アルコールといえば酒そのものを指す言葉として流布している。狭義では酒におけるアルコールとはエチルアルコール(C2H5OH、分子量46.07)のことを指す。アルコールは穀類を酵母が代謝する過程(アルコール発酵)で生じ、人は古来よりこれを酒として飲用してきた。酒を飲んで生じる「酔い」の主体はこのアルコールの薬理作用である。アルコールは生体内では主に肝臓で代謝される。
alcohol
「alcohol」とは・「alcohol」の意味
「alcohol」とは、一般的には飲料として摂取されるエタノールを指す言葉である。エタノールは化学的には炭素、水素、酸素からなる有機化合物であり、発酵や蒸留によって様々な飲料に含まれる。また、「alcohol」は広義には他のアルコール類(メタノールやイソプロパノールなど)も指すことがある。「alcohol」の発音・読み方
「alcohol」の発音は、IPA表記では /ˈælkəhɔːl/ であり、IPAのカタカナ読みでは「アルカホール」となる。日本人が発音するカタカナ英語では「アルコール」と読むことが一般的である。「alcohol」の定義を英語で解説
英語で「alcohol」の定義を説明すると、"a colorless volatile flammable liquid that is the intoxicating constituent of wine, beer, spirits, and other drinks, and is also used as an industrial solvent and as fuel"となる。これは、「無色で揮発性かつ可燃性の液体で、ワイン、ビール、酒類などの飲料の酔わせる成分であり、また工業用溶剤や燃料としても使用される」という意味である。「alcohol」の類語
「alcohol」の類語には、以下のような言葉がある。エタノール(ethanol)
「alcohol」と同じく、飲料に含まれる主要なアルコール成分であるエタノールを指す。リカー(liquor)
蒸留酒を指す言葉で、ウイスキーやブランデーなどが含まれる。スピリッツ(spirits)
アルコール度数が高い蒸留酒を指す言葉で、ウォッカやジンなどが該当する。「alcohol」に関連する用語・表現
アルコール度数(alcohol content)
飲料に含まれるアルコールの割合を示す数値で、パーセント表示されることが一般的である。アルコール依存症(alcoholism)
アルコール摂取による精神的・身体的依存症状を指す病気である。禁酒法(Prohibition)
1920年から1933年までのアメリカ合衆国で実施された、アルコール飲料の製造・販売・輸送を禁止した法律である。「alcohol」の例文
1. Drinking alcohol can cause intoxication.(アルコールを飲むと酔いが生じる。) 2. Alcohol is prohibited for minors.(未成年者はアルコールが禁止されている。) 3. Excessive alcohol consumption can lead to liver damage.(過度のアルコール摂取は肝臓の損傷につながる。) 4. Alcohol is often used as a disinfectant.(アルコールは消毒剤としてよく使われる。) 5. The alcohol content of beer is usually around 5%.(ビールのアルコール度数は通常約5%である。) 6. Alcohol can be produced through fermentation.(アルコールは発酵によって生成される。) 7. Some people abstain from alcohol for religious reasons.(宗教的な理由からアルコールを控える人もいる。) 8. Alcohol is often used in cooking to enhance flavors.(料理にアルコールが使われることがあり、味を引き立てる効果がある。) 9. Alcohol sales are restricted during certain hours.(アルコールの販売は特定の時間帯に制限されている。) 10. Alcohol can be addictive for some individuals.(アルコールは一部の人々にとって依存性がある。)アルコール【(オランダ)・(英)alcohol】
読み方:あるこーる
1 炭化水素の水素原子を水酸基で置換した形の化合物の総称。エステル・油脂や蝋(ろう)として自然界に多く存在し、また糖の発酵によって生じ、合成もされる。メチルアルコール・エチルアルコールなど。特に、エチルアルコールをさす。
アルコール【(フランス)Alcools】
エタノール
分子式: | C2H6O |
その他の名称: | 酒精、アルコール、Alcohol、Ethanol、Ethane-1-ol、Wine spirit、Ethyl alcohol、Alcohol,anhydrous、水和エチル、メチルカルビノール、NCL-CO-3134、テクソール、Ethan-1-ol、エコ消エタ、オー消エタ、O Syoueta、純生局エタ、純生消エタ、消エタコア、消エタサラコール、消毒用エタIP、消毒用エタノール、Ethanol for disinfection、消毒用エタノールFG、消毒用エタノールIPA、消毒用エタノールα、消毒用エタプロコール、Ethaprocohol、消毒用エタプロコール-U、Ethaprocohol-U、消毒用エタライト、Ethalight、消毒用エタライト-B、Ethalight-B、Anhydrous ethanol、Ethaprochol for disinfection、Ethaprochol-U for disinfection、Ethalight for disinfection、Ethalight-B for disinfection、Ethanol-FG for disinfection、Etha-IP for disinfection、Ethanol-IPA for disinfection、Ethanol-α for disinfection、Methyl carbinol、Spirits of wine |
体系名: | エチルアルコール、エタン-1-オール、エタノール |
アルコール
アルコール(あるこーる)
アルコール(あるこーる)
アルコール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/16 01:00 UTC 版)
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2018年1月) |
化学においてのアルコール(葡: álcool、蘭: alcohol)とは、炭化水素の水素原子をヒドロキシ基 (-OH) で置き換えた物質の総称である[1]。ただし、芳香環の水素原子を置換したものはフェノール類と呼ばれ、アルコールと区別される[1]。
最初に「アルコール」として認識された物質は酒に含まれるエタノール(酒精)である。この歴史的経緯により、エタノールもしくは酒を指して「アルコール」と言うことも多い。
概要
アルコール類は、生体内での主要代謝物の1つであり、生体内に多種多様なアルコールが広く見いだされる。蝋はセタノールなど高級アルコールであり、脂肪(中性脂肪)は、グリセリンと脂肪酸とのエステルである。そして、糖類もアルコールである。ケトースやアルドースのカルボニル基が還元されたエリトリトールやキシリトール、ソルビトールなどは、糖アルコールと呼ばれる。
構造による分類
ヒドロキシ基が結合している炭素原子に結合している炭化水素基の数で第一級アルコール(または第一アルコール)[1] 、第二級アルコール(または第二アルコール)[1]、第三級アルコール(または第三アルコール[2])という区別がある。ヒドロキシ基を酸化すると第一級アルコールはアルデヒドとなり、第二級アルコールはケトンとなる[1]。第三級アルコールは酸化されにくい。なお、メタノールは炭素原子どうしの結合を持たないが、酸化してホルムアルデヒドとなるので、一般に第一級アルコールに含まれる。
それとは別に、炭素数が少ないアルコールを低級アルコール、炭素数が多いアルコールを高級アルコールと呼ぶことがある[1]。低級アルコールは無色の液体であり、高級アルコールは蝋状の固体である。
さらに、結合しているヒドロキシ基の数がn個であるアルコールを、n価アルコール という[1]。二価アルコールは特にグリコールとも呼ばれ[3]、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの例がある。グリコールは一般に粘性や沸点が高い。三価アルコールでは、代表的なものにグリセリンがある[4]。
命名法
一般名では普通、対応するアルキル基の名称に "alcohol" の語を続けて命名する(例: methyl alcohol, ethyl alcohol)。プロパノールの場合、ヒドロキシ基がプロパンの末端(1位)炭素に置換した一級アルコール (CH3CH2CH2OH) は、n-プロピル基 (CH3CH2CH2−) にヒドロキシ基が結合した構造から、n-propyl alcohol (n-プロピルアルコール)と呼ばれる。一方、プロパンの中心(2位)の炭素に置換した第二級アルコール ((CH3)2CHOH) は、イソプロピル基 ((CH3)2CH-) とヒドロキシ基が結びついた構造から、isopropyl alcohol(イソプロパノール)と呼ばれる。また、イソプロパノールは第二級であることから、sec-propyl alcohol とも呼ばれる。"tert-" の接頭語は第三級アルコールを示す(例: tert-butyl alcohol)。2つのヒドロキシ基を持つ二価アルコールの場合は、2価の置換基名(ethylene, propyleneなど)に、"glycol" の語を続ける(例: HOCH2CH2CH2OH, propylene glycol)。
IUPAC命名法によると上記の一般名も維持されるが、IUPACの推奨する組織名では対応するアルカン鎖の名称の末尾の "-e" を "-ol" に変えて命名する(例: methanol, ethanol)。ヒドロキシ基の位置については、結合している炭素が末端から何番目かを表す数字を "-ol" の前につける(例: propan-1-ol, propan-2-ol)。他にも置換基があり、ヒドロキシ基が主基にならない場合 "hydroxy" の語を前につけて表す(例: 2-hydroxypropanoic acid)。また多価アルコールの場合は "-ol" を "-diol"(二価アルコールの場合)、"-triol"(三価アルコールの場合)のように ol の前に数詞をつけて命名する。位置番号のつけ方は同様である。
語源
アルコール (alcohol) の語源については正確な起源が判明しているわけではないものの、"al-" がアラビア語の定冠詞であることから、アラビア語に由来すると考えられている。そもそも、12世紀にイスラム社会の錬金術の発見を大衆向けに翻訳した数々のヨーロッパの翻訳者によって、アルコールは蒸留技法とともにその蒸留物のこととしてヨーロッパに紹介された。
多くの辞書では الكحل( al-kuḥl )から来たとする説を紹介している。al-kuḥl は、アラビア語の原義では殺菌剤と眉墨に利用されたアンチモン硫化物 Sb2S3 の非常に微細な粉体のことである。すなわち「さらさらしている」という意味であり、エタノールが水に比べてさらさらしているところから来ていると考えられる。
『Oxford English Dictionary』によると、1672年以来イギリスで流通している説では、アンチモン硫化物は天然鉱石の輝安鉱を閉じた容器の中で昇華し精製する。このことから他の精製技法も含め、蒸留一般のことを指していうようになり、その後、蒸留物であるエタノールを示す語に転化したものと考えられている。
ただし、この説にも異論があり、コーランにある الغول( al-ghūl )が由来であるという説がある。グールの原義は、精霊 (spirit) や魔人 (demon) で「ワインの性質を与えるもの」という意味である。蛇足になるが天体の "Algol" も起源を الغول に持つ。"spirits" や "spirits of wine" がアルコールの意味として同義なので、西側社会言語では広く受け入れられている。語源「アルコール」=「悪魔」は、1930年代のアメリカ禁酒運動のときに宣伝の目的で使われた。
日本には江戸時代にオランダ語 alcohol [ˈɑlkoˌɦɔl] ( 音声ファイル)が取り入れられ、オランダ語の発音のまま日本語でも「アルコホル」(ローマ字:arukohoru)と表記・発音した[5]。なお、英語における発音 [ˈælkəˌhɔl] ( 音声ファイル)は「アルカホル」が近い(ただし、歴史的仮名遣いでは文節のはじめ以外の「ほ」は「お」と発音するので、「アルコオル」(ローマ字:arukooru)と発音する者もいたと考えられる)。昭和初期頃になると "alcohol" に該当する物質は「アルコホル」「酒精」「エチル・アルコール」「エタノール」「木酸化エタン」「メチルカビビノール」などと呼称が多数になっていたので、1931年(昭和6年)4月に資源局が標準用語を決めて発表した際、「アルコール」に表記・発音が統一された[6]。Hの発音のないラテン語系言語のフランス語では「アルコル (alcool [alkɔl])」、イタリア語では「アルコル (alcol [ˈalkol])」と呼ばれる。
利用法
科学や産業の領域で、アルコール類は試薬、化合物の合成原料、洗浄剤、工業用溶剤、有機溶媒、燃料、消毒液などとして広く使用されている。最先端技術の領域では、ガソリン、あるいは有害な排気ガスを発生させる炭化水素の代換品として、よりクリーンに燃焼するエタノールやメタノールを使用する技術が確立された。
またアルコール類の中でもエタノールは、生体にとって毒性が比較的低く、飲用まで可能なことと、水と比べて非極性物質を溶解させやすい性質を持っていることにより、医薬品、香水、バニラのような植物エッセンスの溶媒としてしばしば使用される。酒類の製造工程でもエタノールが醸造されている。
製造
多くのアルコールが、酵母を使って果実や穀物を発酵させて得ることができる。これらのうち、飲用も可能なエタノールだけが発酵法で商業的に生産され、燃料や飲料の用途向けに用いられている。また、燃料用であれば例えばエチレンを原料に工業的に生産する場合もある。
他のアルコールは、天然ガス、石油あるいは石炭の副産物から工業的に生産されている。直鎖で炭素が偶数個の高級アルコールは、油脂を加水分解して得られる脂肪酸を還元することで製造される。最も単純なアルコールであるメタノールは、触媒の存在下に一酸化炭素を水素で還元すると得られる。
メタノールの構造
エタノールの構造
低級アルコール
- 2-プロパノール (2-propanol,propane-2-ol,isopropyl alcohol, sec-propyl alcohol, ) H3C-CH(OH)-CH3、消毒用アルコールの1種。
- エチレングリコール (ethylene glycol, ethane-1,2-diol) HOCH2CH2OH, ラジエーターの不凍液の主成分。
- グリセリン (glycerinor, glycerol, propane-1,2,3-triol) HOCH2CH(OH)CH2OH、脂肪や天然油脂トリグリセリド (triglycerides, triacylglycerols) の成分。
芳香族のうち、フェノールはベンゼン環にヒドロキシ基を持つものの、一般的なアルコールとは区別される。芳香族アルコールと言った場合は、ベンジルアルコールのようにベンゼン環に直接結合しないヒドロキシ基を持つアルコールを指す。
高級アルコール
脂肪族アルコールとも言い、通常炭素数6以上[1]、あるいは8~22以上のものを指す。炭素数が多いほど親水性が弱まる[1]。主に天然の脂肪や油脂を加水分解して得られる。ここでの高級とは値段が高いとか、品質が良いという意味ではない。
- カプリルアルコール capryl alcohol (1-octanol) - 8個の炭素原子
- ラウリルアルコール lauryl alcohol (1-dodecanol) - 12個の炭素原子
- ミリスチルアルコール myristyl alcohol (1-tetradecanol) - 14個の炭素原子
- セチルアルコール(セタノール)cetyl alcohol(または palmityl alcohol, 1-hexadecanol) - 16個の炭素原子
- ステアリルアルコール stearyl alcohol (1-octadecanol) - 18個の炭素原子
- オレイルアルコール oleyl alcohol (cis-9-octadecen-1-ol) - 18個の炭素原子、不飽和結合を含む。
- リノリルアルコール linoleyl alcohol (9Z,12Z-octadecadien-1-ol) - 18個の炭素原子、不飽和結合を含む。
アルコキシド
- ナトリウムメトキシド
- ナトリウムエトキシド
- マグネシウムエトキシド
脚注
出典
- ^ a b c d e f g h i "アルコール". 岩波理化学辞典 (第3版増補版第3刷 ed.). 岩波書店. 5 November 1982. p. 48.
- ^ "第一化合物". 岩波理化学辞典 (第3版増補版第3刷 ed.). 岩波書店. 5 November 1982. p. 768.
- ^ "グリコール". 岩波理化学辞典 (第3版増補版第3刷 ed.). 岩波書店. 5 November 1982. p. 361.
- ^ "グリセリン". 岩波理化学辞典 (第3版増補版第3刷 ed.). 岩波書店. 5 November 1982. p. 363.
- ^ Zeitlicher Hintergrund von japanischen Fremdwörtern - Edo – Zeit - (PDF) (13頁、獨協大学)
- ^ 資源局の標準用語 今回一定して発表さる 督府官房調査課 川角道夫氏談(台湾日日新報 1931年4月3日 - 1931年4月5日)
関連項目
外部リンク
アルコール
出典:『Wiktionary』 (2021/12/18 07:20 UTC 版)
名詞
発音(?)
語源
オランダ語: alcohol からの音写。alcoholの語源は、アラビア語のal-khwl(アンチモン硫化物の粉末)またはal-ghawl(精霊)であるとされる。
関連語
翻訳
- イタリア語: alcool m
- インドネシア語: Alkohol (1, 2)
- 英語: alcohol (en)
- オランダ語: alcohol m
- ギリシア語: οινόπνευμα n
- スウェーデン語: alkohol, sprit
- スペイン語: alcohol m
- スロヴァキア語: alkohol m
- スロヴェニア語: alkohol m
- チェコ語: alkohol m
- 中国語: 酒精 (jiǔ jīng)
- 朝鮮語: 알콜
- ドイツ語: Alkohol m
- フィンランド語: alkoholi
- フランス語: alcool m
- ペルシア語: الکل (alkol)
- ポーランド語: alkohol (pl)
- ポルトガル語: álcool m
- リトアニア語: alkoholis (lt)
- ロシア語: спирт m (spirt)
「アルコール」の例文・使い方・用例・文例
- 無水アルコール
- 急性アルコール中毒
- 明らかなアルコール依存症者
- 私はアルコールは飲みません
- アルコール飲料
- アルコール依存症の
- アルコール抜きのパーティー
- アルコール飲料販売許可証
- 彼は肝臓が悪いのでアルコールは一滴も口にしない
- アルコール分の少ないビール
- 脳に対するアルコールの影響
- このウイスキーは何パーセントアルコールを含んでいるのですか
- 変性アルコール
- 彼はそのしみをアルコールでふいてみた
- 妊娠中の女性はアルコールを常用すべきではない
- アルコールハラスメントは危険な状態になりかねない。
- こちらのカクテルは甘くて、アルコールは弱めです。
- 近ごろ、ノンアルコールビールやカフェイン抜きのコーヒーをよく見かける。
- 病名はアルコール性ケトアドーシスです。
- 彼はここ2,3年アルコールにふけりすぎているようだ。
アルコールと同じ種類の言葉
- アルコールのページへのリンク