マランゴニ‐たいりゅう〔‐タイリウ〕【マランゴニ対流】
マランゴニ対流
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 09:00 UTC 版)
マランゴニ対流とは、流体表面の表面張力が不均質になることが原因で流体の流れが駆動される対流のことである。名前はイタリアの物理学者カルロ・マランゴニ(英語版)にちなむ。マランゴニ対流が起きると表面張力の低いほうから高いほうへ流れが生じ、周りの液体の表面張力を下げるように広がっていく。最初の表面張力の変化は主に温度差、濃度差が原因となる。ひとたびマランゴニ対流が発生すると、流れにより温度や濃度が不均質になるため、ある条件では準定常的な対流が持続する。 シリコンなどの半導体材料を溶融し、冷却して再結晶させる過程でマランゴニ対流が発生するため、均質な単結晶を生成することが難しくなることが知られている。 マランゴニ対流の解析には、次のマランゴニ数Ma という無次元量が用いられる。 M a = − ∂ σ ∂ T Δ T L μ κ {\displaystyle Ma=-{\frac {\partial \sigma }{\partial T}}{\frac {\Delta TL}{\mu \kappa }}} ここで σ:表面張力 T :温度(温度差によるマランゴニ対流の場合) ΔT :代表温度差 L :代表長さ μ:粘性 κ:温度拡散率 である。 定常状態では表面張力σの勾配と流れが次式で関連付けられる: μ d v x d z = d σ d x {\displaystyle \mu {\frac {dv_{x}}{dz}}={\frac {d\sigma }{dx}}} ここでxとzはそれぞれ水平方向と鉛直方向の座標、vxは水平方向の流速である。
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