦の二冠制覇に貢献。UEFAチャンピオンズリーグではラウンド16で大会三連覇中のレアル・マドリードを逆転で破り、さらに準々決勝でもユヴェントスを退けてアヤックスにとって22年ぶりとなる準決勝進出を経験した[4]

FCバルセロナ

[編集]

2019年1月23日、7月1日からFCバルセロナに加入することが発表された。契約期間は5年間で、移籍金は7500万ユーロ、1100万ユーロのボーナス込みで最大8600万ユーロ[13]。その内ヴィレムIIに600万ユーロ超、RKCに約400万ユーロが分配されることが決まった[14][15]。エールディヴィジの選手としては史上最高額、オランダ人選手としては同じくヴィレムIIユース出身のフィルジル・ファン・ダイクに続く史上2番目の高額移籍となる。デ・ヨングにとってバルセロナは幼い頃から憧れのクラブであり、彼はその夢を叶えることとなった[3]

プジョルシャビイニエスタブスケツピケダニエウ・アウヴェスペドロメッシエトービジャ。なんてチームなんだ!グアルディオラのチームは史上最高だった。彼らを見るのは楽しかったが、対戦するのは悪夢だっただろう。もちろん、メッシと一緒にプレーしたい。でも、彼はもうすぐ31歳だし、僕は急がないと(笑)。小さい頃、祖父はメッシの姿が背中に描かれた鮮やかな緑色のバルセロナのユニフォームをくれたんだ。このシャツは小さくなるまで着ていたよ。
フレンキー・デ・ヨング[3]

9月14日、ラ・リーガ第4節バレンシア戦でスペインリーグ初得点を記録した[6]

2021年にシャビがバルセロナの監督に就任すると、2022-23シーズンはセンターバックとしてもプレー[16]。2024年4月21日のエル・クラシコで右足首を負傷し、約半年の長期離脱を経験する[17]

代表経歴

[編集]

U-15代表から各世代別代表でプレーし2018年9月、ペルーとの親善試合にてA代表デビュー[4]

UEFAネーションズリーグ2018-19では、決勝でポルトガルに敗れたものの準優勝に貢献した[4]

2019年9月7日、EURO2020予選ドイツ戦にて代表初ゴールを決めた[12]

2022年11月、ワールドカップカタール大会、第3戦のカタール戦で1ゴールを決めてチームの決勝トーナメント進出に貢献した[18]

人物・評価

[編集]

狭いエリアを突破したり、深いところからボールを前方に運ぶ技術に長けており、優れたサッカーのビジョンを持ち、バランスの取れた選手である[19]

UEFAチャンピオンズリーグ2018-19・ラウンド16のレアル・マドリード戦でルカ・モドリッチに尻もちをつかせた華麗な“ダブルタッチ”は各方面から賞賛された[20]

2018年12月23日、エールディヴィジのシーズン前半戦後のインタビューで自分のプレーの改善点を質問されたデ・ヨングは「ミドルシュート、ロングパス、右足と左足。組み立てでもっと奥行きを見ること、フィニッシュの局面での貢献、もっと素早くスルーパスを出す相手を探すこと。それ以外にもまだまだたくさんある。」と矢継ぎ早に改善点を挙げて話題になった[21][22]

フランス代表アントワーヌ・グリーズマンは「今まで対峙してきた選手の中で一番の選手だった」と評した[23]

バルセロナでアシスタントコーチを務めた経験のあるヘンク・テン・カテからはデコシャビ・エルナンデスを掛け合わせたような選手であると評された。シャビ本人からは「バルセロナに必要なタイプの選手」と認められ、「セルヒオ・ブスケツに似ている」と語られている[24]

しかしバルセロナではアヤックス時代に見せていた輝きには及ばず、元オランダ代表ラファエル・ファン・デル・ファールトは「シュートをなかなか打とうとしない。あまり好きでないように見える」と語り、バルサのOBでもあるロナルド・デ・ブールも「まだまだ学び向上し続けなければならない。ロングパスの精度など」と指摘している[25]

個人成績

[編集]
2024年2月16日現在[26]
クラブ シーズン リーグ戦 カップ戦 国際大会 その他 通算
ディビジョン 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点
ヴィレムII 2014–15 エールディヴィジ 1 0 0 0 - - 1 0
2015–16 1 0 1 0 - - 2 0
通算 2 0 1 0 0 0 0 0 3 0
ヨング・アヤックス 2015–16 エールステ・ディヴィジ 15 2 - - - 15 2
2016–17 31 6 - - - 31 6
通算 46 8 0 0 0 0 0 0 46 8
アヤックス 2016–17 エールディヴィジ 4 1 3 0 4 0 - 11 1
2017–18 22 0 2 0 2 0 - 26 0
2018–19 31 4 4 0 17 0 - 52 4
通算 57 5 9 0 23 0 0 0 89 5
バルセロナ 2019–20 ラ・リーガ 29 2 3 0 9 0 1[注釈 1] 0 42 2
2020-21 37 3 5 3 7 0 2[注釈 1] 1 51 7
2021-22 32 3 2 0 12 1 1[注釈 1] 0 47 4
2022-23 33 2 2 0 6 0 2[注釈 1] 0 43 2
2023-24 16 1 3 0 2 0 2[注釈 1] 0 23 1
通算 147 11 15 3 36 1 8 1 206 16
キャリア総通算 252 23 25 4 59 1 8 1 344 29

タイトル

[編集]

クラブ

[編集]
アヤックス
バルセロナ

個人

[編集]

代表歴

[編集]

出場大会

[編集]

試合数

[編集]
  • 国際Aマッチ 48試合2得点(2018年 - )


オランダ代表国際Aマッチ
出場得点
2018 5 0
2019 10 1
2020 7 0
2021 16 0
2022 10 1
合計 48 2

代表での得点

[編集]
# 開催日 開催地 対戦国 スコア 結果 大会
1 2019年9月7日 ドイツの旗 ハンブルクフォルクスパルクシュタディオン ドイツの旗 ドイツ 1-1 2-4 UEFA EURO 2020予選
2 2022年11月29日 カタールの旗 アル=ハウルアル・バイト・スタジアム カタールの旗 カタール 2-0 2-0 2022 FIFAワールドカップ

脚注

[編集]
  1. ^ a b F. de Jong”. Soccerway. 19 February 2018閲覧。
  2. ^ a b Frenkie de Jong”. FCバルセロナ. 1 December 2022閲覧。
  3. ^ a b c Hale Hendrix. “Frenkie de Jong Childhood Story Plus Untold Biography Facts”. Life Bogger.com. 2024年2月16日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g フレンキー・デ・ヨングについて知っておくべき9のこと|プレースタイルや経歴、私生活について紹介”. Olympics.com (2020年2月23日). 2024年2月16日閲覧。
  5. ^ Arkel trots op kersverse international Frenkie de Jong
  6. ^ a b Willem II vs. ADO Den Haag - 10 May 2015 - Soccerway”. soccerway.com. 2015年6月28日閲覧。
  7. ^ EUROPE’S RISING STARS: FRENKIE DE JONG”. Football Whispers.com. 2018年6月11日閲覧。
  8. ^ Arbitrage over Frenkie de Jong op 12 oktober
  9. ^ RKC Waalwijk en Willem ll eindelijk akkoord over Frenkie de Jong
  10. ^ Proud of you lads!”. Twitter.com. 2018年6月11日閲覧。
  11. ^ 中田徹 (2018年5月8日). “コンバートでブレイク。攻撃のスイッチを入れる最終ラインの司令塔”. footballista. 2019年3月2日閲覧。
  12. ^ a b 今冬最大の注目銘柄…フレンキー・デ・ヨングについて知っておきたい7つのこと”. サッカーキング (2018年11月23日). 2024年2月16日閲覧。
  13. ^ バルサ、デ・ヨングとサイン”. FCバルセロナ公式サイト (2019年1月24日). 2019年1月24日閲覧。
  14. ^ BREAKING: Ajax kondigt enorme transfer van De Jong naar Barcelona aan
  15. ^ バルセロナ、オランダ代表MFフランキー・デ・ヨングの来季加入を発表!”. 超ワールドサッカー (2019年1月24日). 2019年1月24日閲覧。
  16. ^ “4枚目の中盤”となれるフレンキー・デ・ヨングのCB起用 ピケら本職を退けファーストチョイスに”. ザ・ワールド (2022年7月24日). 2024年2月16日閲覧。
  17. ^ 5か月半離脱のデ・ヨングがCL遠征メンバー入り ゲキサカ 2024年10月1日
  18. ^ オランダはガクポ3戦連続弾含む2発でGL突破! カタールは“アジア勢”唯一の勝ち点0で終戦…史上初の開催国3連敗”. ゲキサカ. 2022年11月30日閲覧。
  19. ^ https://www.sportskeeda.com/football/tactical-analysis-of-ajax-wonderkid-frenkie-de-jong
  20. ^ アヤックス21歳MF、モドリッチの“尻餅写真”公開で海外反響
  21. ^ https://twitter.com/FOXSportsnl/status/1076837835322392576
  22. ^ https://www.fcupdate.nl/voetbalnieuws/343565/frenkie-de-jong-ziet-nog-genoeg-verbeterpunten-voor-zichzelf/
  23. ^ https://football-tribe.com/japan/2019/02/26/101168/
  24. ^ 今冬最大の注目銘柄…フレンキー・デ・ヨングについて知っておきたい7つのこと サッカーキング 2018年11月23日
  25. ^ 「ボールを奪われすぎだ」なぜデヨングはバルサで伸び悩んでいるのか? 母国のレジェンドたちも辛口評価【現地発】 | サッカーダイジェストWeb”. www.soccerdigestweb.com. 2022年1月18日閲覧。
  26. ^ フレンキー・デ・ヨング - Soccerwayによる個人成績

外部リンク

[編集]