北京
PM2.577
23/19
1979年黒龍江省チチハル市生まれの瀋騰(シェン・タン)は、舞台劇を中心にした喜劇団体「開心麻花」(カイシンマーファー)に所属するコメディ俳優。
2003年に「開心麻花」の人気舞台劇『想吃麻花現給你擰』で俳優としてデビューしました。その後、2006年に舞台劇『我在天堂等你』に登場。全国的に人気が出たきっかけは、2012年の中国版『紅白歌合戦』とも言えるテレビ特番『春晩』(CCTV春節聯歓晩会)への出演。この番組は、毎年旧暦の大晦日の夜にCCTVで放送される恒例番組で、歌やダンスをはじめ、コントやマジック、地方劇、漫才など全ジャンルが楽しめるスタイルで知られ、日本の『紅白』のように全国のトップスターがそろって出演することから、最高視聴率を誇っています。中でも、コントは人気ジャンルの一つとなっており、瀋騰は2012年の『春晩』でコント『今天的幸福』の主役・郝建役を好演し、大きく注目を浴びたのです。郝建役で全国民から好感度を獲得した瀋騰は、2013年から2015年まで3年連続で『春晩』のコントに登場し、国民的人気を博しました。
そんな瀋騰は、2015年にさらに活躍の場を広げ、全国のコメディアンが出演するリアリティ番組『歓楽喜劇人』シーズン1でグランプリに輝いたほか、同年9月に舞台劇の映画化に挑戦した「開心麻花」映画の第1弾『夏洛特煩悩( Goodbye Mr.Loser)』で鮮烈な映画俳優デビューを果たしました。この作品の最終興行収入は14億4000万元となり、当時の中国国産映画ランキングで歴代6位になりました。それ以降、「開心麻花」は相次いで舞台劇の映画化に挑戦し、瀋騰の演技は主役・脇役を問わずいずれも大きな存在感を放つようになっています。2018年公開された「開心麻花」映画の『西虹市首富(Hello Mr. Billionaire)』でも、瀋騰は「1ヶ月以内に必ず1億元を使い切るように」という不思議なミッションを与えられるサッカー選手を演じ、またしても大ブレイクしました。この作品は最終興行収入25億4500万元で年間4位となりました。
舞台劇出身の俳優ながらも映画俳優として大成功を収めた瀋騰、現在は中国で一番売れている俳優といっても過言ではありません。そんな彼は、今年の旧正月に主演作2作品同時公開ということで、さらなる大活躍を見せることになりました。2019年2月5日(旧正月の元日)に合わせて同時公開を果たしたのは寧浩(ニン・ハオ)監督の『瘋狂的外星人(Crazy Alien)』と韓寒(ハン・ハン)監督の『飛馳人生(Pegasus)』。彼が映画俳優として「開心麻花」以外の映画に出演するのは初めてであるため、どんな演技を見せてくれるか楽しみにしているファンも多いようです。しかも、2作品とも爆笑喜劇で知られる「開心麻花」映画とは一味違う作品であるため、瀋騰の新たな魅力にハマってしまうファンが続出することは間違いないでしょう。
(ミン・イヒョウ 謙)