ばんせい‐いでん〔‐ヰデン〕【伴性遺伝】
伴性遺伝
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伴性遺伝
伴性遺伝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/25 06:32 UTC 版)
「伴性遺伝」も参照 PAR以外のX染色体の遺伝子は、女性では対立遺伝子2種類が存在するのに対して、男性では1本のX染色体上の1種類しか存在しない。したがって、男性の場合、それらのX染色体の遺伝子によって支配される形質は劣性形質であっても表現型となって現れる。一方、一般にY染色体のMSY上に存在する遺伝子は男性のみで発現することになり、このような遺伝を限性遺伝という。限性遺伝する遺伝子は、SRY以外に精子形成に関わるDAZ遺伝子などがある。 PAR1に存在する低身長ホメオボックス遺伝子(SHOX, short status homeobox containing gene)は、通常は男性(XY)・女性(XX)どちらでも2コピーが発現している。X染色体が1本しかないターナー症候群女性(XO)では、SHOXの不足による低身長症がおきることがある。一方、MSYであるY染色体長腕のセントロメア付近には「Y成長遺伝子」と呼ばれる遺伝子がある。この遺伝子はY染色体限性遺伝であるため、男女の身長差の一因となっていると考えられている。前述の染色体異常(転座)によるSRY遺伝子欠失XY型女性は、このY成長遺伝子を持つため、XX型女性より平均9cmほど身長が高くなる。
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伴性遺伝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/20 04:57 UTC 版)
性染色体に存在する遺伝子の発現により、雌雄・男女で差が生じる遺伝のことを伴性遺伝という。一般的には血友病・色覚異常などの例が良く知られている。一般的に伴性遺伝疾患について次のように説明される。 X染色体の特定遺伝子に異常がある確率をp(0<p<1)とする。このとき、男性はX染色体が1本しかないので、確率pでそのまま表現型に現れる。女性はX染色体が2本あるので、両方のX染色体に同じ異常が揃う確率はp2となり、より低い確率でしか表現型に現れない。仮にpに1,000分の1を代入すると、男性は1,000人に1人、女性は100万人に1人となり、大きな差ができる。 これは概論としては正しいが、厳密には正確性を欠く説明である。哺乳類の雌の体細胞では、2本のX染色体のうち片方が不活性化されている。ヒトを含む真獣下綱動物では、この不活性化がランダムに起き、雌の体細胞は2種類のX染色体のどちらが働いているかについて、モザイク状態になっている。したがって、疾患遺伝子をヘテロ接合型に持つ女性(保因者(英語版))では、細胞によっては遺伝子疾患が発症していることがある。部分的に発症しているにもかかわらず、保因者女性で伴性遺伝疾患が強く現れないのは、モザイクを作っている正常な細胞による補完によるものであるとされている。 X染色体に免疫系で働く遺伝子が含まれていることで、「女性が男性よりも強い免疫力を持っている」という説もある。しかしながら、それらの遺伝子の多くはX染色体の不活性化により遺伝子量補償(男女・雌雄の遺伝子発現量の均等化)がなされていると考えられることから、この説には確証があるわけではない。
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