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逆関係

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

数学における二項関係逆関係(ぎゃくかんけい、: converse relation)は、関係(のグラフ)に属する順序対の成分を逆順にして得られる関係である。例えば、「~の子である」という関係の逆関係は「~の親である」という関係である。

定義

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厳密に言えば、LX × YX から Y への関係とするとき、その逆関係 L−1

y L−1 xx L y

によって定まる関係をいう (Halmos 1975, p. 40)。これは

とも書ける。逆関係 L−1 などと書く記法は逆写像の記法の流用である。写像はその多くが逆写像を持たないのに対し、関係は必ず逆関係を持つ。 ただし、このような記法を用いているにもかかわらず、逆関係は関係の合成の意味での逆元にはなっていない、つまり一般には

であることに注意しなければならない。

逆関係は反対関係 (inverse relation) や(ダガー圏のよく知られた例として、転置行列と同様のものとして見て)(もとの関係の-)転置 (transpose) とも呼ばれ、Lc, LT, L, L˘ などとも書かれる。

性質

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通常の順序関係(狭義の順序でも半順序でもよい)の逆関係は、反対順序で与えられる。例えば

などとなる(ここでの括弧は明確化のためのもので必ずしも必要ではない)。

(inverses)

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恒等関係をとおいた時、関係に対して、関係の合成にて ならばを右側裏関係といい、 ならばを左側裏関係という。また、に右(左)側裏関係が存在するときは右(左)に可逆な関係であるという。右に可逆かつ左に可逆であれば単に可逆あるいは両側可逆という。左に可逆ならば左全域的でなければならないし、右に可逆ならば右一意的でなければならない。ただしここでは関係の合成を、写像の合成の慣例に従った順で定義しているものとする。

写像の逆関係

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写像が(写像として)可逆であるための必要十分条件は、写像の逆関係が再び写像となることである。この逆関係こそが逆写像である。

写像 f: XY の逆関係 f−1: YX

で定義される。これは必ずしも写像でなくてもよいが、f が単射であることを課さなければ f−1多価になってしまう。この条件は f−1部分写像であるためには十分であり、さらにこのとき f−1 が(全域)写像となるための必要十分条件が f全射(したがって全単射)となることであるのは明らかである。f全単射であるとき、f−1f逆写像と呼ばれる。

当然、の逆写像は との合成で恒等写像すなわち恒等関係を導くので、 を関係とみなせばはその裏関係である。

関連項目

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注釈

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参考文献

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  • Halmos, Paul R. (1974), Naive Set Theory, ISBN 978-0-387-90092-6