ベルシュカ
ベルシュカ (Bershka) は、スペインのアパレルメーカーであるインディテックスが展開するファッションブランド[1]。ザラの姉妹ブランドにあたり、インディテックスにとってはザラに次ぐナンバー2ブランドである[1]。メイン・ターゲットは10代から20代[1]、特に「大胆で最新トレンドに敏感、かつ音楽やソーシャルネットワーク、最新テクノロジーに詳しい若い世代」を想定している[2]。主に扱っているのは、トレンド志向のレディースおよびメンズの衣類であり[1]、カジュアルウェア以外にアクセサリーや靴も揃えている[3]。価格設定はザラより安くなされている[1]。
ベルシュカは、デザイン企画、生産、流通、店舗販売まで一貫して自身で行っている[2]。商品開発は50名[3] - 60名以上[2]のデザイナー・チームが行い、そのアイテム数は年あたり4,000点にのぼる[2][3]。出来上がった商品はスペインの物流センターにいったん集められ、そこから週に2度の頻度で全世界の店舗へ新商品として空輸される[3]。これにより、常にトレンドを反映した鮮度の高い品揃えを店頭で実現している[1]。
ベルシュカの店舗は「宣伝活動しない」という運営方針をとっており[3]、これは各地域の個性を活かして客の求める良い品を揃えることが宣伝効果になるという持論に基づく[3]。
沿革
[編集]「ベルシュカ」のブランドは1998年に立ち上げられた[2]。その後の店舗数は、2010年に50か国で720店[4]、2013年に56か国で870店[3]、2016年に70か国で1,000店以上[3]と増えていった。しかし2020年6月にインディテックスは、今後の実店舗展開において小規模店を引き払って大型旗艦店に注力する方針を発表し[5]、2022年末までにベルシュカを含め最大1,200店をたたむ予定を示した[5]。2021年1月には、PEACEBIRD や URBAN REVIVO などのドメスティック・ブランドの台頭により若者向けファスト・ファッション市場の競争激化が著しい中国から、ベルシュカを含む3ブランドについて実店舗を全て引き払うと発表した[5]。
日本での展開
[編集]日本での展開は、ベルシュカにとって50か国目にあたる[4]。2010年に子会社のベルシュカ・ジャパンを設立し[1]、同年4月に日本1号店となる渋谷店をオープンした[6]。これは、スペイン坂下でパルコが運営する商業施設「ZERO GATE」の1階から4階を使ったもので[6]、総床面積は約1,400平方メートル[6]、商品点数は3万点(約3,500型)を揃え[7]、ベルシュカの実店舗としては世界でも有数の規模だった[8]。ガラス張りのファサードは全面が蛍光イエローに塗装され、ベルシュカらしい「若々しさ」をアピールするものになっていた[9]。2017年9月には赤を基調とした外観にリニューアルした[10]。
渋谷店に続き、埼玉県越谷市のイオンレイクタウンや千葉県船橋市のららぽーとTOKYO-BAY、福岡市のキャナルシティ博多や大阪市の心斎橋筋商店街などに出店[11]したが、いずれも撤退し、2022年7月に渋谷店も閉店[6]。日本国内からは実店舗がなくなり、2017年に開設された公式オンラインストア[12]のみでの展開に転換した。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g 藤岡篤子 (2011年2月). “ベルシュカ”. 時事用語事典 - imidas. 集英社. 2022年7月20日閲覧。
- ^ a b c d e “会社情報”. Bershka JAPAN (2016年). 2022年7月20日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “Bershka(株式会社ベルシュカ・ジャパン)”. クリーデンス. パーソルキャリア (2013年2月8日). 2022年7月20日閲覧。
- ^ a b “ベルシュカ : Bershka”. ファッションプレス. カーリン. 2022年7月20日閲覧。
- ^ a b c “「ザラ」姉妹ブランドの「ベルシュカ」など、中国市場から完全撤退へ 実店舗に続いてECも閉店”. WWDJAPAN. INFASパブリケーションズ (2022年7月5日). 2022年7月20日閲覧。
- ^ a b c d “渋谷・スペイン坂下「ベルシュカ渋谷店」が閉店へ 日本進出から12年”. シブヤ経済新聞. 花形商品研究所 (2022年7月5日). 2022年7月20日閲覧。
- ^ “ZARAの妹ブランド、Bershka(ベルシュカ)の渋谷店がグランドオープン”. ファッションプレス. カーリン (2011年4月16日). 2022年7月20日閲覧。
- ^ みかりん (2017年9月15日). “『ZARA』の妹ブランド『Bershka 渋谷』が9/15(金)リニューアルオープン☆ 気になるアイテムをチェックしてきました!”. MORE. 集英社. 2022年7月20日閲覧。
- ^ “Bershka 渋谷店”. キーオペレーション (2011年4月). 2022年7月20日閲覧。
- ^ “赤いチェーンに包まれた「ベルシュカ」渋谷の大型店がリニューアルオープン”. FashionNetwork.com. Fashion Network Sarl (2017年9月15日). 2022年7月20日閲覧。
- ^ 「ベルシュカが関西初出店、ZARAの向かいにオープン」『FASHIONSNAP.COM』2012年3月4日。2022年11月6日閲覧。
- ^ “「Bershka(ベルシュカ)」ってどんなブランド?渋谷センター街に新ランドマーク出現”. CanCam. 小学館 (2017年9月14日). 2022年7月20日閲覧。