世界遺産の一覧 (危機遺産リスト)
表示
世界遺産の一覧(危機遺産リスト)(せかいいさんのいちらん(ききいさんリスト))では、現在「危機にさらされている世界遺産」(危機遺産)リストに掲載されている物件の一覧を扱う。かつて危機遺産に登録されていた物件については、かつての危機遺産リストを参照のこと。
以下の情報は、第46回世界遺産委員会(2024年7月)時点のものである。合計32か国[1]の56件が指定されており、うち文化遺産は41件、自然遺産は15件である[2]。
危機にさらされている遺産
[編集]画像 | 国名 | 遺産名 | 分類 | 世界遺産登録年 | 危機遺産登録年 | 主な危機遺産登録理由 |
---|---|---|---|---|---|---|
エルサレム(ヨルダンによる申請) | エルサレムの旧市街とその城壁群 | 文化 | 1981年 | 1982年 | 周辺情勢の不安定さ | |
ペルー | チャン・チャン遺跡地帯 | 1986年 | 潮風などによる建材の劣化 | |||
ギニア/ コートジボワール | ニンバ山厳正自然保護区 | 自然 | 1981年 | 1992年 | 資源開発、難民の流入などによる環境の悪化 | |
ニジェール | アイル・テネレ自然保護区 | 1991年 | トゥアレグ人の独立問題に関連する治安の悪化など | |||
コンゴ民主共和国 | ヴィルンガ国立公園 | 1979年 | 1994年 | 難民の大量流入などによる環境悪化、違法な木炭売買など | ||
ガランバ国立公園 | 1980年 | 1996年[注 1] | 密猟によるキタシロサイの激減 | |||
オカピ野生生物保護区 | 1996年 | 1997年 | 密猟 | |||
カフジ=ビエガ国立公園 | 1980年 | 観光客が持ち込んだ伝染病などによるゴリラの減少 | ||||
中央アフリカ | マノヴォ=グンダ・サン・フローリス国立公園 | 自然 | 1988年 | 密猟、治安悪化 | ||
イエメン | 古都ザビード | 文化 | 1993年 | 2000年 | 都市化による伝統的都市景観の変化 | |
エジプト | アブ・メナ | 1979年 | 2001年 | 地下水位上昇による崩壊の危機 | ||
アフガニスタン | ジャームのミナレットと考古遺跡群 | 2002年 | 治安の悪化、浸水被害 | |||
バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群 | 2003年 | ターリバーンによる石像爆破 | ||||
イラク | アッシュル (カルアト・シェルカート) | ダム建設計画による水没の危機 | ||||
ベネズエラ | コロとその港 | 1993年 | 2005年 | 豪雨による被害、周辺の開発 | ||
セルビア | コソボの中世建造物群 | 2004年 | 2006年 | 治安の悪化 | ||
イラク | 都市遺跡サーマッラー | 2007年 | 周辺情勢の不安定さ | |||
アメリカ合衆国 | エバーグレーズ国立公園 | 自然 | 1979年 | 2010年[注 2] | 水生生物の生態系の悪化 | |
マダガスカル | アツィナナナの雨林 | 2007年 | 2010年 | 違法な伐採や密猟 | ||
インドネシア | スマトラの熱帯雨林遺産 | 2004年 | 2011年 | 密猟や違法伐採など | ||
ホンジュラス | リオ・プラタノ生物圏保護区 | 1982年 | 2011年[注 3] | |||
パナマ | パナマのカリブ海側の要塞群 | 文化 | 1980年 | 2012年 | 保存計画の不備など | |
マリ | アスキアの墓 | 2004年 | 2012年 | マリ北部紛争 | ||
トンブクトゥ | 1988年 | 2012年[注 4] | ||||
ソロモン諸島 | 東レンネル | 自然 | 1998年 | 2013年 | 森林伐採 | |
シリア | 古代都市ダマスカス | 文化 | 1979年 | 2013年 | シリア内戦 | |
古代都市ボスラ | 1980年 | |||||
パルミラ遺跡 | 1980年 | |||||
古代都市アレッポ | 1986年 | |||||
クラック・デ・シュヴァリエとカラット・サラーフ・アッディーン | 2006年 | |||||
シリア北部の古代村落群 | 2011年 | |||||
タンザニア | セルース猟獣保護区 | 自然 | 1982年 | 2014年 | 密猟の横行 | |
ボリビア | ポトシ市街 | 文化 | 1987年 | セロ・リコ鉱山の管理不徹底 | ||
パレスチナ | パレスチナ:オリーブとワインの地 - エルサレム南部バティールの文化的景観 | 2014年 | 地域情勢による完全性と真正性への脅威 | |||
イエメン | サナア旧市街 | 1986年 | 2015年 | |||
シバームの旧城壁都市 | 1982年 | 地域情勢による潜在的な脅威 | ||||
イラク | ハトラ | 1985年 | ISILによる破壊活動 | |||
マリ | ジェンネ旧市街 | 1988年 | 2016年 | 情勢の不安定さ | ||
ウズベキスタン | シャフリサブス歴史地区 | 2000年 | 過度の観光開発への懸念 | |||
リビア | レプティス・マグナの考古遺跡 | 1982年 | 政情不安 | |||
サブラタの考古遺跡 | 1982年 | |||||
キュレネの考古遺跡 | 1982年 | |||||
タドラルト・アカクスの岩絵遺跡群 | 1985年 | |||||
ガダミスの旧市街 | 1986年 | |||||
ミクロネシア連邦 | ナンマトル:東ミクロネシアの祭祀センター | 2016年 | マングローブの繁茂など、保全状況への懸念 | |||
オーストリア | ウィーン歴史地区 | 2001年 | 2017年 | 都市開発によって景観が損なわれる恐れ | ||
パレスチナ | ヘブロン(アル=ハリール)旧市街 | 2017年 | 周辺情勢 | |||
ケニア | トゥルカナ湖国立公園群 | 自然 | 1997年 | 2018年 | ダム建設による環境の悪化 | |
メキシコ | カリフォルニア湾の島々と自然保護区群 | 2005年 | 2019年 | コガシラネズミイルカ絶滅の恐れ | ||
ルーマニア | ロシア・モンタナの鉱山景観 | 文化 | 2021年 | 採掘をめぐって投資紛争解決国際センターで係争中。 | ||
イエメン | マアリブの古代サバア王国記念建造物群 | 2023年 | イエメン内戦_による環境悪化。 | |||
レバノン | トリポリのラシード・カラーミー国際見本市 | 保全環境の悪化と周辺開発の可能性による潜在的危機。 | ||||
ウクライナ | オデーサ歴史地区 | ロシアによる軍事侵攻 | ||||
キエフの聖ソフィア大聖堂と関連する修道院群及びキエフ・ペチェールシク大修道院 | 1990年 | 2023年 | ||||
リヴィウ歴史地区群 | 1998年 | |||||
パレスチナ | 聖ヒラリオン修道院 / テル・ウンム・アメル | 2024年 | 2023年パレスチナ・イスラエル戦争 |
関連項目
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 「エルサレム(ヨルダンによる申請)」は、この32か国に含まれない。
- ^ Centre, UNESCO World Heritage. “UNESCO World Heritage Centre - World Heritage List” (英語). UNESCO World Heritage Centre. 2024年7月28日閲覧。
参考文献
[編集]- 日本ユネスコ協会連盟『世界遺産年報2014』朝日新聞出版