人間農園
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 16:42 UTC 版)
高級農園 高度な知能を持った人間を飼育する農園。グレイス=フィールド、グローリー=ベル、グランド=ヴァレー、グッドウィル=リッジの4つが存在。中でもグレイス=フィールドは最上級に位置付けられる。 認識番号で個体を識別して管理している。のびのびした環境で健やかに育てられ、知能を高めるテストが行われる。高級農園では量より質が重要視され、ここから出荷された食用児は一般の鬼には手が届かない金持ち向けの高級品として扱われる。中でも脳は重要視され、エマ達の脱走時には鬼から部下に「特上」以外の食用児は殺しても構わないとしつつ、頭部は傷つけないよう指示される。ミネルヴァによると、4高級農園内には人間の世界への道があるとの事。警備は量産農園と比べてかなり厳しく、盗賊も手が出せない。反面、知能の高さ故に農園の事実に気付かれる恐れも高まるため、飼育監の手腕が問われる。グレイス=フィールドハウス(GF) 孤児院を装った最上級の人間農園。エマ達は、単に「ハウス」と言うことも多い。 全部で5プラントあり、満期の年齢は12歳。食用児の認識番号は首筋に5桁の数字が記載され、数字の並びを逆にすると生まれた順になる。飼育監の通称は「ママ」、補佐の通称は「シスター」。この農園の食用児は英才教育が施され、「特上」にランクされた食用児は鬼の頂点に捧げられるため、王や上級貴族も食べられない。そのため、日常的に後述のグランド=ヴァレーの食用児を食べている密猟者の鬼達ですら目の色を変える。 レイによると、GFにはエマ達が暮らす第3プラントを含めて全部で5プラントと本部が存在する。第3プラントでは37人前後の食用児がいて、早くて2ヶ月に1人程度出荷される。 住居である屋敷の周囲は鬱蒼とした森で、外縁は子供では登れないほどの壁に囲まれる。グランド=ヴァレーやグッドウィル=リッジと異なり、農園には天井が無く自然の空が広がる。外部と接触できるのは「門」と呼ばれる場所のみだが、壁・門に近づくことは禁じられ、子供達は実質軟禁されている。物資管理が徹底され、特に刃物の扱いは厳しい(毎日の食事はレトルト食品で配給され、包丁は一本もない)。ママの部屋には通信設備が隠され、定時連絡など「本部」と通じている。子供達が脱獄した際は、通信機器で本部に報告され、警報音が農園全体に響き渡る。 ノーマンが塀を登って確認した情報によると、本部を含めたプラント同士は隣接し、全体の形は六角形になっている。その周囲は断崖絶壁で飛び降りるのは不可能。本部は第3プラントの真向かいに位置し、唯一橋と繋がっている。作中の描写によると、プラントにある宿舎と比べてかなり大きい建物で、周囲には木が生えていない。飼育庁 「入荷」する人間の乳児を育てるための施設とされる。ハウスに新しく来る乳児がいつも1歳程度に成長していること、既に発信機が埋め込まれていることなどから、その存在が推測された。 グローリー=ベル(GB) ユウゴやルーカスらがいた、村を装った農園。食用児の認識番号は、お腹に数字を含んだ6文字の文字列が記載され、左からアルファベット3文字、数字、アルファベット、数字という構成になっている。満期の年齢は15歳。 ミネルヴァが食用児に脱走の手引きをし始めた比較的早い時期にユウゴ達が脱走し、シェルターまで辿りつく。またゴールディ・ポンドの猟場でもレウウィスに目をつけられるまで1人も死なずに生き延びていた等、かなり高い能力を持った食用児が多い農園である事が窺える。 グランド=ヴァレー(GV) 学校を装った農園。バイヨンが管轄しており、ゴールディ・ポンドの猟場に放たれている食用児の大半はこの農園から横流しされている。 食用児の認識番号は胸元に記載され、左からアルファベット、ローマ数字、数字3桁、ハイフン、数字3桁という構成。テオの回想によると飼育監を「先生」と呼ぶ。月一で数十人単位の食用児が猟場に補充され、GFと比較してかなり大規模な農園らしい。食用児はGFと比べて能力的に平凡な子供が多く、バイヨンから並肉と呼ばれる。単行本9巻で描かれたエマとヴァイオレットのやり取りから、猟場と同様に農園の空は人工照明になっているようである。 猟場に放されている食用児の多くは共に育った兄弟姉妹を密猟者に狩られた過去がある。満期の年齢は15歳以上のようで、16歳のペペは猟場に来てから日が浅めとのこと。 グッドウィル=リッジ(GR) バーバラやシスロがいた、学校を装った農園。作中の描写では農園の空は人工照明になっているようで、出荷の際は同一プラントから複数人の出荷がなされている模様。詳細は不明だが、この農園からΛ7214にかなりの数の食用児が送られていた事が窺える。 量産農園 安価量産型の人間農園。 人間を劣悪な環境でただ生かし太らせ出荷する。食用児達は狭い空間に一列に並んで座らされ、手首に手錠のようなもの、腕には点滴、口には呼吸器が取り付けられる。食用児達の生命維持はこれらの装置に依存し、取り外すと死んでしまうとのこと。また彼らは言葉を解さず、意思も無い。その為、ソンジュによると彼らは脱走の意志も能力もないようである。ただし、感情を完全に失っているわけではないらしく、食用児の1人は救出に来たノーマンの呼びかけに涙を流した。人間農園の大半はこのような数百ほどの量産農園である。高級農園の食用児と異なり個体識別されず、農園ごとに紋印が刻印されている。高級農園と比べ警備は甘く、近年は盗賊の襲撃が増えている。鬼の市場の様子から、高級農園の食用児とは異なり個別に丸ごとではなく、頭部・腕・足などに切り分けられ、部位ごとに瓶詰されている。 Λ(ラムダ)7214 ミネルヴァが残したメモリチップに入っていた情報。2031年時点では西の果てに建設予定の新しい試験農園とのことだったが、2046年時点では既に運営が始まっている模様。 レウウィスによると、バイヨンが出資した新農園。ノーマンはこの農園に送られ、GFよりも更に難易度の高いテストを受けていた。農園内には人間世界から来たと思われる人間達の他に鬼もいるが、明らかに異様な風貌の人間達が育てられている。アダムはΛ7214出身で、ここにいた時にノーマンを見たようである。ここで生まれた食用児もいれば高級農園から送られてきた食用児も存在し、後者は一部を除くと人体実験用に送られていた事が窺える。シスロによると、地獄という表現すら生ぬるい環境だったらしく、多くの食用児が物より酷い扱いだったとのことで、食用児が野良鬼に生きたまま食べられている描写も存在する。 新型量産農園 Λ7214系列の量産農園。 ジンやハヤトはこの農園の出身。彼らは高級農園の食用児と同じく高度な知能を有し、一般的な人間よりも高い身体能力を有しているなど、従来の量産農園とは大きく異なる農園であることが窺える。
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