アンナ・キングスフォードとは? わかりやすく解説

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アンナ・キングスフォード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/22 00:55 UTC 版)

アンナ・キングスフォード
生誕 アニー・ボーナス
1846年9月16日
イングランド、ストラトフォード
死没 1888年2月22日(41歳没)
イングランド、ロンドン
教育 医学
出身校 パリ大学
著名な実績 反生体実験主義者、菜食主義者、運動家
配偶者 アルジャーノン・ゴッドフリー・キングスフォード
子供 1人の娘
署名
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アンナ・キングスフォード(Anna Kingsford、1846年9月16日 - 1888年2月22日、出生時 アニー・ボーナス(Annie Bonus)[1])は、イギリスの反生体実験主義者、動物の権利菜食主義の普及、女性の権利運動の社会活動家[2]心霊主義神智学神秘思想に傾倒するオカルティストである[3]

21歳の時に従兄弟のアルジャーノン・ゴドフリー・キングスフォードと結婚し、娘を出産[1]。夫の影響でカトリックを真剣に信仰し、マグダラのマリアの来訪を受けたと語っている[1]

彼女は、エリザベス・ギャレット=アンダースンに続いて医学学位を取得した最初のイギリス人女性の一人であり、動物実験を一匹もすることなく卒業した当時唯一の医学生だった。彼女はパリ大学で6年間学び、1880年に学位を取得して卒業した。これにより、権威ある立場から動物の権利活動を続けることができた。

キングスフォードは仏教グノーシス主義に興味を持ち、イギリスの神智学運動に積極的に参加し、1883年には神智学協会のロンドン支部の長になった。1884年にパートナーのエドワード・メイトランド英語版とヘルメス主義協会を設立し、それは彼女の健康状態が悪くなる1887年まで続いた[4]

1887年には、「生体解剖の悪魔」と呼んで目の敵にしていた生物学者のルイ・パスツールを魔法で殺害しようと試みた[3]

影響

現代のフェミニズムや宗教学者が彼女の功績について言及することはめったにない[1]。多岐に渡る分野で活動した分類し難い人物であるためか、言及されることは少なく、菜食主義や神智学研究の文献で軽く触れられる程度である[1]

黄金の夜明け団の設立者の一人マグレガー・メイザースは、彼女とエドワード・メイトランドの影響を受け、教団を異例の男女平等の組織とした[5]。この団体は、「ニュー・ウーマン」と呼ばれる型破りな女性会員の比率が高かった[6]

黄金の夜明け団で学んだ魔術師のアレイスター・クロウリーにも影響があり、彼はキングスフォードを非常に高く評価し、彼女は宗教界に多大な貢献をし、真に神智学をなした唯一人であり、彼が始めた新宗教セレマの先駆けたる人物、セレマの洗礼者ヨハネであると述べている[1][7]

また、19世紀後半の女性のスピリチュアリティ運動などの有名なオカルティストにも影響が見られる[1]

出典

  1. ^ a b c d e f g Jennifer Burgess. “A Brief Biography of Dr. Anna Kingsford”. THE VICTORIAN WEB. 2024年9月22日閲覧。
  2. ^ Rappaport, Helen. "Kingsford, Anna," Encyclopedia of Women Social Reformers, 2001.
    • For Maitland's biography, see Maitland, Edward. The Life of Anna Kingsford. Kessinger Publishing, 2003 [first published 1896]; also available here.
  3. ^ a b 浜野志保「書評 Alison Butler, Victorian Occultism and the Making of Modern Magic : Invoking Tradition」『ヴィクトリア朝文化研究』第10巻、日本ヴィクトリア朝文化研究学会、2012年11月、59-63頁、CRID 1520853832761817728 
  4. ^ Christof, Catharine. "Feminist Action in and through Tarot and Modern Occult Society: The Hermetic Order of the Golden Dawn, UK and The Builders of the Adytum, USA". La Rosa Di Paracelso, 2017.
  5. ^ MATHERS, SAMUEL LIDDELL MACGREGOR”. OCCULT WORLD. 2024年5月16日閲覧。
  6. ^ 杉山寿美子『祖国と詩 W・B・イェイツ』国書刊行会、2019年、71頁。 
  7. ^ Paradoxos Alpha. “[https://oto-usa.org/usgl/lion-eagle/anna-mary-bonus-kingsford/ Anna Mary Bonus Kingsford - Esotericist, Visionary, Hermetic Mystic]”. US Grand Lodge Ordo Templi Orientis. 2024年9月22日閲覧。

参考文献

  • Rudacille, Deborah (2000). The Scalpel and the Butterfly. University of California Press. ISBN 0520231546 

関連項目

外部リンク


アンナ=キングスフォード

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とある魔術の禁書目録の登場人物」の記事における「アンナ=キングスフォード」の解説

ウィリアム=ウィン=ウェストコットサミュエル=リデル=マグレガー=メイザース恩師にして、アンナ=シュプレンゲル原型一人とされる魔術師実在のモデルはアンナ・キングスフォード(英語版)。西洋魔術史上頂点君臨する伝説魔術師に人が起こせ神秘超常教授したという伝説を持つ知の大女神であり、単純な技術だけでなく思想主義部分まで食い込み「黄金」一般女性参加広く受け入れきっかけ作ったと言われる、平等を愛して迷える者に絶大な力を分け与える単体一つ神話化した魔術師

※この「アンナ=キングスフォード」の解説は、「とある魔術の禁書目録の登場人物」の解説の一部です。
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