エアバス, エアライン, 機体, 解説・コラム — 2024年2月2日 17:53 JST

JALのA350-1000、24年度は8機体制 国際線777更新、全損代替機は時期未定

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 日本航空(JAL/JL、9201)の斎藤祐二専務グループCFO(最高財務責任者)は2月2日、長距離国際線の最新機材エアバスA350-1000型機を、2024年度末までに8機運航できる体制を目指していることを明らかにした。一方、1月2日に発生した羽田空港での衝突事故で全損となった国内線機材A350-900の13号機(登録記号JA13XJ)の代替機は、受領時期がまだ確定していないという。

羽田空港に並ぶJALのA350-1000初号機(手前)と2号機=24年1月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 JALは、13機保有する長距離国際線機材ボーイング777-300ER型機の後継機として、同数のA350-1000を発注済み。現在2機を受領済みで、1月24日に1路線目の羽田-ニューヨーク線に就航。2024年度は2カ月に1機程度のペースで受領していく。

 3号機を受領後、2024年度に2路線目の羽田-ダラス・フォートワース線に投入予定。3路線目は羽田-ロンドン線で、2024年度内に就航させる。また、羽田-ニューヨーク線は週14往復(1日2往復)のダブルデイリーで、24日に就航したのは昼便のJL6/5便であることから、羽田を夜、ニューヨークを深夜に出発するJL4/3便も、A350-1000へ2024年度に更新する。

 2カ月に1機のペースが維持される場合、残り5機は2025年度内に引き渡され、2026年には777-300ERからA350-1000への置き換えを終えるとみられる。斎藤専務によると、パイロットの移行訓練なども踏まえた導入ペースだという。省燃費・低騒音機材であるA350-1000に更新することで、CO2(二酸化炭素)排出量の削減など環境負荷の低減を進める。

 座席数は4クラス239席で、ファーストクラスとビジネスクラスはJAL初の個室タイプのシートを採用。ファーストが6席(1列1-1-1席)、ビジネスが54席(同1-2-1席)、プレミアムエコノミーが24席(同2-4-2席)、エコノミーが155席(同3-3-3席)となる。

A350-1000初便の羽田発ニューヨーク行きJL6便の機内で個室ビジネスクラスを紹介するJALの客室乗務員=24年1月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 羽田事故で全損となった国内線機材A350-900の13号機については、JALの赤坂祐二社長が1月17日に、「1機減った分は追加購入するが、1年から2年は待つ必要がある。A350は1機スタンバイ機があるので、こういったものを活用してお客さまにご迷惑がかからないようにしていく」と語った。

 斎藤専務は2日、「追加のA350-900は、オントップ(上乗せ)で調達しようとしている」と述べ、A350-1000の受領計画には影響を与えずに導入するという。「時期はエアバスと調整中で、具体的には決まっていない。なるべく早期に受領したい」(斎藤専務)と語った。

 JALが発注済みのA350は、国内線に導入している標準型のA350-900が18機、24日に就航した約7メートル長い長胴型のA350-1000が13機の計31機。このほかにオプション(仮発注)で25機購入できる契約を結んでいる。A350-900は16機受領済みで1機が全損となり、A350-1000は2機受領済みで初号機(JA01WJ)と2号機(JA02WJ)ともに就航している。

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JAL国際線 AIRBUS A350-1000
日本航空

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