ゼノンのパラドックスとは? わかりやすく解説

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ゼノンのパラドックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/14 01:55 UTC 版)

ゼノンのパラドックスとは、エレア派のゼノンの議論で、特にパルメニデスを擁護してなされたいくつかの論駁を指す。多・場所・運動・粟粒等の論があったと伝えられているが、本人の書は失われ、断片が残るだけである[1]アリストテレス『自然学』の中で、ゼノンに対する反論として引用した議論が、比較的詳しいものであり、重要なものとして取り上げられてきた。そのなかで運動のパラドックスと呼ばれるものは、運動があるとするとこのような不合理が帰結すると論じられた。シンプリキウスがアリストテレスを注釈しつつ他の議論に触れているものおよびその他の断片から、多(多数性plurality)の議論もいくつか残った。


  1. ^ 山川偉也『ゼノン4つの逆理』第1章注2
  2. ^ プラトン『パルメニデス』第2章 128D、田中美知太郎訳「プラトン全集4」岩波書店:ISBN 4000904140
  3. ^ 『パルメニデス』第2章 127E
  4. ^ a b "Zeno of Elea", 'Encyclopedia of Philosophy', Macmillian, New York: ISBN 0028657896
  5. ^ 『自然学』第7巻第5章250a20
  6. ^ 『自然学』第4巻第1章209a23-25
  7. ^ 『自然学』第4巻第3章210b30
  8. ^ a b c 『自然学』第6巻第9章239b10-240a19
  9. ^ 山川偉也『ゼノン4つの逆理』第3章p89より。前進型・後退型も同書による。講談社刊 ISBN 4-06-206400-6
  10. ^ イリアスにおいてアキレスの枕詞の一つは「駿足の」である
  11. ^ ディオゲネス・ラエルティオス 著、加来彰俊 訳『ギリシア哲学者列伝(下)』岩波書店、1994年、110, 117頁。ISBN 4-00-336633-6 
  12. ^ 『自然学』第6巻第9章 239b5-
  13. ^ 『自然学』第6巻第9章 239b33
  14. ^ 『自然学』第6巻第9章訳者注
  15. ^ Stanford Encyclopedia of Philosophy, 'Zeno's Paradoxes', 3.4 The Stadium
  16. ^ 山川偉也『ゼノン4つの逆理』第1章37頁
  17. ^ a b c ラッセル「第六講 歴史的に見た無限の問題」『外部世界はいかにして知られうるか』ISBN 4124006802
  18. ^ 『自然学』第6巻第7章237b24
  19. ^ 『自然学』第6巻第9章239b9
  20. ^ 『自然学』第6巻第8章239b2
  21. ^ 『自然学』6巻2章233a22-8
  22. ^ 『自然学』6巻2章233a31-b13
  23. ^ 『自然学』8巻8章263a10
  24. ^ 『自然学』8巻8章263b5-9
  25. ^ 『自然学』8巻8章264a7
  26. ^ 『大論理学』第二巻本質論第一編第二章C
  27. ^ a b ラッセル「五、数学と形而上学者たち」『神秘主義と論理』ISBN 4622074257
  28. ^ (Russell 1903, chap. 54. §446)
  29. ^ アンリ・ベルクソン著・杉山直樹訳「知覚と物質」「第四章 イマージュの限定と固定について」『物質と記憶』(2019)p271-278、講談社
  30. ^ ライル「第3章アキレスと亀」『ジレンマ 日常言語の哲学』(1954)、篠澤和久訳(1997)、勁草書房 ISBN 4-326-19896-6
  31. ^ 大森荘蔵「刹那仮説とアキレス及び観測問題」『時間と自我』青土社, 1992.3. ISBN 479175171X
  32. ^ ”四 幾何学の図形の運動は矛盾”、「幾何学と運動」『時間と存在』青土社 , 1994.3 ISBN 4791753054
  33. ^ ”三 飛ぶ矢の逆理”、「ゼノンの逆理と現代科学」『時間と存在』
  34. ^ ”七 点時刻関数”、「ゼノンの逆理と現代科学」
  35. ^ Black, Max (1951). 'Achilles and the Tortoise,' Analysis, 11, pp. 91–101.
  36. ^ Benacerraf 1962.
  37. ^ 野矢茂樹「アキレスは亀を追い抜けないのか」「アキレスと亀のパラドックスにけりを付ける」『他者の声 実在の声』産業図書 (2005/07) ISBN 4782801548
  38. ^ 青山拓央、「アキレスと亀:なぜ追いつく必要がないのか」『科学哲学』 2010年 43巻 2号 p.2_81-2_94, doi:10.4216/jpssj.43.2_81, 日本科学哲学会
  39. ^ ジェイムズ「第11章連続と無限(二)」『哲学の根本問題』(1921)上山 春平訳、『世界の名著48』中央公論 (1968) ISBN 4124001282
  40. ^ 中村秀吉「第12章ゼノンのパラドックス(2)」『時間のパラドックス』中央公論(1980) ISBN 4121005759
  41. ^ McLaughlin & Miller, 'An Epistemological Use of Nonstandard Analysis to Answer Zeno's Objections Against Motion', Synthese, Vol. 92, No. 3, pp. 371-384
  42. ^ マクローリン「ゼノンのパラドックスを解く」有沢誠訳『日経サイエンス』1995年1月号
  43. ^ 「始原としてのギリシャ/山川偉也+野家啓一」『現代思想』青土社1999.8号; ISBN 978-4-7917-1049-2
  44. ^ "Modern Science and Zeno's Paradoxes", Allen & Unwin (1968/11) ISBN 0045130043
  45. ^ "Zeno's Paradoxes", Hackett Pub Co Inc; ISBN 0872205606



ゼノンのパラドックス

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パラドックス」の記事における「ゼノンのパラドックス」の解説

無限とその分に関するパラドックス。最も有名なものは下記の「アキレウスカメパラドックス」。他のものについてはリンク先記事参照

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