人間の生活との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 02:04 UTC 版)
近代に入り、タヌキが毛皮採取目的で乱獲され、全国的に絶滅が危惧された時期があった。1926年(大正15年)2月24日、山口県防府市の「向島(むこうしま)タヌキ生息地」が、国の天然記念物に指定されている。しかし1950年(昭和25年)に本土と向島を結ぶ錦橋が建設されて以来、島のタヌキの生息数は減少の一途をたどり、天然記念物指定時には2万頭と推定されたタヌキが、1987年にはほぼ10頭未満まで減少し、近年では姿を見られることさえまれであるという。これは、錦橋を渡って島に侵入した野犬の影響が大きいと思われている。現在では、多数の市民ボランティアにより、様々な保護活動が行われている。 タヌキが人家の周辺に出没する際に、飼い犬・猫を起源とするイヌジステンパーウイルスや、ヒゼンダニ属のダニ等の寄生により疥癬に感染する例がある。重症化した場合は毛が抜け落ちてハイエナを思わせる外見となる。重症化した場合は多くの個体が数週間程度で衰弱死する。近年では目撃例が増加しているが、タヌキは有害鳥獣に指定されていることから行政の保護対象ではない。 子供のタヌキは経験不足から自動車の前照灯にすくんでしまう習性があり、交通事故に遭う件数が非常に多い。特に高速道路では事故死する動物の約4割を占め、群を抜いて多い。このため、タヌキが多く出没する地域の高速道路に於いて、動物の注意を促す標識にタヌキの図案を用いているところが多い。また、高速道路に限らず、地方の民家の少ない道路などでも事故が絶えない。事故に遭わないよう、道路をくぐる動物用トンネルが設置されているところもある。
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