イメグリミンとは? わかりやすく解説

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イメグリミン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/04 09:28 UTC 版)

イメグリミン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
販売名 ツイミーグ
投与方法 経口
識別
CAS番号
775351-65-0
PubChem CID: 24812808
ChemSpider 26232690
UNII UU226QGU97
化学的データ
化学式C6H13N5
分子量155.21 g·mol−1
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イメグリミンImeglimin)は、2型糖尿病の経口治療薬である。日本では2021年6月に承認され[1][2]、8月薬価収載、9月16日「ツイミーグ」で発売となった[3]。グリミン系という新しいクラスの血糖降下薬の最初の製品(ファーストインクラス)である。

効能・効果

  • 2型糖尿病

副作用

重大な副作用には、低血糖(6.7%)が記載されている[4]

その他、1-5%未満に悪心、下痢、便秘が発生する。

作用機序

血糖降下作用は、

の2つの機序による[5]

これらの作用はどちらも、2型糖尿病の原因であるミトコンドリア機能低下を改善することによると考えられている。イメグリミンは酸化的リン酸化に関与する酵素に作用し、ミトコンドリア呼吸鎖の複合体Iを弱く阻害し、複合体IIIを亢進させる。従って、その間の経路が滞らず活性酸素の発生が抑えられるので、酸化ストレスを原因とするインスリン抵抗性亢進を改善する[5][6]

薬物動態

吸収

食前・食後を比較した結果、食事の影響は認められなかった[4]

分布

経口投与後2.5時間で最高血中濃度に達した後、半減期12時間で排泄される[4]

ヒト血漿タンパク結合率は1.2-6.4%であった[4]

代謝

ほとんど代謝されずに排泄される[4]

CYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4/5を阻害せず(IC50>100μmol/L)、120μmol/Lまでの濃度ではCYP1A2、CYP2B6、CYP2C9、CYP2C19、CYP3A4/5を誘導しなかった[4]

排泄

投与144時間後までに尿中に43.2%、糞中に54.8%が排泄された[4]

臨床開発

日本で実施された第III相試験では24週間の投与が行われ、プラセボと比較して血糖値を有意に低下させた[7]

その他

イメグリミンとその互変異性

フランスのバイオ製薬会社Poxel社が創薬し、日本では大日本住友製薬が臨床試験を実施した。製剤はイメグリミン塩酸塩である[8]

テトラヒドロトリアジン構造を有する。販売名ツイミーグ(TWYMEEG)はDualを意味する"twin"と一般名の"imeglimin"に由来する[9]

脚注

  1. ^ 日経メディカル. “ミトコンドリア機能を改善する新機序の糖尿病治療薬”. 日経メディカル. 2021年8月21日閲覧。
  2. ^ Poxel and Sumitomo Dainippon Pharma Announce the Approval of TWYMEEG® (Imeglimin hydrochloride) for the Treatment of Type 2 Diabetes in Japan, Pressemitteilung Poxel, 23. Juni 2021.
  3. ^ ツイミーグ錠500mg 新発売のお知らせ”. 大日本住友製薬 (2021年9月16日). 2021年10月22日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g ツイミーグ錠500mg 添付文書”. www.pmda.go.jp. PMDA. 2021年11月21日閲覧。
  5. ^ a b Hallakou‐Bozec, Sophie; Vial, Guillaume; Kergoat, Micheline; Fouqueray, Pascale; Bolze, Sébastien; Borel, Anne‐Laure; Fontaine, Eric; Moller, David E. (2021-03). “Mechanism of action of Imeglimin: A novel therapeutic agent for type 2 diabetes” (英語). Diabetes, Obesity and Metabolism 23 (3): 664–673. doi:10.1111/dom.14277. ISSN 1462-8902. PMC 8049051. PMID 33269554. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/dom.14277. 
  6. ^ 日経メディカル. “新機序の糖尿病治療薬イメグリミンが登場間近”. 日経メディカル. 2021年9月8日閲覧。
  7. ^ Dubourg, Julie; Fouqueray, Pascale; Thang, Carole; Grouin, Jean-Marie; Ueki, Kohjiro (2021-02-11). “Efficacy and Safety of Imeglimin Monotherapy Versus Placebo in Japanese Patients With Type 2 Diabetes (TIMES 1): A Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled, Parallel-Group, Multicenter Phase 3 Trial” (英語). Diabetes Care: dc200763. doi:10.2337/dc20-0763. ISSN 0149-5992. http://care.diabetesjournals.org/lookup/doi/10.2337/dc20-0763. 
  8. ^ AstaTech Inc. Catalog Product Search Result: AstaTech Inc. Catalog Product Search Result, abgerufen am 3. Juli 2021
  9. ^ ツイミーグ錠500mgインタビューフォーム”. 大日本住友製薬. 2021年10月22日閲覧。

関連項目




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