人口移動(移動)
空間移動 1あるいは地理的移動 1の研究は、地理的空間において個人によって行われる動き 2の量的側面に関するものである。人口移動(移動) 3の際立った特性は、常住地(310-6*)の変更を伴い、行政的境界を越える動きを意味する点である。移動者が出て行く行政単位は発生地 4または出発地 4であり、移動者が到達する行政単位は目的地 5または到着地 5である。移動の概念は、固定した居住地を持たない人びとの動き(move)には適用されない場合が多い。たとえば多くの国では遊牧民は移動者の数から除かれている。実際には、相対的に居住地の永続的な変更を意味する移動と一時的な動き 6とを区別することは、出発地からの不在期間 7または目的地での滞在期間 8の判断基準がないと困難な場合がある。一般的に、常住地の変更を伴わない短期の動き(trip)はその経済的社会的重要性の故に研究に値するかもしれないが、地理的移動(mobility)には含まれない。通勤・通学 9は居住地から勤め先、あるいは学校への毎日あるいは毎週の移動(journey)を伴なっている。季節的な動き 10は年間の周期性を持っている。通過移動 11は目的地に到達するまでにある領域を横切る動きで、通過する領域への移動とは関係ない。観光旅行 12や余暇旅行 12もまた地理的移動には含まれない。
- 1. 空間移動は社会移動(920-4)、職業移動(921-3)と区別される。
- 3. 移動migration(名);移動するmigrate(動);移動者migrant(名):移動する人、形容詞にも使われる;移動する、移動に関係するmigratory(形)。migrationという用語はフランス語と異なり、英語では過程を指して個々の動きを指すのには使わないし、複数で使われることもめったにない。幾人かの学者は、すべての住居移動(803-6)、転居も移動と考えている。しかし、大多数の学者は、移動の動きというものはある行政的境界を越えるものとみている。そして、選定された行政単位は移動の単位地域migration defining areaと呼ばれる。
- 5. 関心の対象が国際人口移動の場合は、到着国country of arrivalと受け入れ国country of reception というのが適当である。
- 9. 通勤するcommute(動);通勤者commuter(名):住所から働き場所まで規則的に移動する人。働くための移動journey to workという表現もこのような動き(movement)を記述するのに用いられる。
- 10. よく使われる季節的移動seasonal migrationという言葉よりも季節的動きseasonal movementの方が正確である。なぜなら、この動き(move)ほとんどの場合、常住地の変更を伴わないからである。
人口移動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/01 15:41 UTC 版)
人口移動(じんこういどう、英語: migration)は、地域間における、居住地変更を伴う人の移動のことである[1]。地域人口の変化に大きな影響を与える現象であり[2]、人口地理学の主要な研究テーマの1つである[3]。
- ^ a b 清水 2011, p. 29.
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人口移動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/19 16:37 UTC 版)
詳細は「人口移動」を参照 人口移動は、地域人口の変化に大きな影響を与える事象であり、人口地理学の主要な研究テーマの1つである。国内人口移動では、例えば都市・農村間での人口移動が研究対象となる。
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人口移動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/07 14:28 UTC 版)
1800年の時点では、「ドイツ人」とされた人の約25%が都市に住み、約75%が農村に住んでいた。1850年代初頭、工業化や都市化の遅れた東方から、より発展していた西方へ人口が流動するオストフルフト(「東からの逃避」の意)が起きた。1870年代、地方都市の産業化が進展すると、その地方内でのラントフルフトの萌芽が見え始めた。この時点でもまだ64%のドイツ人が農村地域に住んでいたが、その割合は1907年の時点で33%にまで減少した。 プロイセン王国領の東プロイセン、西プロイセン、ポーゼン、シュレージエン、ポンメルンでは、1900年までに160万人が農村地域から都市へ移動した。この元農民たちは、急速な成長を見せていた都市工場労働者層に吸収された。1800年のドイツでは工場労働者は10万人に満たなかったが、次の世紀の間に800万人にまで増加した。この大規模な人口移動の原因の一つとして、都市民と比較した相対的な農村地域の収入減少が挙げられる。
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