「重装歩兵術」の利益
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/04 00:17 UTC 版)
「ラケス (対話篇)」の記事における「「重装歩兵術」の利益」の解説
5. ソクラテスは、自分は他の二人(ニキアスとラケス)よりも年が若く、この問題に不慣れなので、先に二人に話してもらい、それと違う考えがあったら付け加えると述べる。促されてニキアスが話を始める。ニキアスは、青年が重装歩兵術を学ぶことは、様々な面で有益であると述べる。他の遊びにかまけることもなくなるし、身体は強くなるし、馬術と並び自由市民が戦士として勝負する際の訓練にもなる、また、重装歩兵術を学ぶと、次に陣形について学び、次に将軍の戦術についても学びたくなるといった具合に、他の立派なことも学びたくなる。更に、重装歩兵術を身につけることは、戦場においてより大胆で勇敢になれる。したがって、是非学ばせるべきだと。 6. ラケスは、重装歩兵術が喧伝されているように学ぶに値する術であるならば学んだ方がいいが、実際はそうであるか怪しいと指摘する。その理由として、彼ら重装歩兵の教師たちは、戦争ごとに関しては最も熱心な中心地とも言えるラケダイモン(スパルタ)を避け、他の国を転々としていると述べる。 7. 更にラケスは、彼ら重装歩兵教師と少なからず戦場を共にしたが、いまだかつて彼らの中で戦場で名を馳せた者は一人もいないと指摘する。また、今しがた目の前で模範演技を行ったステシレオスという教師も、ここでは威張ってはいるが、戦場で失態を演じた姿を目撃していると述べる。 8. ラケスは、したがって重装歩兵術は学ぶ価値が無いと述べる。ニキアスとラケスの意見は割れ、リュシマコスは、ソクラテスに二人の意見のどちらに賛成票を入れるか問う。
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