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全国高等学校女子硬式野球選手権大会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
全国高等学校女子硬式野球選手権大会
今シーズンの大会:
第28回全国高等学校女子硬式野球選手権大会
決勝のみ 使用される阪神甲子園球場
開始年 1997年(平成9年)
主催 全国高等学校女子硬式野球連盟丹波市
スポンサー 興和日本コカ・コーラミズノほか(2024年)
開催国 日本の旗 日本
チーム数 61(2024年)チーム
前回優勝 神戸弘陵(4回目・2024年)
最多優勝 埼玉栄高校(7回)
公式サイト
大会サイト
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使用球場の1つであるスポーツピアいちじま

全国高等学校女子硬式野球選手権大会(ぜんこくこうとうがっこうじょしこうしきやきゅうせんしゅけんたいかい)は、全国高等学校女子硬式野球連盟兵庫県内で毎年7月下旬から8月初旬にかけて開催している女子硬式野球の大会。ベスト4以上のチームには全日本女子硬式野球選手権大会への出場権が与えられる。

全国高等学校女子硬式野球選抜大会(毎年3月から4月に開催)・全国高等学校女子硬式野球ユース大会(毎年8月下旬に開催)と並ぶ全国大会[1]である。

概要

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運営団体

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詳細は各年別ページを参照

使用球場

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会場は数回にわたる変遷を経て、2016年の第20回大会からつかさグループいちじま球場(兵庫県丹波市)を主に使用。2021年の第25回大会からは、男子硬式高校野球の全国大会でも使用する阪神甲子園球場で決勝を開催している[2]2023年の第27回大会からは、1・2回戦の一部で兵庫県立淡路佐野運動公園第1・第2野球場を使用することに伴って、球場の所在する兵庫県淡路市が共催団体に加わっている。

  • 兵庫・阪神甲子園球場(第25回 - 、決勝のみ使用)
  • 兵庫・つかさグループいちじま球場(第8回 - 第18回、第20回 - )
    • 第24回までは全試合を開催していたが、第25回以降は1回戦から準決勝まで使用。第27回からは、運営上「丹波会場の1つ」と位置付けられている。
  • 兵庫・ブルーベリースタジアム丹波(第19回、第25回 - )
    • 第19回では全試合、第25回以降は1・2回戦の一部で使用。第27回からは、運営上「丹波会場の1つ」と位置付けられている。
  • 兵庫・兵庫県立淡路佐野運動公園第1・第2野球場(第27回 - )
    • 1・2回戦の一部で使用。運営上は「淡路会場」という位置付けで、開会式も「丹波会場」(いちじま球場)と別に第1野球場で組まれている。
過去

主な大会規定

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  • 試合では、ミズノ製の硬球[3]金属バットを使用する。
  • 選手の出場登録(ベンチ入り)については、1チームにつき25名まで可能。登録された選手は、1 - 99から1つの番号を、「背番号」としてユニフォームに使用できる[3]
  • 指名打者(DH)制度を、全試合で採用。ただし、DHの使用の有無は対戦校の判断に委ねられていて、試合中にDHを解除することも認めている[3]
  • 試合は7イニング制で、5回裏を終了した時点で「試合成立」とみなす。
  • 続行が不可能な事態(大雨など)によって、5回裏を終了するまでに球審からノーゲームを宣告された試合については、継続試合扱いで翌日以降の第1試合に組み込む。
  • 準々決勝までの試合において、6回表以降のイニングで7点以上の差が付いている場合には、「点差コールド」として当該イニングで試合を打ち切る[3]
  • 準々決勝までの試合において、7回裏の終了時点で決着が付かない場合には、無死1・2塁からのタイブレークを8回表以降の攻撃に適用する。準決勝・決勝では、9回裏まで延長戦を実施。9回裏の終了時点で同点の場合に限って、10回表からタイブレークへ移行する[3]

この他にも、試合中の場内アナウンスでスターティングメンバー・次の打順の選手・交代選手の名前を紹介する場合には、「選手の苗字(同姓の選手が同じチームにいる場合には姓名)+さん」という呼称を使用[4]。試合によっては、女子の国際大会や男子の地方大会に参加した経験を持つ女性審判が、球審や塁審を務めることがある[5]

歴史

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社会人野球でのプレー経験がある四津浩平(よつ こうへい)は、首都圏の大学で女子軟式野球部を指導していた時期(1990年代中盤)に本業(古美術商としての仕事)で中華人民共和国(中国)を訪れた際に、現地の女子硬式野球関係者から「野球を通じた女子中高生による日中交流」について相談を受けた。この相談がきっかけで、1995年8月東京都・福生市営球場において、日本(東京都)と中国(北京市)のチームによる「日中対抗中高女子硬式野球大会」が日本国内で初めて開催された[6]。中国側は当初から硬式野球での交流を望んでいたが、当時の日本では女子で野球のプレーを経験している中学・高校生がまだ少なかったため、日本側のチーム編成に当たっては東京都内の高校(2校)のソフトボール部に協力を依頼したという[7]

日中対抗中高女子硬式野球大会は翌1996年に、大韓民国にある高校のチームを加えた3カ国・4チームによる対抗戦へ発展。四津は、以上の経験を踏まえて、女子の硬式野球部がある日本国内の高校を対象に1997年から本大会を開始した。ちなみに、第1回大会には、東京都・兵庫県・埼玉県から5校が参加。四津は、「女子の野球選手にプレーの場を用意してあげたい」との一心で、女子野球を日本に普及させるべく「家(一戸建て家屋)が2軒建つほどの私財を投じた」とされている[7]

もっとも、日本の高校野球を統括している日本高等学校野球連盟(日本高野連)では、女子学生に対する危険を防ぐ観点から、女子学生が連盟主催の硬式野球大会(全国高等学校野球選手権大会選抜高等学校野球大会)や全国高等学校軟式野球選手権大会へ男子学生と一緒に参加することを規定で認めていない。これに対して、四津は1998年に、当大会の主催団体として全国高等学校女子硬式野球連盟を発足。2000年から男子と同様に春の選抜大会(全国高等学校女子硬式野球選抜大会)を主催していることもあって、本大会への参加校は徐々に増加している[7]

本大会の会場については、第1回から第6回(2002年)まで東京都内、第7回(2003年)のみ埼玉県内、第8回(2004年)から兵庫県内の球場を使用(詳細前述)。選抜大会に続いてスポーツピアいちじま(現在のつかさグループいちじま球場)の使用を開始した第8回からは、地元の自治体(市島町丹波市)も主催団体に名を連ねている[7]。ただし、年頭から新型コロナウイルスへの感染が拡大している2020年には、選抜大会・日本高野連主催の上記大会と合わせて中止を余儀なくされた。

参加校が40校にまで増えた第25回(2021年)には、1回戦から準決勝までを丹波市内の球場(春日スタジアム<現在のブルーベリースタジアム丹波>とスポーツピアいちじま)、決勝のみ同じ兵庫県内(西宮市)の阪神甲子園球場で開催。この年には阪神タイガース(甲子園球場を本拠地として使用するNPBセントラル・リーグの加盟球団)が阪神タイガース Women(女子硬式野球のクラブチーム)を創設しているが、同球場が(プロ・クラブ・社会人チームを含めた)女子野球の公式戦に使用された事例は、本大会の第25回決勝が初めてである[注釈 1]

2022年の大会では、auじぶん銀行の特別協賛[10]を受けていたため、「全国高等学校女子硬式野球選手権大会 supported by auじぶん銀行」として開催された[11]。この大会では出場校が49校にまで達したほか、1回戦から準決勝まで丹波市内の上記球場を使用。丹波市は大会の開幕を前に、全日本女子野球連盟から全国12ヶ所目の「女子野球タウン」に認定された[12]。決勝については8月2日に甲子園球場で開催[13]。開催に際しては、同球場を使用する決勝では初めて一般客の入場を認めるとともに、全席指定方式で入場券を初めて販売した[11]

2023年の第27回大会は、興和(KOWA)からの特別協賛を受けていたため、「全国高等学校女子硬式野球選手権大会 supported by au KOWA」という名称で開催。出場校は58チーム(57校と連合1チーム)で、「決勝トーナメント」(準々決勝と準決勝)を丹波市内の球場、決勝を8月1日に甲子園球場で実施した。その一方で、「予選トーナメント」(1・2回戦)では丹波市内の球場に加えて、兵庫県淡路市内の兵庫県立淡路佐野運動公園第1・第2野球場を初めて使用した[14]。ちなみに淡路市では、兵庫ディオーネ(かつて日本女子プロ野球機構に参加していたチーム)が2015 - 2017年シーズンに淡路佐野運動公園第1野球場を本拠地に使用するなど女子野球との縁が深く、2021年には丹波市に先んじて「女子野球タウン」の認定を受けている。

2024年の第28回大会では、企業・団体からの「特別協賛」が見送られたため、前述した第25回大会以来3年振りに(特別協賛団体と関連する名称が入らない)「全国高等学校女子硬式野球選手権大会」として開催。出場校は過去最多の61チーム(60校と連合1チーム)で、前年の第27回大会に続いて、丹波・淡路両市内の4球場を「予選トーナメント」、丹波市内の2球場を「決勝トーナメント」に使用している。決勝については、この年の8月1日に開場から100周年を迎えたばかりの甲子園球場で、第106回全国高等学校野球選手権大会開幕前週(同月3日)の午後に開催。

歴代優勝校

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開催年 出場数 優勝校 結果 準優勝校 備考
1 1997年 5 夙川学院(兵庫) 駒沢学園女子(東京) 5チーム総当たりのリーグ戦方式で開催されたため
全試合での得失点差を基に順位を決定
2 1998年 8 習志野(千葉) 9 - 7 神村学園(鹿児島) この大会からトーナメント制に移行
3 1999年 9 神村学園(鹿児島) 13 - 60 浜名(静岡)
4 2000年 10 神村学園(鹿児島) 7 - 4 蒲田女子(東京)
5 2001年 12 神村学園(鹿児島) 18 - 10 蒲田女子(東京) 大会3連覇
6 2002年 13 埼玉栄(埼玉) 11 - 7 駒沢学園女子(東京)
7 2003年 8 神村学園(鹿児島) 7 - 2 埼玉栄(埼玉)
8 2004年 10 神村学園(鹿児島) 3 - 1 埼玉栄(埼玉)
9 2005年 8 神村学園(鹿児島) 3 - 2 埼玉栄(埼玉) 大会3連覇
10 2006年 12 埼玉栄(埼玉) 2 - 0 花咲徳栄(埼玉)
11 2007年 6 埼玉栄(埼玉) 3 - 2 花咲徳栄(埼玉) 大会2連覇
12 2008年 4 駒沢学園女子(東京) 2 - 1 花咲徳栄(埼玉)
13 2009年 4 花咲徳栄(埼玉) 5 - 2 埼玉栄(埼玉)
14 2010年 4 駒沢学園女子(東京) 3 - 1 花咲徳栄(埼玉)
15 2011年 4 埼玉栄(埼玉) 5 - 4 花咲徳栄(埼玉)
16 2012年 4 花咲徳栄(埼玉) 5 - 2 埼玉栄(埼玉)
17 2013年 16 埼玉栄(埼玉) 8 - 3 蒲田女子(東京)
18 2014年 19 福知山成美(京都) 3 - 0 花咲徳栄(埼玉)
19 2015年 20 埼玉栄(埼玉) 1 - 0 駒沢学園女子(東京)
20 2016年 24 神戸弘陵(兵庫) 12 - 10 神村学園(鹿児島)
21 2017年 26 埼玉栄(埼玉) 1 - 0 履正社(大阪)
22 2018年 28 京都両洋(京都) 5 - 0 横浜隼人(神奈川)
23 2019年 31 作新学院(栃木) 4 - 3 履正社(大阪)
24 2020年 新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止
25 2021年 40 神戸弘陵(兵庫) 4 - 0 高知中央(高知) 阪神甲子園球場を決勝に初めて使用
26 2022年 49 横浜隼人(神奈川) 4 - 3 開志学園(新潟) 延長10回(タイブレーク)で決着
甲子園球場を使用する決勝では初めて
女性が監督を務める出場校が(両校とも)進出
27 2023年 58 神戸弘陵(兵庫) 8 - 1 岐阜第一(岐阜) 決勝は台覧試合[15]
2022年ユース大会・2023年選抜大会優勝校の神戸弘陵が
女子高校硬式野球史上初の「年間三冠」を達成[1]
28 2024年 61 神戸弘陵(兵庫) 3 - 0 花巻東(岩手) 2024年春の選抜大会を制していた神戸弘陵が
全試合を無失点・無失策で凌いだ末に
女子高校硬式野球史上初の2年連続春夏連覇を達成[16]

出場校

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(2023年大会終了時点で)現在出場していない高校
出場校 都道府県 優勝 準優勝 備考 初出年 最終年
いしのまきしりつじょし石巻市立女子 04宮城県 0回 0回 1999 2004
せんだいじょししょうぎょう仙台女子商業 04宮城県 0回 0回 2006 2006
いばらきけんりつみとしょうぎょう県立水戸商業 08茨城県 0回 0回 1998 2001
ときわだいがくこう常磐大高 08茨城県 0回 0回 2002 2006
うつのみやぶんせいじょし宇都宮文星女子 09栃木県 0回 0回 2002 2002
さいたまけんりつまつぶし県立松伏 11埼玉県 0回 0回 2003 2003
ちばけんりつちばしょうぎょう県立千葉商業 12千葉県 0回 0回 2001 2004
ならしのしりつならしの市立習志野 12千葉県 1回 0回 1998 1999
とうきょうとりつかがくぎじゅつ都立科学技術 13東京都 0回 0回 2001 2001
とうきょうとりつきりがおか都立桐ケ丘 13東京都 0回 0回 2002 2002
とうきょうとりつしょうわ都立昭和 13東京都 0回 0回 2000 2001
ひろおがくえんこいしがわ広尾学園小石川 13東京都 0回 0回 旧:村田 2013 2022
にいがたけんりつながおかしょうぎょう県立長岡商業 15新潟県 0回 0回 2002 2002
たかおかだいいち高岡第一 16富山県 0回 0回 1998 1998
はまな浜名 22静岡県 0回 1回 1999 2003
ふくちやまじょし福知山女子 26京都府 0回 0回 2004 2006
おおさかふりつやおみなみ府立八尾南 27大阪府 0回 0回 2001 2001
しゅくがわがくいん夙川学院 28兵庫県 1回 0回 1997 2002
ひょうごけんりつささやまさんぎょう県立篠山産業 28兵庫県 0回 0回 2004 2004
ひょうごけんりつささやまほうめい県立篠山鳳鳴 28兵庫県 0回 0回 2000 2000
わかやまなんりょう国際開洋第二 30和歌山県 0回 0回 2011 2011
やまぐちけんりつほうふ県立防府 35山口県 0回 0回 2006 2006
さがけんりつさがひがし県立佐賀東 41佐賀県 0回 0回 2002 2002

インターネット向けの試合中継

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バーチャル高校野球」(朝日新聞社朝日放送テレビ・株式会社運動通信社が共同で運営する高校野球関連のポータルサイト)では、2019年の第23回大会から、準々決勝以降の7試合を対象に、中継動画のライブ配信とダイジェスト動画の配信を実施[17]。配信対象の試合を年々拡大した結果、2023年(第27回大会)の時点で全試合の配信に至っている[18]

また、スポーツナビ内にも大会の速報ページを設置。出場校に関する情報や、試合に出場した選手の成績などを掲載しているほか、「バーチャル高校野球」(女子版)の映像などを配信している。

テレビでの放送

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朝日放送テレビ(ABC)が2021年の第25回大会から、決勝の中継映像を制作したうえで、基本として関西ローカル向けに放送。本大会の決勝と予備日が男子大会(全国高等学校野球選手権大会)の開幕前に組まれるようになった2022年以降は、「バーチャル高校野球」での動画ライブ配信と並行しながら、生中継を実施している[19]

テレビ放送では、ABC(またはグループ会社所属)のスポーツアナウンサーによる実況付きの中継映像を「バーチャル高校野球」と共用。決勝、優勝監督・活躍選手のインタビュー、閉会式が生中継の放送枠内で収まらない場合には、放送の終了直後から閉会式が終了するまで、「バーチャル高校野球」単独でのライブ配信で対応している。

朝日放送グループが運営するスカイACS放送ケーブルテレビ局向けのスポーツ専門チャンネル)では、「バーチャル高校野球」からの配信動画をベースに、第25回大会から決勝と閉会式のダイジェスト番組を制作。決勝が開催された月内(基本として8月中)に、この番組を日本全国へ向けて放送している[20]。ただし、放送の日時は開催年によって異なる。

ABCがテレビ朝日と共同で制作する『熱闘甲子園』(本来は男子全国大会のダイジェスト番組)では、決勝のダイジェストを兼ねた本大会の特集企画を、2021年から男子大会の試合日程に応じて1回ずつ放送[21]。同年には日本放送協会(NHK)でも、第25回大会全体のダイジェスト番組である『甲子園で輝きたい~女子高校球児の夏~』を、決勝の翌月(9月12日)にBS1の『BS1スペシャル』(単発特別番組枠)で放送した[22]

決勝の中継・ダイジェスト番組の放送(2021年以降)

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当初は、2021年からの生中継を予定[23]。この年には、本大会の決勝が男子大会(第103回全国高等学校野球選手権大会)終盤の休養日(8月22日=日曜日の14:00以降)に組み込まれていた。しかし、男子大会で試合の雨天順延が序盤から相次いだ影響で、本大会の決勝の開催日時を翌23日(月曜日)の夕方(17:00以降)に急遽変更。結局、ABCでは編成上の事情から生中継を見送るとともに、録画ダイジェストの時差(深夜)放送で対応した[24]。この放送では、当初予定されていた生中継と同じく、北條瑛祐(男子大会の中継にも出演しているABCのスポーツアナウンサー)が実況を担当。また、片岡安祐美茨城ゴールデンゴールズ監督)と上田怜(京都両洋高校女子硬式野球部監督)をゲストに迎えていた。

2022年には、第26回大会の決勝(開志学園対横浜隼人)が8月2日(火曜日)の夕方(16:00以降)に組まれたことを受けて、ABCが新潟テレビ21(開志学園の地元・新潟県内のテレビ朝日系列局)との2局ネットで『まもなく女子野球決勝』(15:50 - 15:55)の生放送と決勝の生中継を実施。前年に続いて北條が実況を任されたほか、『熱闘甲子園』のキャスターを経て前年(2021年)まで北海道日本ハムファイターズの一軍監督を務めていた栗山英樹(当時は野球日本代表トップチームの監督)[25]小久保志乃岐阜第一高等学校女子硬式野球部監督で元・女子プロ野球選手)がゲストで出演した。テレビ放送では決勝の途中(17:46)で中継を終えたため、17:47以降は「バーチャル高校野球」のライブ配信で決勝と閉会式の模様を伝えていたほか、スカイ・Aでは決勝・閉会式のダイジェスト番組を同月29日(月曜日)の14:00 - 17:00に放送。『熱闘甲子園』では、この年から「バーチャル高校野球」のフィールドディレクターに就任した斎藤佑樹(8月10日放送分の「スペシャルゲスト」)が両校を取材した特集を、決勝のダイジェストと合わせて同日に組み込んだ。

2023年には、第27回大会の決勝(神戸弘陵対岐阜第一)が8月1日(火曜日)の夕方(15:30以降)に組まれたことを受けて、ABCが『まもなく女子野球決勝』(15:25 - 15:30)と決勝のテレビ中継を関西ローカル向けに放送。実況は山下剛(北條の先輩アナウンサー)で、栗山に加えて、野球日本代表・女子トップチーム監督の中島梨紗をゲストに迎えた。テレビ放送では、栗山が創部に携わった北海道栗山高等学校女子硬式野球部[26]に関するミニ特集を、5回裏の終了後(この大会から熱中症対策の一環で導入された「クーリングタイム」)に挿入。ABCでは前年に続いて中継の放送枠を最大で17:46まで設定していたが、決勝の終了直後に中継枠を完全に消化したため、優勝監督・活躍選手のインタビューと閉会式については「バーチャル高校野球」からのライブ配信で対応した。この年から斎藤がキャスター陣に加わった『熱闘甲子園』では、栗山を「スペシャルゲスト」に迎えていた8月10日(木曜日)放送分で、決勝のダイジェストに優勝校(神戸弘陵選手)からのコメント(未公開映像)を添えた特集を編成。スカイ・Aでは、決勝・閉会式のダイジェスト番組を、同月4日(金曜日)の14:30 - 17:00に放送している。

2024年には、第28回大会の決勝(神戸弘陵対花巻東)が8月3日(土曜日)の午後(14:30以降)に組まれたことを受けて、ABCが岩手朝日テレビ(花巻東高校の地元・岩手県内のテレビ朝日系列局)との2局ネットで14:30 - 16:30に決勝のテレビ中継を放送。朝日放送グループのプロ野球(NPB)・男子大会中継にも2021年から出演している寺田健人(グループ会社のベスティに所属するスポーツアナウンサー)が実況を担当したほか、『熱闘甲子園』キャスターの古田敦也(元・ヤクルトスワローズ捕手および監督)と田村知佳(第26回大会で優勝した横浜隼人高校の女子硬式野球部監督)をゲストに迎えた。実際には、上記の中継枠を試合終了の直後(優勝校の神戸弘陵ナインによる校歌の斉唱中)に消化したため、優勝校の活躍選手に対するインタビューと閉会式の中継を「バーチャル高校野球」からのライブ配信だけで賄った。『熱闘甲子園』では、ヒロド歩美キャスターが閉会式後に神戸弘陵学園の宿舎を取材した映像を、決勝のダイジェストに織り交ぜた特集を8月8日(木曜日)放送分に編成。スカイ・Aでは、決勝・閉会式のダイジェスト番組を、同月26日(月曜日)の14:00 - 17:00に放送することを予定している。

関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ 阪神タイガース Womenはこの時点で公式戦(関西女子硬式野球選手権大会と全日本女子硬式野球選手権大会の関西予選・本選)に臨んでいたが、いずれも甲子園以外の球場で催されていた。練習試合では2022年7月9日に甲子園球場を初めて使用したものの、2021年から活動を無期限で休止している日本女子プロ野球機構では、活動期間中にリーグ戦を同球場で開催していなかった。なお、阪神タイガース Womenでは、第26回大会から決勝と閉会式の開催に協力[8]。所属選手の一部が、始球式での捕手[9]や、優勝・準優勝校のベンチ入り選手全員に対する記念メダル授与といった役割を担っている。

出典

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  1. ^ a b 神戸弘陵、2年ぶり3度目の優勝 〝聖地〟でユース大会、選抜大会に続く史上初3冠を達成”. サンケイスポーツ (2023年8月1日). 2023年8月1日閲覧。
  2. ^ 第25回全国高等学校女子硬式野球選手権大会 決勝戦を阪神甲子園球場で開催(一般社団法人全国高等学校女子硬式野球連盟)
  3. ^ a b c d e 全国高等学校女子硬式野球選手権大会特別規則”. 全国高等学校女子硬式野球連盟. 2023年8月1日閲覧。
  4. ^ 歴史的一戦のアナウンスは「さん」付けで 女子の高校野球決勝が甲子園でスタート”. FullCount (2021年8月23日). 2021年8月24日閲覧。
  5. ^ “女子野球決勝、審判は「ダブル・カナ」 初の甲子園開催”. 朝日新聞デジタル. (2021年8月23日). https://www.asahi.com/articles/ASP8R5J2XP8RULZU00D.html 2021年8月24日閲覧。 
  6. ^ niccyuu - がんばれ!女子野球”. girls-bb.com. 2022年11月22日閲覧。
  7. ^ a b c d 投じた私財は家2軒分 「女子硬式野球の父」の夢が実現”. 朝日新聞デジタル (2021年8月24日). 2021年8月24日閲覧。
  8. ^ 第26回大会の閉会式直後にクラブのtwitter公式アカウントから発信されたツイート
  9. ^ 高校野球女子決勝の始球式は“女子野球の母”蘇武秀子さん”. スポーツニッポン (2022年8月2日). 2022年8月6日閲覧。
  10. ^ 第26回全国高等学校女子硬式野球選手権大会史上最多49チーム参加 組合せ決定!~auじぶん銀行株式会社が大会特別協賛に決定~』(プレスリリース)2022年7月21日https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000326.000026860.html2022年6月3日閲覧 
  11. ^ a b “「8・2」甲子園開催の女子高校野球決勝チケットを7月20日から販売”. デイリースポーツ. (2022年7月13日). https://www.daily.co.jp/baseball/2022/07/13/0015466327.shtml 2022年7月21日閲覧。 
  12. ^ “女子高校野球の聖地に 丹波市、女子野球連盟がタウン認定”. 毎日新聞. (2022年7月22日). https://mainichi.jp/articles/20220722/ddl/k28/050/364000c 2022年7月22日閲覧。 
  13. ^ “女子高校野球選手権大会の決勝、初開催の昨年に続き甲子園で 準決勝までは例年通り兵庫県丹波市”. 日刊スポーツ. (2022年4月26日). https://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/202204260000688.html 2022年4月26日閲覧。 
  14. ^ “【女子野球】今年も甲子園で高校決勝、新たに淡路でも予選開催”. スポーツ報知. (2023年5月12日). https://hochi.news/articles/20230511-OHT1T51111.html?page=1 2023年5月12日閲覧。 
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  16. ^ “神戸弘陵が優勝、2年連続4度目 花巻東を破る 女子高校野球”. 朝日新聞. (2024年8月3日). https://digital.asahi.com/articles/ASS832FGYS83PTQP00RM.html 2024年8月3日閲覧。 
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外部リンク

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