乗り心地
路面の凹凸によって生ずる、車体の低周波振動に対する乗員の感覚。乗り心地は、室内空間、シートの座り心地、視界、空調、振動、騒音などを含めた総合的な感じとして広くとらえることもある。また、路面刺激による振動のほか、アイドル振動や加減速時のショック、ジャダーなど各種の低周波振動も含めて扱われることもあるが、路面刺激によって生ずる振動のみに対する感覚を、乗り心地として扱うのが一般的である。乗り心地に関係する車体の振動現象には、ピッチング、バウンシング、突き上げ、ハーシュネス、ランダム振動などがあり、これらの振動によるシート上の人体振動や、人体が触れる部位の振動が乗り心地にかかわる。振動の周波数領域は大体、30Hz以下である。乗り心地は路面の状態、荷重、車速など運転条件によって異なる。乗り心地の評価は、市場の一般路面に加えて、諸元がわかった周期性路面、突起、段差路、ランダム路面などの固定路面で実施される。車体フロア、シート上人体、ステアリングホイールなどの振動加速度や、そのパワースペクトル密度などの計測による定量評価と、何人かの評価者による官能評価でなされる。同一路面での複数車による相対評価が一般的であるが、IS0提案の振動基準値による評価も可能である。乗り心地に影響する車体振動には、懸架ばね、ショックアブソーバー、ブッシュマウント、タイヤの特性が関係し、人体への振動伝播ではシートロアバックの振動絶縁性、ステアリング支持系やフロアの剛性などが影響する。
参照 ジャダー、突き上げ、ピッチング、バウンシング、ハーシュネス、ビッチング、アイドリング振動乗り心地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/27 03:50 UTC 版)
乗り心地(のりごこち)は、人が乗り物に乗った時の快適さの程度である。もっとも狭義には、乗り物の振動に対する旅客の感じ方である。さらに、騒音、室内の接客設備、温度や湿度、空調・換気の風量なども「快適性」や「居住性」に影響を与える要素であり、もっとも広義には、公共交通機関における乗務員の接客態度などまで含めることがある[1]。自動車や鉄道車両などの陸上交通では、車両自体の特性に加え、道路や線路の規格や保守状態も乗り心地に大きな影響を与える。
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乗り心地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 04:44 UTC 版)
動力分散方式の車両では床下に動力機器を搭載しているため、騒音や振動が車内に伝わりやすく、乗り心地の面では動力集中方式に比べて不利である。ただし動力分散方式でも技術の進歩により乗り心地の改善が進んでいる。
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乗り心地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 02:48 UTC 版)
エレベーターに乗ると、身体が床に押し付けられたり上に引っ張られたりするような感覚がある。これはエレベーターの速度の変化によって生ずる加速度が搭乗者に働くからである。速さが激しく変わるようなエレベーターは搭乗者にとって不快である。また、かごをガイドするガイドレールの取り付け方によっては横方向の揺れが発生し、乗り心地は大きく変化する。超高層ビルで運用されるエレベーター(最下階から最上階まで直通するような速度の速いエレベーター)ではレールの歪みやレール取り付け方法、加速度のコントロールに細心の注意が払われている。横浜ランドマークタワーのエレベーターは床面に立てた硬貨が倒れないほどに乗り心地がよいといわれる。これは、加速制御の巧みさだけでなく、ガイドレールの配置や歪みにまで丹念に作りこまれているからである。
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「乗り心地」の例文・使い方・用例・文例
- 乗り心地のよい車
- その車は乗り心地がよい
- この車の乗り心地は新しい緩衝装置で改善された
- この車はよい乗り心地だ
- ノイズが乗り心地性能へ悪影響を与える。
- 乗馬は乗り心地が悪かった。
- この電車は乗り心地が良い。
- 乗客の乗り心地にはあまり注意が払われていなかった。
- この電車は乗り心地がいい。
- この新型車は乗り心地が実にスムーズだ.
- この車は乗り心地が悪い[柔らかい].
- この車はだれのものにせよ, 乗り心地がいい.
- これは乗り心地がいい[悪い]車だ.
- スムーズな乗り心地
- この車は乗り心地が滑らかだ
- 神経に障る乗り心地
- いたんで乗り心地の悪い車
- 買おうと思っている車の乗り心地を知るためのテスト
- 同社の厳しい競争市場で事業を拡大するためのセールスポイントは,快適な乗り心地と丁(てい)寧(ねい)な接客である。
- 列車が時速300キロ未満で走っている間,乗り心地はスムーズだった。
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