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Psiphon

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Psiphon
Windows 10上のPsiphonの画面 (英語版)
開発元 Psiphon, Inc., Citizen Lab
初版 2006
最新版
Windows167 / 2021年6月22日 (3年前) (2021-06-22)
Android324 / 2021年6月22日 (3年前) (2021-06-22)
iOS1.0.59 / 2021年5月21日 (3年前) (2021-05-21)
リポジトリ ウィキデータを編集
対応OS Windows, Android, iOS
サイズ
  • Windows: 5.84 MB
  • Android: 19.00 MB
種別 インターネット検閲回避英語版
ライセンス GNU General Public License
公式サイト psiphon.ca ウィキデータを編集
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Psiphon(サイフォン)は、安全な通信と難読化技術(VPNSSHHTTP Proxy)を組み合わせた、自由でオープンソースインターネット検閲回避英語版ソフトウェアである[1]。Psiphonは、パフォーマンスを重視したシングルホップおよびマルチホップアーキテクチャを用い、中央管理された地理的に多様な数千のプロキシサーバによるネットワークである。

Psiphon は、「インターネットの敵」と見なされる国々のユーザーをサポートするために特別に設計されている[2]コードベースはPsiphon, Inc.によって開発および保守されている。同社は、政府や規制当局がインターネット検閲を課すために用いるコンテンツフィルタリングシステムを、インターネットユーザーが安全に回避するように設計されたシステムと技術を運用している。

Psiphon (1.0) の最初のコンセプトは、カナダ・トロント大学ムンク国際問題研究所英語版を拠点とするシチズン・ラボ英語版によって開発され、「セーフ・ウェブ英語版[3]や「アノニマイザ英語版」など、前世代のウェブプロキシソフトウェアシステムに基づいていた。

2007年、高度な検閲回避システムおよび技術を開発するPsiphon, Inc.が、オンタリオ州に独立企業として設立された。Psiphon, Inc.と、トロント大学のシチズン・ラボ英語版は、Psi-Labパートナーシップを通じて、研究プロジェクトを共同して実施した[4]。Psiphonは現在、3つの別個の関連するオープンソースのソフトウェアプロジェクトで構成されている。

  • 3.0 - クラウドベースの実行時トンネリングシステム[5]
  • 2.0 - クラウドベースの安全なプロキシシステム[6]
  • 1.0 - 最初のホームベースサーバーソフトウェア(2004年にシチズン・ラボによってリリースされ、2006年に書き直され発売された)。Psiphon 1.xは、Psiphon, Inc.およびシチズン・ラボではサポートされなくなった[7]

歴史

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インターネット検閲によって制限されたユーザは、Psiphonを用いて地理的に多数のプロキシを介することでこれを回避し、ウェブサイトにアクセスできる。

Psiphonの当初のコンセプトは、個々のコンピュータユーザがインストールして操作する、使いやすく軽量なインターネットプロキシとして、インターネットが検閲されている国々にいる友人や家族のためにプライベート接続を構築することを想定していた。ナート・ヴィルヌーヴによると、「このアイデアは(ユーザーが)自分のコンピュータにこれをインストールすることで、フィルタリングされている国の人々に対し、その回避装置の所在を最も安全とわかっている方法で届けることである。私たちが構築しようとしているのは、人々が単に利用できるような大規模な技術ネットワークではなく、お互いを知っている人々の間の信頼のネットワークである」[8]。2006年12月1日、Psiphon 1.0が、シチズン・ラボによってオープンソースのソフトウェアとして発表された[9]

2007年初頭、Psiphon, Inc.は、シチズン・ラボまたはトロント大学から独立したカナダの企業として設立された。オリジナルのコード(1.6)は、GNU General Public Licenseの下で利用できるようになった。2008年、Psiphonは、フランス上院からNetexplorateur賞を授与された[10]。2009年、Psiphonは、Index on Censorship英語版によって、The Economist Best New Media Awardに認定された[11]。2011年、初期のPsiphon 1.xは正式に廃止され、Psiphon, Inc.およびシチズン・ラボによる積極的なサポートは終了した[7]

2008年、Psiphon, Inc.は、Internewsが運営するSESAWE (Open Internet) プロジェクトから2つのサブグラントを授与された[9][12]。その資金源は、欧州議会と、米国国務省民主主義・人権・労働局英語版(DRL)が管理するインターネット・フリーダム・プログラム英語版である[13]。これらの助成金の目的は、Psiphonを、地球上のさまざまな区分された地域にわたって多数のユーザーをサポートできる拡張性のある反検閲ソリューションに発展させることであった。その中心開発チームは、以前に安全な文書管理システムCiphershareを開発した経験豊富なセキュリティおよび暗号化ソフトウェアエンジニアのグループを含むまでに成長した[14]

2010年、Psiphon, Inc.は、米国グローバルメディア庁英語版(USAGM)、米国国務省、および英国放送協会(BBC)へのサービス提供を開始した。2015年現在、Psiphon, Inc.は、商業活動から生み出された収益に基づいて運営されている。

2012年、Psiphon, Inc.は、Android搭載の携帯電話向けにモバイル版Psiphon 3の開発を開始した[15]。2014年、iOSデバイス向けのPsiphon(アルファ版)が提供された[16]

2020年、ベラルーシ反政府デモのメディア報道では、Psiphonを介したコミュニケーションが大きな役割を果たした。

2021年、ミャンマーでの抗議運動により、月間利用者数が5,000人から1,400万人超に急増した。これは、他の多くのソーシャルメディアウェブサイトに対する国家検閲が原因だと考えられている[17]。2021年、キューバ反政府デモ英語版では、政府が多くのソーシャルメディアウェブサイトを閉鎖した後、100万人以上のデモ参加者がこのツールを使い始めた[18]

脚注

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  1. ^ Blocking-resistant communication through domain fronting”. Proceedings on Privacy Enhancing Technologies 2015 (2015年5月15日). doi:10.1515/popets-2015-0009. 2022年3月6日閲覧。
  2. ^ Enemies of the Internet 2014”. RSF. 2022年3月6日閲覧。
  3. ^ “SafeWeb's Holes Contradict Claims”. Wired. (2002年2月12日). https://www.wired.com/politics/law/news/2002/02/50371 
  4. ^ Ronald Deibert (2009年5月2日). “Psiphon Launch – Let the revolution begin!”. Deibert.citizenlab.org. 2012年12月12日閲覧。
  5. ^ Psiphon-Inc/psiphon: Meta-repo with info about and links to Psiphon resources”. GitHub (2020年5月7日). 2020年6月24日閲覧。
  6. ^ psiphon”. Launchpad.net. 2012年12月12日閲覧。
  7. ^ a b Psiphon – Total Delivery Solution for the Censored Internet”. Psiphon.ca. 2011年6月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年12月12日閲覧。
  8. ^ Boyd, Clark (2004年3月10日). “Bypassing China's net firewall”. BBC News. http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/3548035.stm 2007年3月28日閲覧。 
  9. ^ a b Psiphon – Total Delivery Solution for the Censored Internet”. Psiphon.ca. 2011年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年12月12日閲覧。
  10. ^ Psiphon, un logiciel anticensure, « Netxplorateur de l'année »” (フランス語). Rue89 (2008年2月14日). 2012年12月12日閲覧。
  11. ^ FREEDOM OF EXPRESSION AWARD 2009 RECIPIENTS ANNOUNCED”. Index on Censorship (2009年4月21日). 2012年12月12日閲覧。
  12. ^ is now offline”. Sesawe.net. 2012年12月12日閲覧。
  13. ^ Promises We Keep Online: Internet Freedom in the Organisation for Security and Cooperation in Europe (OSCE) Region”. State.gov. 2012年12月12日閲覧。
  14. ^ CipherShare – High Performance, Secure Document Management and Collaboration”. Provensecuritysolutions.com. 2012年12月12日閲覧。
  15. ^ Psiphon – Total Delivery Solution for the Censored Internet”. Psiphon.ca. 2012年12月12日閲覧。
  16. ^ Psiphon | A Technical Description of Psiphon”. psiphon.ca. 2022年3月6日閲覧。
  17. ^ Welle (www.dw.com), Deutsche. “Myanmar coup: Military hardens online censorship campaign | DW | 15.02.2021” (英語). DW.COM. 2022年3月6日閲覧。
  18. ^ Ford, Brody (16 July 2021). “Over 1 Million Cubans Evade Internet Curbs With U.S.-Backed Tech”. Bloomberg News. 21 July 2021閲覧。

関連項目

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外部リンク

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