デルフィニア王家と縁者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 04:25 UTC 版)
「デルフィニア戦記」の記事における「デルフィニア王家と縁者」の解説
リィ(グリンディエタ・ラーデン) 声 - 桑島法子→神田沙也加 稀に見る美貌を持つ、輝く金髪と緑の瞳の少女。物語の当初は13歳、終了時には19歳になっていた。瞳と同じ緑の宝石をはめ込んだ銀環を常に頭に載せている。また、「相棒にもらった」という変幻自在の剣を持つ。超絶的な戦闘力を持つ剣士で、愛馬は「ロアの黒主」である大きな黒馬、グライア。後にデルフィニア王女を経て、王妃となるが、恐ろしく口が悪い上、堅苦しい場やひらひらしたドレスを嫌うため、公式行事にはほとんど出ない。ただし、猫を被ることはうまいので、その場に応じた態度や言葉選びは出来る。普段は、金髪を革紐でまとめ、動きやすい小者のような胴着に上述の剣を帯びた姿でいることが多い。 生まれてから黒い狼(狼人間)の義父に育てられ、自分を狼だと信じていた。そのため一般的な人間とは異なった倫理観をもっており、実際に獣を連想させるような行動をとることもある。またその一般人とは異なった考え方ゆえ、世間体という物が理解できない。その結果、他人のためとはいえ自分本位な考えに走り、周囲を真っ青にさせる騒動を引き起こしたり、他者を平気で怒らせることもある(お気に入りのポーラでさえ、結果的に二回は泣かせている)。 相棒・ルウから渡された指輪を右手中指にはめることを鍵として、異能を発揮する。常識では考えられない身体能力を持ち、夜の森を平気で歩く程に夜目が利き、ある人物が自分の知る誰の血縁かを正確に言い当てたり、毒薬の入ったものを看破するほどに嗅覚が鋭い。 「グリンディエタ」はボンジュイの世界で「白い太陽」の意味。様々な戦い、事件を通じてウォルとは「同盟者」として固い絆で結ばれてゆく。最後にウォルを祝福し、「勝利の女神」として天界(自分の元いた異世界)へと帰って行った。本来の姿は少年である。 『紅蓮の夢』では、本来の世界でシェラとともに家族との休暇を楽しんでいたところ、ある事故に巻き込まれ、その際に何故か飛ばされてきたウォルと再会。ルウの力を借りてウォルをこちらの世界に送り返すも、デルフィニアが戦火に見舞われていると知るや、何も言わなかった同盟者を救うべく、ルウに「王妃」に戻してもらい、シェラやヴァンツァー、レティシアまで引き連れて渡る。 ウォル(ウォル・グリーク・ロウ・デルフィン、ウォリー) 声 - 大川透→日野聡 先代デルフィニア国王ドゥルーワと妾(ポーラ)の息子(庶子)。当初24歳で、終了時は30歳。父親譲りの堂々たる体格と黒髪・黒い瞳を持つ。辺境スーシャの山奥でフェルナン伯爵の子息として育てられる。しかし、ドゥルーワ王が死に、直系の王子王女が次々と不慮の死(何人かはファロットによる暗殺)を遂げたことから、フェルナン伯爵の説得を受け、散々駄々を捏ねた挙句、嫌々とデルフィニア国王として即位。なお、母親は身分が低かったにも拘らず国王の寵愛を受けたことで結果的に王宮から追い出され、事故死に見せかけて殺された。これらの出自から自分の恋愛に若干臆病なところを見せていた(ポーラ・ダルシニをなかなか正式な愛妾にしなかったのは、彼女が自分の母親と同じ道を歩む危険性を孕んでいたせいもある)。 田舎出らしい好ましい人柄でありながら、大陸随一の剣士であり、その政治的手腕も確かなもので、計算の上か素で言っているのか判断しづらい発言も多く、各国の使者や周囲から「煮ても焼いても食えない」「妙(あるいは変)な王様」と評される。 ペールゼンのクーデターによって国を追い出され、一時放浪していたが、国に戻る途中の花畑で敵に襲われ、多勢に無勢の中をリィに救われた。以降、様々な戦い・事件を通じてリィとは「同盟者」として固い絆で結ばれてゆく。リィが人間らしく振舞うために隠している事を知らされて度々驚くが、「自分達とは違う、別の生き物」として認め、王女・王妃としてからもその行動を縛るような真似をほとんどしないため、普段は仲が良い。その体格や性格から「昼寝している牛」「駄熊」と呼ばれる。彼の膝はリィのお気に入りで、よく膝枕にする。リィとの別れでは、断腸の思いながら自分の守るべきもののために生まれ育った世界に残ることを決め、リィと再会を望みながらも別れた。その後、ポーラとの間に息子フェルナンを授かる(のちに5人の子供を持つ)。 『紅蓮の夢』では、本編終了後から10年が経ち、敗色濃厚なパラストとの戦争中、何故かリィの暮らす世界に飛ばされ、少年の姿のリィやシェラ、ルウと再会。更にはリィの家族や『スカーレット・ウィザード』の怪獣夫婦とダイアナにも出会う。 セドリック・フェルナン伯爵 ウォルの義父。デルフィニア北部のスーシャの領主であったが、ウォルの国王就任に当たって後見人となった。その後、ペールゼンの謀略によって投獄され、獄中での拷問が元で死亡する。ウォルが先王の遺児であることを明かしてからは、臣下としての礼節を崩さなかったが、死の間際にその胸中をウォルとリィに明かした。ドラ将軍が閉口するほどの頑固者だが、妙な愛嬌を持っていた人。フルネームは『紅蓮の夢』にて判明。彼の死去で伯爵家が絶えたため、ウォルは長男にフェルナン、次男にセドリックと名付けた。なお治めていたスーシャは直轄領となり、ウォルが信頼している人物に屋敷の管理などを任せている。 ポーラ・ダルシニ 声 - 寺田はるひ 下級貴族の娘。とある晩餐会に一族の代理として参加し、国王ウォルと出会ったのがきっかけで、すったもんだの末にウォルの愛妾となる。可愛らしい印象の女性で、よく栗鼠や小犬に喩えられる。リィのお気に入り。愛妾となってから出会ったナシアスの妹とは友人となり、一緒に買い物に行ったりしたことがある。本編終了間際で懐妊する。生まれた子どもは男児で、名前はフェルナン。その後、『紅蓮の夢』までの10年の間に次男セドリック、長女ポーレット、次女アラベルを授かり、5人目を妊娠中。外伝3巻目『ポーラの戴冠式』収録の書き下ろしにて無事男児を出産。『紅蓮の夢』でのリィの名付けにより、この三男の名は「エドワード」となる。 王妃不在の国王の事実上の妻となって10年経っても謙虚な性格は変わらず、臣下に徹していたが、子どもたちが庶子で王位継承権を持たない状態にあることをよしとしないリィによって起こされた騒動の結果、フェルナンは王妃の養子として継承権を得、自身はウォルの正当な妻として、王妃不在の間は王妃に準ずる扱いを受ける(国王の妻として公務にも出る)、王妃腹心の部下という扱いになった。 シェラ(シェラ・ファロット) 声 - 小林ゆう→村瀬歩 王妃付き女官だが、本当の性別は男。美しい銀髪と紫の瞳の持ち主。元ファロットの暗殺者で、リィを殺すため傍仕えとして王宮に上がるが、暗殺者であることはリィにはバレており、ある一件から「聖霊」と呼ばれる存在(声 - 矢野正明)に里の消滅を知らされ、彼らの命で新たな主をリィと定めるも、最初は暗殺者の掟に従おうとしていた。その後リィに心酔し、その身を守ることを選ぶ。そのため、侍女としての仕事の合間の訓練も欠かさない。 以降リィやウォルの影響を受け、「自分の意思を持たない人形」から脱出し、かつての自分と同じ状況にある里の暗殺者を「目障り」と評して、4対1でもほぼ無傷で相手を倒す技量を身につける。リィがタンガに囚われた際に、度々付け狙ってくるヴァンツァーを仕留めるための囮として髪を切ったため、後半からは少年の従者となった。ルウから「銀の月」と言われるが、それ以前にファロットの聖霊にも「太陽の傍にあるべき月」と言われている。 後にファロット一族の族長になるが、自らファロット一族の幕を閉じることを選ぶ。最後には、リィを迎えに来たルウ、リィと共に、リィの元いた世界に渡った。以降は「神に選ばれた侍女」として、ポーラを筆頭に「シェラさま」と敬称付きで呼ばれている(本人としては不服)。リィやルウと暮らす世界ではルウの力でリィと同じ年頃の少年の姿にしてもらっているが、デルフィニアの窮地を救うべく、ルウに本来の体格に戻してもらい、攻め落とされたマレバに押し込められているサンセベリアの王妃と子どもたちを救出。 ルウ(ルーファス・ラヴィー、ルーファセルミィ・ラーデン) 声 - 立花慎之介→深町寿成 本作品の途中から登場する、リィの相棒。光が当たらずとも星のようにきらめく長い黒髪に深い海のような青い瞳を持つ20歳の青年。リィの剣の師匠で、リィとは利き手が逆で左手で武器を取る。「人間が大嫌いだったリィが気に入った人間」であるが故に、ウォルやバルロ、イヴンといった人間に好感を持つ。 見る人によってその印象は異なり、ポーラは「きれいな天使」と評し、ナシアスの妻・ラティーナは「喋らないはずの樹木が喋っているようで怖い」と評した。なお、レティシアは「どう見ても聖霊なのに、どう見ても生身」と評している。「ルーファセルミィ」は「光と影」の意味。太陽とバランスをとる闇。リィの身に何か起きたときは遠く離れていても感知できる。リィ、シェラと共に元の世界に帰還していった。 『紅蓮の夢』では、ウォルが自分たちの世界に飛ばされたのには何か理由があると思い、ウォルを送り返したあとの陣を使って様子を見ていて、デルフィニアが戦火の中にあることを知る。
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