にじゅう‐ていこく〔ニジユウ‐〕【二重帝国】
二重帝国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/07 15:51 UTC 版)
デリタス・カルーチ二重帝国 「(二重)帝国」と略し称される多民族国家。デリタス帝国とカルーチ王国の人的同君連合である。デリタス皇家の価値は正統な血統を持つ王族同士の婚姻による結びつきによって支えられている為、クローンに対する人権意識は自ずと低くならざるを得ない。およそ2時間おきに喫茶を行う習慣がある。カルーチ王国 二重帝国内で最大の邦。デリタス皇帝を国王(漫画版によると「使徒王」)に戴きつつも、帝国内で唯一の議会制による自治権を持つ立憲君主制国家で、習慣および国民の気風も他邦と異なっていた。物語の1年前、連合王国の用いた超兵器(漫画版では「起源王朝の禁忌」)により「カルーチIII(サード)宙域」ごと消滅、現在は国名のみに名を残す。 二重帝国宇宙軍 「二重帝国軍」「宇宙軍」と略される。下士官以下の所属配置は基本的に同郷出身者で固められるのが伝統となっている。また、典範例によると軍規は比較的柔軟で、現場指揮官の判断が優先される場合も多く、伝統的に鉄拳制裁が奨励されている。しかし、上層部はオケニア鎮守府参謀部派とデリタス府宇宙軍中央軍務派の2大軍閥に大きく二分され、エリート士官たちの暗闘の場になり果てるという末期的状況にある。 メトロヤブー号 二重帝国クシーボ艦隊所属の戦列艦。艦長はバーズ、副長はベッツ大尉。特に厳しい鉄拳制裁で有名で、水兵たちの戯れ歌に曰く「♪鬼のノモトフ、地獄のニカボ、音に聞こえた蛇(じゃ)のメトロヤブー」。 ナライ号 ショーヤたちが所属する二重帝国軍の8等スループ艦。小型艦とはいえ全長700メートル規模の大きさを持つ。クーリエをデリタス府の宇宙軍司令部からオケニア鎮守府まで送迎する単独任務中、オケニア鎮守府特務艦隊(6等艦以下7等艦を主力とした10個分艦隊)に遭遇、機密漏洩回避を理由に艦隊への合流を強いられる。星系(ほしけい)宙域Ω339871で発生した1度目の戦闘で被弾が確定、放棄された。分離式シャトル 「シャトル」とも。ナライ号クラス付属のものでも20数名の定員で全長100メートル規模のものである。常時は本艦が入れない小港や他艦との連絡に用いられるが、非常時の脱出にも用いられる。 ナライ号のシャトルは、惑星Ω339871eの裏側に一時退避すべく本艦と分離するも、脱出中に第二ブリッジに被弾、操縦不能となり惑星の大気圏に突入、暫定設定によって辛くも胴体着陸に成功した。以降は遭難中のクルーの生活の場となる。激しい損壊と資材・技術不足により、大破した機体の修復は現状では困難を極める。 時鐘 二重帝国軍で用いられる時報およびそのシステム。標準時30分毎に1点鐘(ちん)ずつ増やしていき(2つ以上は「チンチン」と2つずつ鳴らす)、8点鐘=1セットで次のセット、そして6セット=1日で翌日となる。時間は「何セット目の何点鐘」という形で表される。喫茶 二重帝国全域に深く浸透している風習。元々は帝国領内の多様な民族の協調を促し融和せしめる為の知恵であったとされる。現在では余程の緊急の場合を除いては、約2時間置きに一同が会し、茶菓子を囲んで茶を飲む。それは軍隊にあっても決して例外ではなく、時鐘システムとも密接に結びつき、むしろ喫茶のタイミングを利用してミーティングやブリーフィングが開かれる程である。したがって、各人がそれぞれに専用のカップを持ち寄るという行為は、一種の団結の象徴といえる。 クローン兵 二重帝国の操艦用クローン。操縦だけでなく他艦との通信、武装の操作、敵艦や攻性機雷の航路予測など、航宙艦に関するあらゆる制御を一手に引き受ける。人間型だが一切の人権を持たず、実用上も軍事機密に満ちた装備品として処理される。彼女らの意志と行動を律しているのは、大量に投与されたナノマシンと教育である。最も一般的なのはイチノと同じスタンダードシリーズタイプ1-Aで、皆一様にアルビノの外見的特徴を有した小柄な少女の容姿をしている(ただし日光に弱いわけではないらしい)。とはいえ、5等フリゲート艦までなら一人で制御できる程の性能を持ち、戦列艦においては雷撃戦のエキスパート砲手40人分の働きをする。また、経験(記憶や学習)を抽出して別の個体に移し替えたり共有したりする事ができる。戦艦のブリッジ中央のパイロットスペースを離れて生体を保全する為には、日常的なカルティベーションシステムの運用と、ナノマシン同士の衝突を抑制する為の多量の維持薬の服用が必須となる。 電子ブロック ブロック状の各種回路素子を物理的に組み合わせる事により、簡単に様々なシステムを構築できる、二重帝国が誇る汎用コントロールシステム。火器管制、航法システム、戦術ドライバといったあらゆるシステムに応用変化させることができ、拡張性も高い。現実世界の「電子ブロック」がモデル。
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