ロシア時間
UTC+2 | MSK-1 | カリーニングラード時間 (KALT) | |
UTC+3 | MSK | モスクワ時間 (MSK) | |
UTC+4 | MSK+1 | サマラ時間 (SAMT) | |
UTC+5 | MSK+2 | エカテリンブルク時間 (YEKT) | |
UTC+6 | MSK+3 | オムスク時間 (OMST) | |
UTC+7 | MSK+4 | クラスノヤルスク時間 (KRAT) | |
UTC+8 | MSK+5 | イルクーツク時間 (IRKT) | |
UTC+9 | MSK+6 | ヤクーツク時間 (YAKT) | |
UTC+10 | MSK+7 | ウラジオストク時間 (VLAT) | |
UTC+11 | MSK+8 | マガダン時間 (MAGT) | |
UTC+12 | MSK+9 | カムチャツカ時間 (PETT) |
ロシア時間 (ロシアじかん、 ロシア語: Время в России)は、ロシアで使用されている標準時である。ロシアは世界で最も多くの標準時を持つ国で、UTC+2からUTC+12の時間帯に1時間刻みで合計11の標準時を持っている。
時間帯の一覧
[編集]時間帯 | 略号 | 標準時 | 地域 | |
---|---|---|---|---|
カリーニングラード時間 | KALT | UTC+2 | カリーニングラード州 | |
モスクワ時間 | MSK | UTC+3 | 中央連邦管区の全域、北西連邦管区(カリーニングラード州を除く全域)、南部連邦管区(アストラハン州を除く全域)、北カフカース連邦管区の全域、沿ヴォルガ連邦管区(サラトフ州、サマラ州、ウリヤノフスク州、ウドムルト共和国、ベルミ地方、バシコルトスタン共和国、オレンブルク州を除く) | |
サマラ時間 | SAMT | UTC+4 | サマラ州、ウドムルト共和国、アストラハン州(2016年3月26日まではMSK)、ウリヤノフスク州(2016年3月26日まではMSK)、サラトフ州(2016年12月3日まではMSK) | |
エカテリンブルク時間 | YEKT | UTC+5 | ウラル連邦管区の全域、ペルミ地方、バシコルトスタン共和国、オレンブルク州 | |
オムスク時間 | OMST | UTC+6 | オムスク州 | |
クラスノヤルスク時間 | KRAT | UTC+7 | シベリア連邦管区(オムスク州、イルクーツク州を除く) | |
イルクーツク時間 | IRKT | UTC+8 | イルクーツク州、ブリヤート共和国 | |
ヤクーツク時間 | YAKT | UTC+9 | アムール州、ザバイカリエ地方(2014年10月26日から2016年3月26日まではIRKT)、サハ共和国(オイミャコン地区、ウスチ・ヤンスク地区、ヴェルホヤンスク地区、アッライホフ地区、アビー地区、モマ地区、ニジュネコルィムスク地区、スレドネコルィムスク地区、ヴェルフネコルィムスク地区を除く) | |
ウラジオストク時間 | VLAT | UTC+10 | ユダヤ自治州、ハバロフスク地方、沿海地方、サハ共和国オイミャコン地区、ウスチ・ヤンスク地区、ヴェルホヤンスク地区 | |
マガダン時間 (旧スレドネコリムスク時間) | MAGT | UTC+11 | サハ共和国アッライホフ地区、アビー地区、モマ地区、ニジュネコルィムスク地区、スレドネコルィムスク地区、ヴェルフネコルィムスク地区、サハリン州(樺太及び南クリル管区・クリル管区は2016年3月26日まではVLAT)、マガダン州(2014年10月26日から2016年4月23日まではVLAT) | |
カムチャツカ時間 | PETT | UTC+12 | チュクチ自治管区、カムチャツカ地方 |
歴史
[編集]ソ連時代
[編集]ソ連時代の大半、現在のロシアにあたる地域には、モスクワ時間(MSK)からアナディリ時間 (MSK+10)までの11の標準時があった(全ソ連でも同じ数になるが)。アナディリ時間は、1982年以降の最東端であるカムチャツカ時間(MSK+9)よりさらに1時間早い。
1930年6月21日、全土の標準時を1時間進める「Декретное время」(政令時間)が実行された。たとえばモスクワ時間は、UTC+2からUTC+3となった。
1981年4月1日、夏時間が(1917年のみ不完全に導入されて以来再度)導入され、同時に「Декретное время」(政令時間)も継続適用された。たとえばモスクワ時間は、通年UTC+3から、冬季はUTC+3・夏季はUTC+4となった。夏時間の期間は、当初は4月1日から10月1日までであったが、2011年の廃止前は3月最終日曜日の午前2時(現地時刻)に1時間進め、10月最終日曜日の午前3時(現地時刻)に1時間戻すというものであった(他のヨーロッパ諸国とは若干異なる)。
1982年4月1日、アナディリ時間(MSK+10)がカムチャツカ時間(MSK+9)に統合され、標準時は10になった。
1989年3月26日、サマラ時間(MSK+1)がモスクワ時間(MSK)に統合された。また、カリーニングラード州はモスクワ時間から分かれカリーニングラード時間(MSK-1)となった。
1991年9月29日、サマラ時間が復活し、標準時は11となった。
2011年まで
[編集]ドミトリー・メドヴェージェフ大統領は、標準時間帯の削減を画策し、2010年3月28日の夏時間開始と同時に、カムチャツカ時間を廃してマガダン時間に統合し、サマラ時間を廃してモスクワ時間に統合した。これによってこれまでより時間帯が2つ減り、UTC+2からUTC+11の時間帯に9つの標準時を持つこととなった[1]。
さらに、2011年8月31日付法令第725号(政令時間及び夏時間の廃止)により、2011年10月30日に冬時間に戻さず、これまでの夏時間を通年の標準時とした。これによって、モスクワ時間などの各標準時はこれまでの冬時間よりも1時間進められた状態となった(たとえばモスクワ時間は通年UTC+4)。
2014年の変更
[編集]2014年3月30日 - ロシアのクリミア半島併合に伴い、クリミア共和国とセバストポリ連邦市はウクライナ標準時(冬季UTC+2、夏季UTC+3)からモスクワ時間(UTC+4)に移行。
2014年7月22日 - 2011年の変更に関する国民の不満を受けてにウラジーミル・プーチン大統領は標準時をかつての冬時間に戻す法案に署名[2]。
2014年10月26日 - 上記法案に基づきロシアの時間帯が変更。ロシア国内の全ての標準時が1時間戻され、2011年3月以前の冬時間の時間帯が採用された(たとえばモスクワ時間は通年UTC+3となった)。ただし、同時に以下の変更が行われた。
- マガダン時間を廃止。旧マガダン時間(UTC+12)に属していた地域の標準時を以下のように変更。
- ザバイカリエ地方が旧ヤクーツク時間(UTC+10)からイルクーツク時間(UTC+8)に移行。
- ケメロヴォ州が旧オムスク時間(UTC+7)からクラスノヤルスク時間(UTC+7)に移行。
- サマラ時間(UTC+4)が復活し、ウドムルト共和国、サマラ州が旧モスクワ時間(UTC+4)から移行。
以上の変更が行われた結果、ロシア時間は再びUTC+2からUTC+12まで11の標準時を持つこととなった[3][4]。
2016年の変更
[編集]2016年3月27日
- ウリヤノフスク州、アストラハン州がモスクワ時間(UTC+3)からサマラ時間(UTC+4)に移行。
- アルタイ共和国、アルタイ地方がオムスク時間(UTC+6)からクラスノヤルスク時間(UTC+7)に移行。
- ザバイカリエ地方がイルクーツク時間(UTC+8)からヤクーツク時間(UTC+9)に移行。
- サハリン州(北クリル管区を除く全域)がウラジオストク時間からスレドネコリムスク時間(UTC+11)に移行。
2016年4月24日
- マガダン時間(UTC+11)が復活し、マガダン州がウラジオストク時間(UTC+10)から移行。
- 同時に、スレドネコリムスク時間(UTC+11)がマガダン時間に統合され廃止[5]。
2016年5月29日 - トムスク州がオムスク時間(UTC+6)からクラスノヤルスク時間(UTC+7)に移行。
2016年7月24日 - ノヴォシビルスク州がオムスク時間(UTC+6)からクラスノヤルスク時間(UTC+7)に移行[6]。
2016年12月4日 - サラトフ州がモスクワ時間(UTC+3)からサマラ時間(UTC+4)に移行。
2018年の変更
[編集]2018年10月28日 - ヴォルゴグラード州がサマラ時間(UTC+4)に移行。
2020年の変更
[編集]2020年12月27日 - ヴォルゴグラード州が再度モスクワ時間(UTC+3)に移行[7]。
時間帯の変遷
[編集]時間帯 | 2009年10月31日以前 (夏時間) |
2010年3月28日以前 (冬時間) |
2010年3月28日から 2010年10月31日 (夏時間) |
2010年10月31日から 2011年3月27日 (冬時間) |
2011年3月27日から 2014年10月25日 (通年) |
2014年10月25日から 2016年4月24日 (通年) |
現在 (通年) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
カリーニングラード時間 | KALST (UTC+3) | KALT (UTC+2) | KALST (UTC+3) | KALT (UTC+2) | KALT (UTC+3) | KALT (UTC+2) | KALT (UTC+2) | |
モスクワ時間 | MSD (UTC+4) | MSK (UTC+3) | MSD (UTC+4) | MSK (UTC+3) | MSK (UTC+4) | MSK (UTC+3) | MSK (UTC+3) | |
サマラ時間 | SAMST (UTC+5) | SAMT (UTC+4) | SAMT (UTC+4) | SAMT (UTC+4) | ||||
エカテリンブルク時間 | YEKST (UTC+6) | YEKT (UTC+5) | YEKST (UTC+6) | YEKT (UTC+5) | YEKT (UTC+6) | YEKT (UTC+5) | YEKT (UTC+5) | |
オムスク時間 | OMSST (UTC+7) | OMST (UTC+6) | OMSST (UTC+7) | OMST (UTC+6) | OMST (UTC+7) | OMST (UTC+6) | OMST (UTC+6) | |
クラスノヤルスク時間 | KRAST (UTC+8) | KRAT (UTC+7) | KRAST (UTC+8) | KRAT (UTC+7) | KRAT (UTC+8) | KRAT (UTC+7) | KRAT (UTC+7) | |
イルクーツク時間 | IRKST (UTC+9) | IRKT (UTC+8) | IRKST (UTC+9) | IRKT (UTC+8) | IRKT (UTC+9) | IRKT (UTC+8) | IRKT (UTC+8) | |
ヤクーツク時間 | YAKST (UTC+10) | YAKT (UTC+9) | YAKST (UTC+10) | YAKT (UTC+9) | YAKT (UTC+10) | YAKT (UTC+9) | YAKT (UTC+9) | |
ウラジオストク時間 | VLAST (UTC+11) | VLAT (UTC+10) | VLAST (UTC+11) | VLAT (UTC+10) | VLAT (UTC+11) | VLAT (UTC+10) | VLAT (UTC+10) | |
マガダン時間 (旧スレドネコリムスク時間) |
MAGST (UTC+12) | MAGT (UTC+11) | MAGST (UTC+12) | MAGT (UTC+11) | MAGT (UTC+12) | SRET (UTC+11) | MAGT (UTC+11) | |
カムチャツカ時間 | PETST (UTC+13) | PETT (UTC+12) | PETT (UTC+12) | PETT (UTC+12) |
IANA time zone database
[編集]IANA time zone databaseのzone.tabには、ロシアの標準時として以下の26の時間帯が含まれている。
国コード | 座標 | TZ | 注釈 | 協定世界時との差 | 夏時間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
RU | +6445+17729 | Asia/Anadyr | MSK+09 - ベーリング海 | +12:00 | +12:00 | |
RU | +5322+08345 | Asia/Barnaul | MSK+04 - アルタイ | +07:00 | +07:00 | |
RU | +5203+11328 | Asia/Chita | MSK+06 - ザバイカリエ | +09:00 | +09:00 | |
RU | +5216+10420 | Asia/Irkutsk | MSK+05 - イルクーツク、ブリヤート | +08:00 | +08:00 | |
RU | +5301+15839 | Asia/Kamchatka | MSK+09 - カムチャツカ | +12:00 | +12:00 | |
RU | +623923+1353314 | Asia/Khandyga | MSK+06 - トンポ、ウスチ=マヤ | +09:00 | +09:00 | |
RU | +5601+09250 | Asia/Krasnoyarsk | MSK+04 - クラスノヤルスク地方 | +07:00 | +07:00 | |
RU | +5934+15048 | Asia/Magadan | MSK+08 - マガダン | +11:00 | +11:00 | |
RU | +5345+08707 | Asia/Novokuznetsk | MSK+04 - ケメロヴォ | +07:00 | +07:00 | |
RU | +5502+08255 | Asia/Novosibirsk | MSK+04 - ノヴォシビルスク | +07:00 | +07:00 | |
RU | +5500+07324 | Asia/Omsk | MSK+03 - オムスク | +06:00 | +06:00 | |
RU | +4658+14242 | Asia/Sakhalin | MSK+08 - サハリン島 | +11:00 | +11:00 | |
RU | +6728+15343 | Asia/Srednekolymsk | MSK+08 - サハ(東部)、北クリル | +11:00 | +11:00 | |
RU | +5630+08458 | Asia/Tomsk | MSK+04 - トムスク | +07:00 | +07:00 | |
RU | +643337+1431336 | Asia/Ust-Nera | MSK+07 - オイミャコン | +10:00 | +10:00 | |
RU | +4310+13156 | Asia/Vladivostok | MSK+07 - アムール川 | +10:00 | +10:00 | |
RU | +6200+12940 | Asia/Yakutsk | MSK+06 - レナ川 | +09:00 | +09:00 | |
RU | +5651+06036 | Asia/Yekaterinburg | MSK+02 - ウラル | +05:00 | +05:00 | |
RU | +4621+04803 | Europe/Astrakhan | MSK+01 - アストラハン | +04:00 | +04:00 | |
RU | +5443+02030 | Europe/Kaliningrad | MSK-01 - カリーニングラード | +02:00 | +02:00 | |
RU | +5836+04939 | Europe/Kirov | MSK+00 - キーロフ | +03:00 | +03:00 | |
RU | +554521+0373704 | Europe/Moscow | MSK+00 - モスクワ州 | +03:00 | +03:00 | |
RU | +5312+05009 | Europe/Samara | MSK+01 - サマラ、ウドムルト | +04:00 | +04:00 | |
RU | +5134+04602 | Europe/Saratov | MSK+01 - サラトフ | +04:00 | +04:00 | |
RU | +5420+04824 | Europe/Ulyanovsk | MSK+01 - ウリヤノフスク | +04:00 | +04:00 | |
RU | +4844+04425 | Europe/Volgograd | MSK+00 - ヴォルゴグラード | +03:00 | +03:00 |
脚注
[編集]- ^ ロシア:時間帯「9」に削減へ - 毎日jp(毎日新聞)
- ^ “ロシア、通年「冬時間」に 10月から日本と6時間差”. 産経ニュース. (2014年7月23日). オリジナルの2014年12月14日時点におけるアーカイブ。 2014年12月7日閲覧。
- ^ “ロシアで冬時間が復活、国民の不満を受け変更”. AFPBB NEWS. (2014年10月26日) 2014年12月7日閲覧。
- ^ “ロシア標準時を変更 通年冬時間に”. 産経ニュース. (2014年10月26日) 2014年12月7日閲覧。
- ^ ロシアの時差と現在時刻 - Time-j.net、2016年4月30日閲覧。
- ^ タイムゾーンに関するニュースから - Time-j.net、2016年7月26日閲覧。
- ^ New Time Zone in Russia's Volgograd Region.timeanddate.com、2020年12月27日閲覧。