コンテンツにスキップ

花の生涯 井伊大老と桜田門

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

花の生涯 井伊大老と桜田門』(はなのしょうがい いいたいろうとさくらだもん)は, 1988年昭和63年)1月2日の午後0時から午後11時52分までテレビ東京系列で放映された12時間超ワイドドラマ(のちの新春ワイド時代劇)。

主演:北大路欣也。全6部。12時間超ワイドドラマ第8作。
主人公は幕末の大老井伊直弼。同シリーズにおいて初めて、幕末の幕府側人物を主人公に据えた作品。

概要

[編集]
  • 第一部 「埋木の章 彦根城の嵐」
  • 第二部 「黒船の章 攘夷の旋風」
  • 第三部 「開国の章 激流の女たち」
  • 第四部 「大老の章 徳川崩壊の炎」
  • 第五部 「大獄の章 倒幕の渦潮」
  • 第六部 「桜田門の章 雪に散る花」

原作舟橋聖一の小説『花の生涯』(1953年刊)。
本作が3度目のテレビドラマ化となった。

CM抜きの本編時間は9時間を超える、約545分[1]

原作はNHK大河ドラマ第1作の原作としても知られるが、1974年にもドラマ化された他、繰り返し舞台化もされるなど、根強い人気があった。

テレビドラマ版においては、再ドラマ化の際も大河ドラマ版と同じ脚本家(北条誠)だったため、本作は25年ぶりに新規脚本でのドラマ化となった。

スタッフ

[編集]

キャスト

[編集]

主題歌

[編集]

脚本・監督陣

[編集]

脚本家表記は分担執筆が多いためここに記すと、第1部:笠原・下飯坂/第2部・第3部:本田/第4部:下飯坂・志村/第5部:志村/第6部:笠原、となっていた。

監督陣に山下耕作、脚本陣に笠原和夫が同シリーズ初参加し、今回の最長パートとなった最終第6部は、数々の東映映画で組んできた2人にそれぞれ任された。山下は他に第2部も任され、作品中最長となる合計3時間以上の本編演出を担当、監督陣の中心を担った。

笠原も先述の最長第6部を単独執筆のうえ、第1部も分担執筆(下飯坂菊馬と分担)、また脚本家表記の他、「構成」の肩書(恐らくメインライター格を表す)も得ている。

監督陣・脚本陣の中心となった上記初参加2人の他は、監督陣で第1部・第5部の演出を担った大洲斉(他、第3部が原田雄一、第4部が松尾昭典)や、脚本陣では単独表記で第2部・第3部を担当して、恐らく笠原に匹敵する分量を執筆した本田英郎など、全て同シリーズ経験者で固めて、手堅く作品を支える布陣がとられていた。

放送後

[編集]

当シリーズが時代劇路線に回帰した85年から、88年の本作まで一貫して制作を手がけてきた東映では、当シリーズの正月大作としての定着・恒例化に貢献したとの自負もあったと思われるが、本作は視聴率面で、健闘とはいえない成績に終わった。

本作の質・内容については高評価も聞かれていただけに残念な結果だったが、前年度作品から既に視聴率は下降気味となっており、本作でも視聴率を上昇傾向へ移行させられなかった成績も一因となって、89年作品の制作は東映を離れ、松竹に委ねられることになった。当シリーズから一旦手を引かざるを得なくなった東映の挽回の機会は、東映に再び託された90年作品『宮本武蔵』に持ち越されることになった。

本作は全13回に再編集されて1時間ドラマ枠で再放送された。
再放送後はソフト発売もなされなかったため[2]、作品としては埋もれる形となっていたが、CS放送で再放送されるようになり、最近ではCS・時代劇専門チャンネル2023年9月〜10月に[3]再放送があった。

脚注

[編集]
  1. ^ オープニング・エンディングも除いた数字。
  2. ^ 東映は制作した「12時間超ワイドドラマ」シリーズ作品をソフト発売していない。
  3. ^ 北大路主演作を集中的に取り上げる同局企画“北大路欣也劇場”の一環として再放送。

関連項目

[編集]
テレビ東京 12時間超ワイドドラマ
前番組 番組名 次番組
花の生涯 井伊大老と桜田門
(1988年)
大忠臣蔵
(1989年)