キイハンター
キイハンター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 04:57 UTC 版)
『キイハンター』は瞬く間に視聴率は30パーセントを超え、1年の放送予定が5年に延ばされた。山頂駅を出発した谷を行き来するロープウェイにワイヤを投げてぶら下がってからよじ登り、走行する列車やバスに飛び降りて屋根で敵と格闘、自動車から並走する軽飛行機に飛び移る、雪渓から回転しながら転落、滑落しそうな滝の前で格闘など、数々のスタントを演じているがケガも絶えず、大きなものでは左足首骨折や日本刀で腕を斬られたこともある。(⇒ #アクション映画) 詳細は「キイハンター」を参照 本作の脚本は映画に比べるとアクションが詳細に指定されていなかったので、千葉は良いものを作りたい一心で積極的にアイデアを出すが、経費を気にするスタッフと対立することもあった。しかし視聴率が上がっていき、千葉のアイデアはどんどん採用されていくこととなる。国内では1969年(昭和44年)の近代映画10月号臨時増刊では『千葉真一特集号』を刊行され、週刊マーガレットでは同年のNo.17から『千葉真一物語』が連載されるなど、人気はさらに上昇していった。海外でもオンエアされ、ブルース・リーは千葉の大ファンとなり、その活躍に深い興味を示して共演の申し入れをしてきたが、リーの突然の死により実現しなかった。千葉のアクションやスタントを観てから熱狂的なファンとなったジャッキー・チェンは、千葉のようなアクションスターになる夢を抱いていた。香港・タイ王国で映画『東京-ソウル-バンコック 実録麻薬地帯』(1973年)、『激殺! 邪道拳』『ゴルゴ13 九竜の首』(1977年)、『HAKEN 覇拳 ふりむけば修羅』『地雷原 A mine field.』(1992年)など、千葉の主演・監督作品がロケーション撮影された際には現地で大歓迎されている。中島貞夫は『東京-ソウル-バンコック 実録麻薬地帯』をタイの製作会社からの資本参加を得てロケができた理由の一つに、『キイハンター』が当地で放送されており、千葉の人気が高かったことを挙げている。(⇒ #ファン) 詳細は「東京-ソウル-バンコック 実録麻薬地帯」を参照 共演者の野際陽子は「ともかく熱意が凄くて、ケガすると普通はビビるのがそれ位以上のことに挑戦して成功する“怖いもの知らず”。でもサボテンだけは怖いんですって」と証言している。千葉に比べると役者として駆け出しだった野際だが、放映し始めた頃のギャラは多くの映画に主演経験のある千葉より高かったので、「追い越してやる」と奮起させてくれる間柄でもあった。谷隼人は「千葉さんは『キイハンター』で身体障害者のファンが増えた。“あなたのアクションは私たちの夢です”と言われ、自分のアクションが希望を与えるならと一層刺激を受けていた。彼らの施設にも寄付をしていた」、大川栄子は「俳優にならなかったら、体育の先生になっていたと、よく基本を教えてくれる」と言っている。宮内洋は千葉が爆発の中を駆け抜けるシーンを横のアングルから見ていた時、「カメラを通して観るように」と言われ、安全のために千葉は火薬と距離を取りアクションをしていたが、レンズの位置からみると「今にも火薬でやられてしまうような迫力だった」とその迫力の違いに驚愕していた。『仮面ライダーV3』のオファーを受けた宮内は演技づくりのために『仮面ライダー』を何本かみて、「“アクションの神様”である千葉真一さんから教えを受けた私なら、変身前のアクションシーンをもっと盛り上げられると思った」とその影響を認めている。このほかにも「(V3の)アクションシーンで必ず手袋を着用したのは怪我を防ぐためだが、これは千葉さんのアイデアを取り入れたものだ」と、アクションのノウハウを千葉から享受されていた。(⇒ #アクションスター) 1969年、『キイハンター』を休んで映画『日本暗殺秘録』に主演。TBSやファンから復帰の要望が高まっていたが、風間洋介のイメージから脱皮しようと同作に賭ける思いはとても強かった。中島貞夫と打ち合わせしながら小沼正を創り上げていき、撮影見学に来ていた小沼本人からもその演技は太鼓判を押された。同作で京都市民映画祭の主演男優賞を受賞し、これが「様々な作品に出演していくためにも。『キイハンター』を卒業しよう」と決意することとなる。降板をボス役の丹波哲郎に申し入れ、丹波と東映は続けたかったが、丹波は「千葉が居ないのでは『キイハンター』は成り立たない。だったら一度番組を終わらせよう」と理解を示し、大ヒットしていた同ドラマは1973年に終焉。千葉は「丹波さんの決断にとても感謝している」と述懐している。 詳細は「キイハンター」を参照 詳細は「日本暗殺秘録」を参照
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