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羽根直樹

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 羽根 直樹 九段
名前 羽根 直樹
生年月日 (1976-08-14) 1976年8月14日(48歳)
プロ入り年 1991年
出身地 三重県
所属 日本棋院中部総本部
師匠 羽根泰正
段位 九段
概要
タイトル獲得合計 26(地方棋戦含む)
七大タイトル
棋聖 2期 (2004-05)
名人 挑戦者 (2012)
本因坊 2期 (2008-09)
王座 挑戦者 (2011)
天元 3期 (2001-03)
碁聖 2期 (2011、2019)
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羽根 直樹(はね なおき、1976年8月14日 - )は囲碁プロ棋士日本棋院中部総本部所属。三重県志摩市磯部町出身。A型。七大タイトル獲得は9期。

棋聖2連覇、本因坊2連覇、天元位3連覇などの実績を持ち、中部総本部初の三大タイトル獲得者となった。

張栩山下敬吾高尾紳路らとともに「平成四天王」と称される。また棋士一家としても有名で、史上唯一七大タイトルを親子で獲得している[注 1]

現在は父・泰正(後述)と同じ、愛知県長久手市在住[1]

人物

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王座羽根泰正の次男として生まれる。七大タイトルでの親子タイトルホルダーは史上唯一[注 1]。父・羽根泰正の指導の下に幼少の頃より棋士を志し、1991年に15歳で入段し2002年に九段(入段から11年3ヶ月で九段到達は当時の日本棋院最短記録)。

棋風は腹八分目というように無理をせずに進むべきときは進み、退く時は退くのが特徴。しかし2003年末の天元戦の頃から棋風が積極的な攻撃碁に変化してきた。

妻は羽根しげ子初段、2019年4月に入段した羽根彩夏は娘。泰正九段とあわせて三代の現役棋士となる。

父、母、妻とともに名古屋市内で囲碁教室を開いている。

来歴

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1991年 15歳のときに入段。1995年 新鋭トーナメント戦優勝。1999年 王冠戦優勝。

2000年 第25期名人戦リーグ入り(〜26期)。第56期本因坊戦リーグ入り(〜57期)。

2001年 第26期棋聖戦リーグ入り(〜現在)。柳時熏を破り、天元位を奪取。最多対局賞・最多勝利賞(88局63勝25敗)

2002年 11年3ヶ月で九段到達。王冠位奪取、以後三連覇。天元防衛。日中天元戦で黄奕中天元破る。

2003年 天元防衛。第4期春蘭杯世界囲碁選手権戦では李昌鎬に敗れ準優勝。

2004年 山下敬吾を破り、棋聖を奪取。二冠となる。七番勝負で○○○●●●○という経過での勝利は史上初。阿含桐山杯優勝。賞金ランキングで自己最高の2位。

2005年 結城聡を4-3の逆転で降し、棋聖防衛。第61期本因坊リーグ入り(〜67期)し、プレーオフ進出。賞金ランキング2年連続2位。

2006年 棋聖戦で山下敬吾に4連敗を喫し無冠に。NHK杯優勝。2007年 王冠位奪取。

2008年 本因坊戦で高尾紳路に3連敗後4連勝し、本因坊を奪取。七番勝負での3連敗4連勝は史上6例目、林海峰趙治勲に次ぎ3人目。王冠位防衛。第1回ワールドマインドスポーツゲームズ囲碁男子団体戦に依田紀基、山下敬吾、河野臨、高尾紳路と日本代表チームを組み出場、銅メダルを獲得[2]

2009年 NECカップ優勝。高尾挑戦者を迎え、本因坊位防衛。阿含桐山杯優勝。賞金ランキングで4年ぶりに2位。

2010年 本因坊戦で山下敬吾挑戦者に1-4で敗れ、無冠に。10期ぶりに名人リーグに復帰し、3大リーグすべてに在籍。

2011年 第66期本因坊リーグで6勝1敗の成績を挙げ挑戦権を獲得。前年のリターンマッチとなった七番勝負では山下敬吾に3勝4敗で敗れた。第36期名人戦リーグでは6勝2敗の成績を収め、プレーオフに進出するも山下敬吾に敗退。第36期碁聖戦では準決勝で二十五世本因坊治勲、挑戦者決定戦で林子淵七段を破り挑戦者となる。坂井秀至碁聖を2連敗3連勝で降し初の碁聖位を奪取。第59期王座戦では挑戦者決定戦で、井山裕太を下し挑戦権を獲得。史上初の親子王座がかかるが、0-3で敗れ2冠ならず。

2012年 第37期名人戦リーグにおいてプレーオフに進出し、井山裕太を破り初の挑戦権獲得。七番勝負では山下敬吾に3勝4敗で敗れた。

2016年 7月21日、通算900勝達成(452敗)。日本棋院史上24人目の達成。入段から25年3ヶ月での900勝達成となり史上3位。39歳11ヶ月での達成となり史上4番目の年少記録。達成時勝率.666となり史上12位[3]。9月5日、第72期本因坊戦最終予選で村川大介八段に勝利し5年ぶりにリーグに復帰[4]

2017年 第72期本因坊リーグで2位となる[4]

2019年 通算1000勝達成。日本棋院史上史上27人目の達成。入段から28年6か月、43歳2ヶ月での達成。達成時勝率.658。碁聖戦トーナメントを勝ち上がり、許家元碁聖に挑戦。3-2で勝利し、8年ぶりに碁聖位に復帰した。

2020年 碁聖戦で一力遼の挑戦を受け、0-3で敗退。碁聖位を譲る。

2022-23年、第47期棋聖戦Aリーグで3勝4敗の7位で降格[5]

棋戦決勝進出結果

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棋戦
三大タイトル
他七大タイトル
国際タイトル
他大会
棋戦 期・回 対局日 相手
優勝 1 新鋭トーナメント戦 26期 1996年 三村智保七段 1-0
奪取 2 天元戦 27期 2001年12月 柳時熏天元 3-1
防衛 3 天元戦 28期 2002年11月 趙善津九段 3-0
防衛 4 天元戦 29期 2003年12月 山下敬吾棋聖 3-2
奪取 5 棋聖戦 28期 2004年3月 山下敬吾棋聖 4-3
優勝 6 阿含桐山杯 11期 2004年10月 小林光一九段 1-0
防衛 7 棋聖戦 29期 2005年3月 結城聡九段 4-3
優勝 8 NHK杯 53期 2006年3月 今村俊也九段 1-0
奪取 9 本因坊戦 63期 2008年7月 本因坊秀紳 4-3
優勝 10 NECカップ 28期 2009年3月 張栩九段 1-0
防衛 11 本因坊戦 64期 2009年7月 高尾紳路九段 4-2
優勝 12 阿含桐山杯 16期 2009年10月 張栩九段 1-0
奪取 13 碁聖戦 36期 2011年8月 坂井秀至碁聖 3-2
奪取 14 碁聖戦 45期 2019年8月 許家元碁聖 3-2

中部総本部限定棋戦

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棋戦 期・回 対局日 相手
優勝 1 王冠戦 40期 1999年10月 中野寛也王冠
優勝 2 王冠戦 43期 2002年11月 山城宏王冠
防衛 3 王冠戦 44期 2003年11月 彦坂直人九段
防衛 4 王冠戦 45期 2004年11月 山城宏九段
優勝 5 王冠戦 48期 2007年11月 松岡秀樹王冠
防衛 6 王冠戦 49期 2008年11月 山城宏九段
防衛 7 王冠戦 50期 2009年11月 山城宏九段
優勝 8 王冠戦 52期 2011年11月 山城宏王冠
防衛 9 王冠戦 53期 2012年11月 中野寛也九段
防衛 10 王冠戦 54期 2013年11月 中野寛也九段
防衛 11 王冠戦 55期 2014年11月 山城宏九段
防衛 12 王冠戦 56期 2015年12月 小県真樹九段

タイトル

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七大タイトル

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色付きは現在在位。

他の棋士との比較は、囲碁のタイトル在位者一覧 を参照。

タイトル 番勝負 獲得年度 登場 獲得期数 連覇
棋聖 七番勝負
1-3月
2004(第28期)-05 3 2期 2連覇
名人 七番勝負
9-11月
1
本因坊 七番勝負
5-7月
2008(第63期)-09 4 2期 2連覇
王座 五番勝負
10-12月
1
天元 五番勝負
10-12月
2001(第27期)-03 4 3期 3連覇
歴代3位タイ
碁聖 五番勝負
6-8月
2011(第36期)、19 4 2期
十段 五番勝負
3-4月
登場回数合計17回、獲得合計9期、
3大タイトル獲得数合計4期

棋戦

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主要な良績

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表彰

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  • 2008年8月28日 志摩市名誉市民
  • 2009年1月7日 愛知県長久手町「町民栄誉賞」

家族

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妻は羽根しげ子(旧姓松岡)初段。義兄に松岡秀樹。羽根彩夏初段は次女。

夫人との間に3女、1男。4人も囲碁を嗜み。2011年、長女・彩夏・三女(彩夏とは双子)が「第8回文部科学大臣杯小学校囲碁団体戦」出場、岡田伸一郎と岡田結美子の長女・次女・長男と対戦し、囲碁一家の三世対決として注目を集めた。結果は、羽根家チームが岡田家チームに敗れている[6]。2014年、彩夏・三女・長男で第11回小・中学校囲碁団体戦全国優勝を果たしている[7][8]

著作

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打碁集
  • 『羽根直樹―打碁鑑賞シリーズ〈9〉 (囲碁文庫)』日本棋院 2004年
  • 『第二十八期棋聖決定七番勝負 激闘譜―山下敬吾vs.羽根直樹』読売新聞社 2004年
  • 『第二十九期棋聖決定七番勝負 激闘譜―羽根直樹vs.結城聡』読売新聞社 2005年
  • 『第三十期棋聖決定七番勝負 激闘譜-羽根直樹vs.山下敬吾』読売新聞社 2006年
  • 『世界一わかりやすい打碁シリーズ 羽根直樹の碁 』マイコミ 2010年
  • 『中京の父子鷹 打碁集〈下巻〉羽根直樹』木本書店 2010年
教則本
  • 『厚い碁の作り方 (碁の心発見シリーズ) 』日本棋院 2002年
  • 『囲碁 一手の基本詰碁 初段・1級 (ポケット版・囲碁シリーズ) 』成美堂出版 2002年
  • 『囲碁 一手の手筋 初段・1級 (ポケット版・囲碁シリーズ) 』成美堂出版 2002年
  • 『羽根ファミリーの囲碁強化合宿』(共著)誠文堂新光社 2003年
  • 『初段をめざす囲碁―手筋・定石がわかる 』(監修)成美堂出版 2003年
  • 『囲碁 みんなの詰碁―9級から1級 』成美堂出版 2004年
  • 『囲碁 戦いの最強手筋 初段・二段・三段―攻撃の手筋からサバキ、シノギの手筋まで105題』成美堂出版 2004年
  • 本手の打ち方が分かる本 (マイコミ囲碁ブックス) 』2007年
  • 『マイコミ囲碁ブックス 戦わずして勝つ方法 ~羽根流布石理論~ 』2009年
その他
  • 上村邦夫『新四天王(山下敬吾・張栩・羽根直樹・高尾紳路)のここが強い』誠文堂新光社 2006年

年表

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  • タイトル戦の欄の氏名は対戦相手。うち、色付きのマス目は獲得(奪取または防衛)。青色は挑戦者または失冠。黄色はリーグ入り。
  • 棋道賞は、 : 最優秀棋士賞、 優 : 優秀棋士賞、 特別 : 特別賞、
    率 : 勝率一位賞、 勝 : 最多勝利賞、 対 : 最多対局賞、 連 : 連勝賞、
    国際 : 国際賞、 新人 : 新人賞、 哉 : 秀哉賞
  • 賞金&対局料は、年度区切りではなく1月 - 12月の集計。単位は万円。色付きの年は全棋士中1位。
棋聖 十段 本因坊 碁聖 名人 王座 天元 棋道賞 賞金対局料 備考
棋聖戦
1-3月
十段戦
3-4月
本因坊戦
5-7月
碁聖戦
6-8月
名人戦
9-11月
王座戦
10-12月
天元戦
10-12月
1995 新人
1996
1997
1998
1999 1454 (13位)
2000 4位 1944 (11位)
2001 4位 陥落 柳時熏 優 勝 対 3567 (6位)
2002 2位 陥落 趙善津 3272 (6位)
2003 2位 山下敬吾 4120 (5位)
2004 山下敬吾 山下敬吾 6783 (2位)
2005 結城聡 5565 (2位)
2006 山下敬吾 プレーオフ 4649 (4位)
2007 1位 陥落 2027 (8位)
2008 4位 高尾紳路 4817 (3位)
2009 3位 高尾紳路 7179 (2位)
2010 3位 山下敬吾 2807 (5位)
2011 3位 山下敬吾 坂井秀至 プレーオフ 張栩 4299 (4位)
2012 3位 陥落 井山裕太 山下敬吾 3288 (5位)
2013 2位 4位 1405 (7位)
2014 4位 5位 1347 (8位)
2015 陥落 陥落 1339(10位)
2016 Aリーグ
陥落
陥落 1368(9位)
2018
2019 許家元
棋聖 十段 本因坊 碁聖 名人 王座 天元 棋道賞 賞金 備考

脚注

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注釈

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  1. ^ a b 女流タイトルを含めると、小林光一小林泉美親子がいる。

出典

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外部リンク

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