アルバ (ウサギ)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > アルバ (ウサギ)の意味・解説 

アルバ (ウサギ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/31 06:04 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

アルバ (Alba) は、現代美術家エドワルド・カッツ英語版(Eduardo Kac)がフランスの遺伝学者ルイ=マリー・フーデバイン(Louis-Marie Houdebine)と共同で制作した、遺伝子組み換えにより体が光るウサギである。

フーデバインは、オワンクラゲ(Aequorea victoria)の緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を使用した。このタンパク質は、青色の光を照射すると緑色の蛍光を発するもので、蛍光を伴う多くの標準的な生物学的実験に用いられる。その遺伝子を組み込まれたアルバは、青色の光を浴びると緑色の蛍光を発する。しかし、カッツが発表した体全体が緑色に光っているウサギの写真は、その信憑性に疑問の声が上がっている[1]

カッツはアルバのことを「自然界には存在しない動物」と表現している。『ボストン・グローブ』紙に掲載された記事[2]では、フーデバインはカッツのためにアルバを作ったことを認め、アルバは「特に穏健で甘い気質」を持っていると述べている。この記事は、世界中のメディアでスキャンダルとして取り上げられ、それ以降、フーデバインはカッツと距離を置くようになった。

2002年、アメリカの記者がフーデバインの勤務先であるフランスの国立農学研究所英語版(INRA)に電話をかけ、アルバが死んだと聞かされた。その記者はアルバの死去を報じる記事を掲載したが、その根拠とされたのは、フーデバインの「ある日、そのウサギが何の理由もなく死んだと知らされました。ウサギはよく死ぬんですね。そのウサギは4歳くらいで、私たちの施設では普通の寿命でした。」という言葉だけだった[1]

2007年にバルセロナで開催されたヨーロッパ分子生物学機構英語版(EMBO)の会議で、フーデバインは、ジャーナリストやテレビメディアによる扇情主義を強調しながら、「GFPウサギの話」の実態を詳細に発表した[3]

脚注

外部リンク


「アルバ (ウサギ)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アルバ (ウサギ)」の関連用語

アルバ (ウサギ)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アルバ (ウサギ)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアルバ (ウサギ) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS