学研全訳古語辞典 |
ぞ-や
分類連語
①
〔疑問を表す語を伴って〕…か。…であろうか。▽自問する意を表す。
出典紫式部日記 消息文
「男だに才がりぬる人はいかにぞや、華やかならずのみ侍(はべ)るめるよ」
[訳] 男でさえ学識をひけらかすような人はどういうものか、まるっきりうだつがあがらないと決まっているようですよ。
②
〔疑問を表す語を伴って〕…か。…であるか。▽相手に問いかける意を表す。
出典源氏物語 若紫
「何事ぞや。童(わらは)べと腹立ち給(たま)へるか」
[訳] 何事か。子供たちとけんかしなさったのか。
なりたち
係助詞「ぞ」+係助詞「や」
ぞ-や
分類連語
①
…だなあ。…ことだ。…だぞ。▽感動・詠嘆を込めて強く指示する。
出典平家物語 九・木曾最期
「日ごろはなにともおぼえぬ鎧(よろひ)が、今日は重うなったるぞや」
[訳] いつもはなんとも思われない鎧が、今日は重くなった(と思われる)ことだ。
②
…ね。…だよ。▽念を押したり、言い含めたりする意を表す。
出典源氏物語 帚木
「その際々(きはぎは)を、まだ思ひ知らぬ初事(うひごと)ぞや」
[訳] その身のほど(に応じたふるまい)を、まだわきまえない初めての経験だよ。
なりたち
係助詞「ぞ」+間投助詞「や」
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