学研全訳古語辞典 |
さはれ
えい、ままよ。どうとでもなれ。
出典枕草子 二月つごもり頃に
「げに遅うさへあらむは、いと取りどころなければ、さはれとて」
[訳] なるほど(返歌がまずい上に)遅くまでなってはまことにとりえがないので、えい、ままよと思って。
それはそうだが。しかし。
出典源氏物語 東屋
「かくは思ひ放ち給(たま)はじとこそ思ひつれ。さはれ、世に母なき子はなくやはある」
[訳] (同じ自分の娘なのだから)このように(薄情に)ほうってお置きなさるまいと思っていた。それはそうだが、世間に母のない子がないことがあろうか(いや、いくらでもあるのだ)。
参考
副詞「さ」+係助詞「は」+ラ変動詞「あり」の命令形「あれ」からなる「さはあれ」の変化した語。「さばれ」とも。
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