IPコンバータ
別名:IP変換回路,I/P変換回路
【英】IP converter, Interlace/Progressive converter
IPコンバータとは、インターレース方式の映像装置向けに作成された映像を、プログレッシブ方式での表示に適した映像へと変換するための回路のことである。
インターレース方式では、走査線を一本ずつ飛び越して偶数・奇数の片方ずつを交互に走査している。一度に走査する走査線量を全体の半分に抑える(人の目には残像によって連続して見えている)ことで、低いクロック周波数で映像を映している。ただし静止状態では画面にちらつき(フリッカ)が目立つという難点がある。
プログレッシブ方式(ノンインターレース方式)では、飛び越し走査を行わずに一度にすべての走査線で映像を映す方式である。インターレース方式に比べて高精細で、静止画像もちらつきがなく表示することができる。ただしインターレースに比べて高いクロック周波数が必要となる。
従来、動きの多い映像を放送する機会が多いテレビ放送には、インターレース方式が採用されてきた。しかし近年登場した液晶テレビやプラズマテレビなどのフラットパネルディスプレイ(FPD)は、高いクロック周波数を持つため、プログレッシブ方式でテレビ放送が再現できるようになった。このとき、従来のインターレース方式向けに作成された映像をプログレッシブ方式のテレビで映し出すために、IPコンバータによってあらかじめ画像の変換が行われる。
IPコンバータの主な変換方式としては、走査線の偶奇を合成する方法や、前後の画像から動作を解析して補間する方法などがあり、各メーカーによって様々な方式が研究開発されている。
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