アメリカ合衆国におけるノルウェー語の使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/04 06:02 UTC 版)
「ノルウェー系アメリカ人」の記事における「アメリカ合衆国におけるノルウェー語の使用」の解説
アメリカ合衆国では、ノルウェー語の使用が1900年代にピークを迎えるが、第一次世界大戦前後アメリカ国民の間にナショナリズムが高まった事を受け、1920年代から1930年代にかけ衰退を余儀無くされる。この間ノルウェー語で書かれた刊行物の読者が減った他、ルター派教会でも祭礼を英語で行う機会が増えた。また若年層は、ノルウェー語よりも英語を話すようになった。 ノルウェーが1945年にナチスドイツから解放された際、40歳未満で未だノルウェー語を第一言語として話す者は、比較的少数に留まる事となる(その多くはノルウェー語を理解してはいたが)。当然の事ながら、子供にノルウェー語を伝える者は皆無に等しい状況であった。 現在、ノルウェー語を第一言語として話すアメリカ人が8万1000人はいるとの情報があるものの、国勢調査によると、2000年現在家庭でノルウェー語を話すアメリカ人は55475人に過ぎないという。また、2005年に行われたアメリカ地域調査では、家庭で同語を用いる者は更に少なく、39524人程度との結果が出ている。 一方、ワシントン州タコマのパシフィック・ルーサラン大学をはじめ、ノルウェー系移民らが設立した多くの大学では、学部のカリキュラムにノルウェー語専攻を設置。ワシントン大学やオレゴン大学など、ゲルマン系諸語研究プログラムの一環として、ノルウェー語を提供する主要大学も多い。 北米におけるノルウェー語文学としては、オーレ・エドヴァルト・ロルヴァークの作品『大地の巨人達』(I de dage)が有名だが、本作は英語版とノルウェー語版の両方が刊行。ロルヴァークは1906年から1931年までセントオラフ大学教授を務め、1916年以降ノルウェー語研究学部長を歴任している。 ノルウェー系アメリカ人の殆どは、「こんにちは」、「はい」、「いいえ」といった、簡単な単語程度であれば話せる状況ではある。現在ではノルウェー語しか解せなかったり、英語が上手に話せない者は、アメリカ国内に未だ1209人存在。2000年には、その数が17歳未満で215人となっている(2005年は1人増加の216人)。18歳から64歳までを見ると、2000年の915人から2005年の491人と減少した。65歳以上に至っては、同時期に890人から502人へと激減。しかし、数は少ないながらも依然として移民が流入し、テキサス州などノルウェー語話者が増えている州があるため、アメリカ国内で同語が絶滅する事は、まず起こり得ないとされている。
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