アイビーマウンテン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/31 08:37 UTC 版)
「ビッグサンディ遠征」の記事における「アイビーマウンテン」の解説
11月7日木曜日、ジョシュア・W・シル大佐が、ビッグサンディ遠征隊の北部隊をジョンズ・クリークの方向に進め始めた。そこからは南に曲がって約40マイル (64 km) 進み、パイクビルで敵の後方に付けるはずだった。翌朝、ネルソンが3,600名の本隊を率いて旧州道(460号線)をパイクビルに進んだ。かまぼこ型の高さ1,000フィート (300 m)、長さ約半マイル (800 m) の丘陵、アイビーマウンテンに近づいたときに滝のような雨が降った。ビッグサンディ川の西リバイサ支流が幅7フィート (2.1 m) の道路の右手で動きを制限し、膝まで浸かる泥のために砲兵は大砲を砲車から外して運ばざるを得なかったので、歩兵の後について1列で進んだ。パイクビルの約15マイル (24 km) 西で、前衛部隊が道の曲がり角に消えるとアイビー・クリークの渡し場に回った。彼らの直ぐ前、100フィート (30 m) ほどの丘の上に250名の南軍兵が、岩、樹木、藪の陰に隠れていた。午後1時頃、南軍兵の持つ二連散弾銃や旧式マスケット銃からの青い煙で丘が染まった。次の瞬間北軍兵4名が戦死し、他に13名が負傷して倒れた。ネルソンはそのサーベルを抜いて前に突進し、目立つ位置にある岩に登って、部下の兵士達に「南軍兵が彼を撃てないのであれば、彼らの誰も撃つことはできない」と告げた。ネルソンはオハイオ第2歩兵連隊と同第21歩兵連隊に山の横腹を上り、北から敵陣地の側面を衝くよう命じた。これと同時にアイビー・クリークと西リバイサ支流の河口近くに軽量大砲2門を据えさせ、敵の胸壁に向けて直接発砲させた。 午後2時20分頃、オハイオ第21歩兵連隊が丘の頂部に到達した。この部隊は大きな岩を南軍兵の方に転がしたので、南軍兵はあらゆる方向に散った。30分後、メイ大尉が部下に木を切り倒させ、橋を焼かせて追跡を遅らせた。アイビーマウンテン(アイビーナローズ)の戦いは明らかにネルソン隊の勝利であり、戦場を完全に制圧したが、損失は戦死6名、負傷24名になった。対する南軍は戦死10名、負傷15名、不明または捕虜40名となった。ネルソンはコールドウォーター・クリークの燃えた橋の向こう、北部支持者リンゼイ・レインの家近くで追跡を終わらせた。南軍のウィリアムズはパイクビルまで後退を続け、そこで400名の後衛を付けて、残り部隊がパウンドギャップまで後退するのを援護させた。11月9日土曜日午前3時、ネルソンはその部隊に追跡を再開させた。道路の状態が大変だったので動きが遅れ、夜になった時にはパイクビルからまだ5マイル (8 km) にあった。11月10日日曜日早朝、ジョシュア・W・シルの北部隊から出た分遣隊が進み出て、土曜日の午後4時に町を確保したと告げた時に、ネルソンは目標から数マイルの所に来ていた。 パウンドギャップでは、バージニアのウィリアムズ大佐が、「組織ができず、武装が足りず裸足の部隊」の全てが欠けているが戦う意思がある部隊をネルソンが蹴散らしたと報告していた。「シンシナティ・コマーシャル」は、ネルソンが「部隊が適切な輸送手段の無い厳しい地形を如何に移動できるか」示したと書いていた。ネルソンはバージニア・アンド・テネシー鉄道を破壊するためにバージニアへの進行を続けると考えていたウィリアムズを、そのやり方が真に驚かせた。その鉄道はアメリカ連合国の首都バージニア州リッチモンドと、テネシー州メンフィス、およびミシシッピ・バレーをノックスビルで繋ぐものだった。アイビーマウンテンの戦いに関する最初の報告で、北部の新聞特派員は大幅に誤った報告をしていた。北部の読者は戦争の早期の決着を望んでいたからだった。これらの誤りによって、「シンシナティ・ガゼット」は、大きな勝利を得られた一方で、「東ケンタッキーの作戦はショーマンのキャラバンの通過ほど恒久的な効果は得られなかった。500名の南軍ゲリラ騎兵が1週間の内に装飾的な仕事を行うようになり、多くの金と貴重な時間を遣わせることになる」と結論付けた。後の問題が大きな心配であり、ルイビルでドン・カルロス・ビューエルがウィリアム・シャーマンに代わる理由になった。ネルソンはそこで出頭を命ぜられ、その旅団は11月24日日曜の午後に従った。予想されたように南軍は戻って来た。その対応でジェームズ・ガーフィールド准将が地域に入って彼らを従えさせる終わっていなかった任務を再開した。
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