レパートリーとパートナー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/16 15:09 UTC 版)
「バンジャマン・ペッシュ」の記事における「レパートリーとパートナー」の解説
ペッシュはクラシック・バレエやロマンティック・バレエの諸作品はもとより、モーリス・ベジャールやローラン・プティなどの現代の振付家が創作した作品やコンテンポラリーに至るまで、幅広いレパートリーを踊りこなすダンサーである。ペッシュはルグリと自分を比較して「彼のような強いテクニックもないし、ぼくはむしろ演技を得意とするタイプです」と述べた上で「ただのパを連ねたデモンストレーション的なダンスより、演劇性の強い物語性のあるダンスが好きです」と語っていた。 彼はベジャールの作品よりもプティの作品を多く踊る機会に恵まれていたため、「自分のレパートリーとして完璧に合っています」と分析していた。スジェの昇進試験では『アルルの女』を踊り、プルミエ・ダンスールへの昇進試験のときには『ノートルダム・ド・パリ』を踊っていた。さらにエトワール任命の契機となったのも、上海で『アルルの女』を急遽踊ったことだった。実際に彼がバレエの魅力に目覚めたのは、8歳のときに観た『若者と死』の感動からであり、プティとの縁は深かった。 プティ自身からも『若者と死』を踊るべきだ、と勧められたが、8歳のときの感動をそのままにしておきたかったために断っていた。三浦雅士は前掲の対談で「とても演劇的な作品だから、プティ自身もペッシュさんが踊るのを見たかったと思いますよ」との評価を伝えていた。 踊りの上でのパートナーはペッシュにとって大切な存在で、パリ・オペラ座バレエ団のエリザベット・モーラン、レティティア・ピュジョル、エレオノーラ・アバニャート、マリインスキー・バレエのディアナ・ヴィシニョーワが特に好きだと評価している。ペッシュは1人で踊るのはあまり好きではなく、「パートナーと一緒だと多角的というか、多機能的なダンスを作れます」と舞台上での表現の広がりに言及していた。
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