カルシウムチャネル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/24 07:48 UTC 版)
カルシウムチャネルは、カルシウムイオンを選択的に透過するイオンチャネルである。カルシウムチャネルには、イオンチャネル内蔵型受容体[1]も含まれるが、単に電位依存性のカルシウムチャネルを指して使われることがある。[1]
カルシウムチャネルの種類
以下に、各種の電位依存性カルシウムチャネルとイオンチャネル内蔵型受容体に対する、チャネル分子、遺伝子、発現部位、機能などの表を示す。
電位依存性カルシウムチャネル(Voltage-dependent calcium channel、VDCC)
チャネルタイプ | 活性化 閾値電位 | α1 サブユニット | 遺伝子 | 関連 サブユニット | 発現部位 | 機能 |
VDCCL型 Long-Lasting, DHP Receptor | 高電位 | Cav1.1 Cav1.2 Cav1.3 Cav1.4 | CACNA1S CACNA1C CACNA1D CACNA1F | α2δ, β, γ | 骨格筋、骨芽細胞、心筋、皮質ニューロンなどの樹状突起 | 平滑筋や心筋の収縮 [2]。心筋細胞における長い活動電位の形成。 |
VDCCP型/VDCCQ型 Purkinje | 高電位 | Cav2.1 | CACNA1A | α2δ, β, possibly γ | 小脳のプルキンエ細胞 / 小脳顆粒細胞 | 神経伝達物質の放出[2] |
VDCCN型 Neural / Non-L | 高電位 | Cav2.2 | CACNA1B | α2δ/β1, β3, β4, possibly γ | 脳全体 | 神経伝達物質の放出 [2] |
VDCCR型 Residual | 中間電位 | Cav2.3 | CACNA1E | α2δ, β, possibly γ | 小脳顆粒細胞、他のニューロン | ?[2] |
VDCCT型 Transient | 低電位 | Cav3.1 Cav3.2 Cav3.3 | CACNA1G CACNA1H CACNA1I | 神経、洞房結節、骨芽細胞 | 規則的な洞調律[2] |
イオンチャネル内蔵型受容体
チャネルタイプ | アゴニスト | 遺伝子 | 発現部位 | 機能 |
IP3受容体 | IP3(イノシトールトリスリン酸) | 小胞体(ER)/筋小胞体(SR) | Gタンパク質共役受容体(GPCR)の活性化の結果生じたIP3によるER/SRからのカルシウム放出 [2] | |
リアノジン受容体 | T管に存在するジヒドロピリジン受容体の放出するカルシウムイオン | ER/SR | 心筋細胞におけるCICR(Calcium-Induced Calcium Release) [2] | |
Two-pore channel | ||||
精子に発現する陽イオンチャネル | ||||
容量依存性カルシウムチャネル | ER/SRのカルシウムの枯渇による間接作用[2] | 細胞膜(外膜) |
薬理学
参考文献
- ^ Striggow F, Ehrlich BE (August 1996). “Ligand-gated calcium channels inside and out”. Curr. Opin. Cell Biol. 8 (4): 490--5. PMID 8791458 .
- ^ a b c d e f g h Rang, H. P. (2003). Pharmacology. Edinburgh: Churchill Livingstone. ISBN 0-443-07145-4 Page 53
- ^ Walter F., PhD. Boron. Medical Physiology: A Cellular And Molecular Approaoch. Elsevier/Saunders. ISBN 1-4160-2328-3 Page 479
外部リンク
- Calcium Channels - MeSH・アメリカ国立医学図書館・生命科学用語シソーラス(英語)
カルシウムチャネル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/13 06:04 UTC 版)
「電位依存性イオンチャネル」の記事における「カルシウムチャネル」の解説
詳細は「電位依存性カルシウムチャネル」を参照 「カルシウム拮抗剤」も参照 ヒトではカルシウムチャネルの遺伝子は16種類同定されているが、このタイプのチャネルは細胞種によって機能が異なる。一部の神経細胞では、カルシウムチャネルはナトリウムチャネルと同様に活動電位を形成する。カルシウムチャネルはシナプス前神経終末において、神経伝達物質の放出にも関与している。大部分の細胞では、カルシウムチャネルは細胞内のカルシウム濃度の制御に関与しており、さまざまな生化学的過程を調節する。
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カルシウムチャネル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 01:53 UTC 版)
カルシウムチャネルはL型のチャネルが心臓では重要な意義を持っている(T型チャネルは洞房結節などでは生理学的な意義がある)。カルシウムチャネルは他のチャネルと異なり、開口率が上昇すると細胞内、細胞外のイオン濃度の変化がおこる。カルシウムイオンは心筋の収縮力を決定する因子であるためにカルシウムチャネルからのイオンの流入は非常に重要である。カルシウムチャネルはナトリウムチャネルと比べて活性化に時間がかかる。脱分極後のプラトー相の形成に重要な役割があると考えられている。また浅い膜電位でも不活性化されないため特殊心筋の自動能の形成で重要な役割がある。一定時間開口すると不活性化し、不応期をつくるのはナトリウムチャネルと同様である。
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「カルシウムチャネル」の例文・使い方・用例・文例
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